「パリ2024オリンピック」の卓球競技は7月27日から8月10日まで行われる。本大会開幕までおよそ1週間に迫るなか、各選手の活躍には注目が集まる。今回のパリ五輪に初出場をはたすのが早田ひな(日本生命)。選考レースでは独走で首位通過し、国内外…
「パリ2024オリンピック」の卓球競技は7月27日から8月10日まで行われる。本大会開幕までおよそ1週間に迫るなか、各選手の活躍には注目が集まる。
今回のパリ五輪に初出場をはたすのが早田ひな(日本生命)。選考レースでは独走で首位通過し、国内外の大会で強さを発揮してきた24歳がエースとして初の舞台に挑む。
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■飛躍を遂げた2023年
早田は前回の東京五輪はリザーブメンバーとしてスタンドから戦況を見守ったが、得意のフォアドライブに加えてバックのレシーブやサービスなど一つひとつの技術を高めて総合的に能力を伸ばした。その取り組みが実り、パリに向けた選考レースでは平野美宇(木下グループ)や伊藤美誠(スターツ)といった同級生の五輪経験者を上回り、首位を独走した。
早田がエースと呼ばれるまでに飛躍したのが2023年。5月の「世界卓球個人戦」では準々決勝で王芸迪相手に9度のマッチポイントを奪われながらも最終ゲームを21-19でものにし、58年ぶりとなる中国選手を下しての銅メダルを獲得した。
さらに、9月から10月にかけて行われた「アジア競技大会」でも準決勝で再び王芸迪相手に勝利して決勝進出。日本勢29年ぶりのファイナリストとなった早田はダブルスでは伊藤らとのペアで実績を上げていたが、シングルスでも自己最高位となる世界ランキング4位に立つなど、日本で頭一つ抜ける存在として評価を高めた。
■第2シードの2種目は金も期待
パリ五輪で早田は第2シードに入った女子団体、張本智和(智和企画)との混合ダブルス、第3シードに入った女子シングルスと3種目にエントリーし、いずれもメダル獲得が視界に入り、エースとしての働きが期待されている。
そんな早田が目指してきたのが中国トップ選手を撃破しての世界一。
昨年2度勝利した王芸迪、今年の「世界卓球団体戦」の決勝で五輪シングルス、団体メンバーの陳夢に勝利したものの、世界女王の孫穎莎には15戦全敗を喫している。
また、団体メンバーに名を連ねた王曼昱も昨年の「WTTチャンピオンズフランクフルト」や今年の「ITTF男女ワールドカップ」で敗れており、早田が中国トップ選手にどのような戦いができるかでどの種目のメダルの色も変わってくるとみていい。
前回の東京五輪では同級生の伊藤が水谷隼との混合ダブルスで金メダルに輝き、団体では銀、そして個人でも銅メダルを獲得した。バトンを受け継いだ形の早田には初出場ながら大車輪の働きが求められる。日本のエースに成長した24歳がパリでどのような輝きを放つのか。
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