快投を見せ続ける髙橋宏への期待は高まるばかりだ(C)産経新聞社 前半戦残り3試合の段階で中日は今季ワーストの借金7。一時はCS圏内に肉薄するも、ここにきて3位までのゲーム差は5.5に広がっている。19日からの巨人戦(バンテリンドーム…

快投を見せ続ける髙橋宏への期待は高まるばかりだ(C)産経新聞社

 前半戦残り3試合の段階で中日は今季ワーストの借金7。一時はCS圏内に肉薄するも、ここにきて3位までのゲーム差は5.5に広がっている。19日からの巨人戦(バンテリンドームナゴヤ)は文字通りの正念場。初戦の先発は背番号19・髙橋宏斗が予定されている。

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■驚愕の「防御率0.58、被本塁打ゼロ」

 ここまでの髙橋宏は記録的なピッチングを続けている。11試合に先発して防御率0.58、被本塁打ゼロ(7月18日現在)と、いずれも驚愕の数字を記録。常時150キロ台中盤を計測するストレートに加え、140キロ台中盤の高速スプリットで凡打の山を築く。

 今季の1軍初登板は4月28日(vs広島、バンテリンD)と開幕から1か月遅れたものの、5月5日のヤクルト戦(神宮)では9回途中まで自責ゼロの快投で今季初勝利を挙げた。

 相手のエース級に怯まず立ち向かうのも特徴的。西武との交流戦開幕戦(5月28日、バンテリンD)では今井達也に投げ勝ち、広島とのレギュラーシーズン再開初戦(6月21日、バンテリンD)では床田寛樹との投手戦を制した。

 圧巻は7月5日の広島戦(バンテリンD)。再び床田と投げ合うと、9回をわずか99球で完封。今季初完封をいわゆる「マダックス」で飾った。

 直近の登板、7月12日の阪神戦(バンテリンD)でも8回3安打無失点11奪三振と相手打線を寄せ付けず、6勝目をマーク。村上頌樹に投げ勝ち、チームの連敗を3で止めた。19日の試合も同じく3連敗で臨む一戦。髙橋宏には再び「連敗ストッパー」の役割が求められる。

■師匠・山本由伸の「1.21」を超えられるか

 こうも抜群の内容が続くと、どこまでやってくれるのか期待が膨らむ。その中で筆者が髙橋宏に期待したいのは「シーズン防御率1.20以下」だ。

 この数字を挙げたのには理由がある。かねて「師匠」と公言する山本由伸(ドジャース)がNPB最終年(2023年)に残した防御率が1.21。それを超えてもらいたいし、現実味のある話だと思っている。

 先に記した通り、現在の髙橋宏の成績は防御率0.58(78イニング・自責点5)。仮に残り試合で70イニングを投じた場合、この間の自責点が14以下なら防御率は1.20より低くなる(148イニング・自責点19、防御率1.16)。

 また、現状のペースで投げ続けられれば、21世紀初の防御率0点台も視界に入る。上記と同じように残り試合で70イニングを投じた場合、この間の自責点が11以下なら0点台となる計算だ(148イニング・自責点16、防御率0.97)。

 もちろん机上の計算で野球が成立するわけではない。それを承知した上で、今の髙橋宏には期待をかけたくなる。まずは過去1勝しかできていない巨人に圧倒的な投球を――。

[文:尾張はじめ]

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