クライミングW杯のスピード第3戦が13日(日本時間14日)、フランス・シャモニーで行われ、大政涼が公式大会では日本人初の4秒台となる“4秒97”をマークした。優勝は、男子はサミュエル・ワトソン(米国)、女子はジャン・シャオチン(中国)で、…


 クライミングW杯のスピード第3戦が13日(日本時間14日)、フランス・シャモニーで行われ、大政涼が公式大会では日本人初の4秒台となる“4秒97”をマークした。優勝は、男子はサミュエル・ワトソン(米国)、女子はジャン・シャオチン(中国)で、日本勢最高は大政の男子4位だった。

予選の様子

 悪天候の影響で1日順延となった予選は、決勝と同じ13日に行われた。男女4人ずつが出場した日本勢は大政が5秒21で男子9位、藤野柊斗が5秒29で同14位、林かりんが7秒60で女子13位、小屋松恋が7秒72で同14位に入り、上位16人による決勝トーナメントに進出した。W杯初出場の小屋松はもちろんのこと、藤野もW杯では初めて予選を突破した。

予選を9位通過した大政

 決勝トーナメントは初戦で藤野、林、小屋松が敗れてしまったものの、大政が予選1位でパリ五輪代表のマッテオ・ズルロニ(イタリア)に勝利するなど2連勝。ベスト4入りを果たした。ビッグファイナル行きを懸けた一戦では中国の強豪ワン・シンシャンと対峙。互角のレースを繰り広げ、結果は4秒97と4秒96。大政は自身の日本記録を0秒10更新かつ日本人初の快挙を遂げるも0秒01の差で敗れ、3位決定戦に回った。

好レースを繰り広げたワンとお互いを称え合った

 銅メダルを目指して挑んだレースではゴールタッチに失敗。大政は自身3個目の銅メダルを逃した。それでも、今年2月のトレーニングで計測していた4秒台を公式大会の場で記録したことは大きな収穫となったに違いない。史上初の4秒台は昨年4月、インドネシア勢によって記録されたばかりで、まだ多くの選手が安定して4秒台をマークする域には達していない。現在の世界記録保持者はパリ五輪にも出場する今大会優勝のワトソンでそのタイムは4秒79。大政は着実に世界記録へと迫っている。

<大政涼コメント>
「1つの目標であった4秒台、やっと公式大会で出すことができました。昨年のワールドカップでレオナルド選手が世界初の4秒台を出した瞬間はとても印象に残っており、いつか僕もあんな登りをしたい思っていたので、ものすごく嬉しいです。まだまだ伸び代を感じ、沢山の気づきもあったので、さらに上を目指して頑張ります。応援ありがとうございました!」(JMSCA提供 ※原文ママ)

<リザルト>



[男子]
1位:サミュエル・ワトソン(USA)/6秒24
2位:ワン・シンシャン(CHN)/7秒76
3位:エリク・ノヤ・カルドーナ(ESP)/5秒05
4位︰大政 涼(JPN)/FALL
――――――
15位︰藤野 柊斗(JPN)/5秒27 ※決勝T進出
20位︰谷井 和季(JPN)/5秒40
35位︰上柿 銀大(JPN)/5秒78



[女子]
1位:ジャン・シャオチン(CHN)/6秒60
2位:ナタリア・カルッカ(POL)/FALL
3位:チョン・ジミン(KOR)/6秒64
4位:ワン・シェンジャン(CHN)/7秒33
――――――
13位:林 かりん(JPN)/7秒53 ※決勝T進出
14位:小屋松 恋(JPN)/8秒81 ※決勝T進出
18位:河上 史佳(JPN)/8秒12
24位:金谷 春佳(JPN)/8秒44

※左から順位、氏名、所属国、記録
※記録は、1・2位はビッグファイナル(優勝決定戦)、3・4位はスモールファイナル(3位決定戦)でのタイム
※決勝トーナメントに進出した日本人選手の記録は最終レースでのタイム

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