サッカー日本代表のパリ五輪挑戦がいよいよスタートする。そこでU―23代表でキャプテンを務める藤田譲瑠チマ(22)にインタビューを敢行。  第2回は、パリ五輪の切符を手に入れ、自身も大会MVPに輝いたU23アジアカップを振り返りつつ、パリ五…

 サッカー日本代表のパリ五輪挑戦がいよいよスタートする。そこでU―23代表でキャプテンを務める藤田譲瑠チマ(22)にインタビューを敢行。
 第2回は、パリ五輪の切符を手に入れ、自身も大会MVPに輝いたU23アジアカップを振り返りつつ、パリ五輪で一緒に戦う代表チームの仲間たちについて語ってもらった!

「すごい気持ちよかったです」

――続いて、日本にパリ五輪出場権とアジア制覇のトロフィーをもたらしたU23アジアカップ カタール2024について振り返らせてください。

 藤田選手はMVPに輝きましたが、一番、記憶に残っている試合やプレーはありますか?

藤田 優勝したときはすごい気持ちよかったですし、今まで積み上げたものが1回、報われた感じがしましたね。優勝したときは、チームとしても、すごいうれしかった場面だったと思います。

――そうですよね。では、その栄冠を勝ち取った仲間たちについて、聞かせてください。もし、自分がデュエル(1対1)をして、ボールを奪わなければならない、もしくは守備の際にマークにつくとしたら「面倒だな、やっかいだな」と思う選手はいますか?

藤田 敵だったらイヤなのは、細谷真大ですね。

――過去に、「もし藤田選手が、所属するシント=トロイデンのスポーツディレクターだったら、U-23日本代表の選手のうちで、チームに誰を連れて来るか?」という質問に対し、「細谷真大かな」と回答されていました。敵にすると、やっかいということは、信頼が高いということですよね?

藤田 そうですね。彼は点を取れるいい選手だと思うので、相手チームにいたらイヤだなと思います。

――パリ五輪出場権を獲得したイラク戦のときの1点目、藤田選手の絶妙なフィードを受けての反転シュートも素晴らしかったですもんね。

藤田 そうですね。

――6月に行われたアメリカ遠征、親善試合から参加して、最終メンバー18人に選ばれた斉藤光毅選手や三戸舜介選手との相性はいかがでしたか?

 「一人で外せる能力がすごく高いなと」

藤田 選手との相性は、自分自身、そんなに気にするタイプではないのですが、光毅は一人で外せる能力がすごく高いなと改めて感じたので、そういったハッキリした武器があるというのは、すごくいい選手だなと思います。

――なるほど。では、そうした個性豊かなメンバーをキャプテンとしてまとめるうえで、何か心がけていることありますか?

藤田 アジアカップ中は、特に「キャプテンとして」というのは考えずにやっていたんですね。だから、チームが勝つために、一選手、一プレイヤーとして行動していたという感じです。だから、そんなにキャプテンとしてやらなければいけない、というように意識はしていなかったです。

――ゴールキーパーの小久保玲央ブライアン選手は、藤田選手はみんなを引っ張るというよりも、後ろから支えてくれていた、と話されていました。

藤田 自分自身、そういうふうには、特に心がけてはいなかったのですが、チームメイトから見てそういう一面があったのなら、そうなのかなと思います。

――では、藤田選手のサッカーとの出会いから、プロとして世界に羽ばたいていくまでを、転機、エピソードとともに振り返らせてください。

藤田譲瑠チマ(ふじた・じょえる・ちま)
2002年2月16日生まれ、東京都町田市出身。ナイジェリア人の父と日本人の母との間に生まれ、小学生時代は町田大蔵FCでプレー。東京ヴェルディの下部組織で才能を伸ばし、2019年9月にトップチームデビューを果たす。その後、当時J1の徳島ヴォルティスから横浜F・マリノスを経て、2023年7月にベルギー1部リーグのシント・トロイデンへ完全移籍。日本代表デビューは、2022年7月の香港戦。4月にカタール・ドーハで開催されたU23アジアカップで、キャプテンとして日本代表を優勝に導き、自身も大会MVPに輝いた。パリ五輪出場を決めた準決勝のイラク戦では、長短2種類のパスで2アシストし、2-0の勝利に貢献。その広い視野、デュエルの能力、正確な技術、試合の流れを読む洞察力は、A代表の遠藤航(リヴァプール)以上との評価も。大岩剛監督の下、7月25日(パラグアイ戦)からのパリ五輪に挑む。ポジション=MF。身長175cm、体重76kg。

いま一番読まれている記事を読む