「パリ2024オリンピック」の卓球競技が7月27日から8月10日まで行われる。本大会開幕までおよそ1週間に迫るなか、各選手の活躍には注目が集まる。今回のパリ五輪で2度目の出場をはたすのが平野美宇(木下グループ)。平野は銀メダルに輝いた前回に…

「パリ2024オリンピック」の卓球競技が7月27日から8月10日まで行われる。本大会開幕までおよそ1週間に迫るなか、各選手の活躍には注目が集まる。

今回のパリ五輪で2度目の出場をはたすのが平野美宇(木下グループ)。平野は銀メダルに輝いた前回に続き団体戦に名を連ねるほか、自身初となるシングルスでも出場する。

◆【卓球】パリ五輪2024 日程、出場選手、最新ニュース、放送・ライブ配信予定一覧

■東京での悔しさを糧にパリ行き切符つかむ

平野は2016年のリオ五輪でリザーブメンバーとなり、攻撃的なスタイルへシフトチェンジ。17年には「ハリケーン・ヒラノ」と呼ばれた高速卓球で一世を風靡し、中国のトップ選手や国内の有力選手を次々に倒しタイトルを獲得。東京に向けては主力を担うことが期待された。

しかし、石川佳純と争った選考レースでは最後まで争った末に敗れてシングルス出場を逃す。この時の石川との争いについて平野はのちに「東京の時は2017年にかなり結果が出て、自分でも結果が出てるのに五輪に行けなかったらもったいない気持ちがあった」とプレッシャーと戦っていたことを明かしている。

そんな平野は日本独自の選考制度が設けられたパリ五輪に向けて、今度は同級生の伊藤美誠(スターツ)と壮絶な2位争いを繰り広げた。選考会や国際大会、またTリーグに参戦するというハードスケジュールをこなしながら、最後は今年1月の全日本選手権で伊藤を上回り、シングルス出場権をつかみ取った。技術だけでなく精神的にも逞しさを増した姿がそこにはあった。

■世界卓球では王芸迪にストレート

平野はパリ五輪でシングルスでは第8シード、早田ひな(日本生命)、張本美和(木下グループ)で挑む団体戦では第2シードに入りメダルを狙う。パリに向けてWTT主催の国際大会で試合を重ねてきたが、「東京五輪の時と違って、試合がたくさんある状況なので、試合のなかで修正している」と五輪が近づく中で語っていた。

シングルスと団体戦に出場する平野に期待されるのが中国選手相手の戦い。

平野は昨年7月の「WTTコンテンダーザグレブ」では決勝で世界ランキング1位の孫穎莎に緩急を織り交ぜたラリーで対抗し、フルゲームの末に勝利につなげた。また今年の「世界卓球団体戦」でも決勝で世界3位の王芸迪にもバックのラリー中心に強さを発揮しストレート勝ち。

勢いに乗ると相手を飲み込むような脅威を持つ平野がパリでも見られれば、金メダルを狙う団体だけでなく、初出場のシングルスでもメダルが視界に入ってくる。

五輪までおよそ1週間となったなか、女子メンバーでは唯一2度目の五輪出場となる平野がパリでどのような戦いぶりを見せ日本をメダル獲得に導くのか。

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