「料理のときや仕事でうつむきながら作業していると、すぐに肩が凝ってくる」「運動不足で、からだが痛くなりやすい」このようなお悩みをお持ちではありませんか?「肩こり」とは、肩から背中にかけて張りや痛み、重だるさを感じる不快な症状をいいます。慢性…

「料理のときや仕事でうつむきながら作業していると、すぐに肩が凝ってくる」
「運動不足で、からだが痛くなりやすい」

このようなお悩みをお持ちではありませんか?

肩こり」とは、肩から背中にかけて張りや痛み、重だるさを感じる不快な症状をいいます。慢性化すると、頭痛や吐き気を伴うことも多々あるため、日々を快適に過ごすために早めに対策しておくことが大切です。

近年は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、外出を控えている人が増えました。家にこもる生活がつづき、運動不足やストレスを感じる人も少なくありません。こうした生活習慣の変化が、肩こりにつながっている可能性も。

そこで今回は、「肩こりの原因」と「要因に合わせてアプローチする漢方薬」についてご紹介します。

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1. 肩こりの原因は?

肩こりは、血液の循環が悪くなることで起こりますが、その本質的な要因は多くあります。

何らかの原因で血液の流れが滞ると、筋肉に十分な酸素・栄養が行き渡らず、老廃物が蓄積します。そうすると、血管が圧迫されて痛みや筋肉の緊張といった肩こりの症状が生じるといわれています。

以下では、肩こりの本質的な要因を詳しく紹介します。

1‐1. 肩こりがひどくなりやすい要因
肩こりは、自然と癖づいた生活習慣が要因となっていることが多いといえます。

以下では、肩こりになりやすい生活習慣を示します。自分に当てはまる項目がないかチェックして、予防・対策をしていきましょう。

〈肩こりになりやすい生活習慣〉
・猫背、肩が丸まりやすい
・デスクワークで長時間同じ姿勢になることが多い
・パソコンや携帯をよく見る
・足を組むことが多い
・運動不足
・冷たいものを欲する
・甘いものや脂っこいものをよく食べる
・ストレスを感じやすい
・人に気を使いすぎてしまう

悪い姿勢が癖になっている人、内臓機能が低下した人、自律神経のバランスが乱れやすい人は、肩こりになりやすく、悪化しやすいと考えられます。(※1)(※2)

1‐2. 加齢も肩こりの要因
年齢を重ねると、筋肉の衰えや背骨の丸まりにより、肩こりが生じやすくなります。(※3)

からだを支える背骨の間には「椎間板」と呼ばれるクッションのような軟骨があります。椎間板は、加齢によりだんだんつぶれて硬くなり、周囲の筋肉に負担をかけるようになるのです。さらに、椎間板が変形すると神経が刺激され痛みが生じます。これによって、肩こりや痛みといった違和感が出てきます。

2.肩こりの改善には漢方がおすすめ

肩こりの対策・予防には「食事で腸内環境を整える」「運動習慣をつける」「ストレスをうまく発散する」など、さまざまなセルフケアがありますが、「漢方薬」も肩こりのような不調におすすめです。

まずは、肩こりの原因のひとつである血行不良が、どの生活習慣が要因で生じているかを理解しましょう。そして、その要因と体質に合った漢方薬を選ぶことをおすすめします。

2‐1. なぜ漢方が肩こりに効くの?
肩こりには、血液の循環を促して筋肉の老廃物を排出し、血管の圧迫を改善する作用、筋肉の痛みを緩和する鎮痛作用、水分の循環をよくして筋肉内のむくみを取り除く作用のある生薬を含む漢方薬のなかから選ばれます。

漢方で血流が改善すると、全身に酸素や栄養を運ぶ機能が向上します。そのため、免疫力がアップし、疲れにくいからだも手に入れられるでしょう。さらに、水分の循環がよくなると、からだの外に老廃物や毒素が排出されるため、冷えや水太りなどの改善にもつながります。

このように、本質的な要因にアプローチしながら、肩の筋肉を和らげて肩こりの緩和が期待できるのが漢方薬なのです。

2‐2. 即効性はある?
漢方薬には、肩こりに対して即効性のあるものと、肩こりを起こしにくくするため日頃から取り入れるものの2種類があります。

肩こりに即効性のある漢方薬には、筋肉の緊張を和らげて血行を改善し、痛みをとる効果が期待できるものがあります。

しかし、肩こりに対して漢方薬を用いる場合、本質的な要因にアプローチするために即効性だけを重視することはおすすめできません。何が要因で肩こりが生じているかを理解して、体質に合った漢方薬を選んでいきましょう。

2‐3. 肩こりに使われる代表的な漢方薬は?
血行を改善することで筋肉の疲労を癒したり、緊張をほぐしたりするはたらきのある漢方薬や、冷えたからだを温めて凝りをほぐし、筋肉を潤して緊張を落ち着かせるはたらきのある漢方薬などがあります。

また、月経前後や更年期など、女性ホルモンのバランス変動に伴って生じる肩こりには、自律神経のバランスを整え、血流をよくする効果が期待できる漢方薬がおすすめです。

漢方薬は副作用が生じにくいとされていますが、自分に合っていないものを服用したり、用量を多く服用したりすると、効果が出ないばかりでなく副作用が生じることもあります。

そのため、自分に合った漢方薬を選ぶことが大切です。以下では、肩こりの予防や対策におすすめの漢方薬をご紹介します。

<肩こりでお悩みの方におすすめの漢方薬>

・芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう):急な筋肉の痙攣により痛みを生じる方。
筋肉の緊張をゆるめるほか、不足した気や血を補います。芍薬と甘草の組み合わせで効果がシャープにあらわれるため、漢方薬のなかでも比較的早い効果が期待できるお薬です。

・葛根湯(かっこんとう):筋肉疲労により、頭や肩などに痛みが起きた方。
水の流れを整えることで、肩の痙攣や凝りを緩和します。また、からだを温めるはたらきによって、気の流れを改善し、肩の痛みを緩和します。

・加味逍遙散(かみしょうようさん):疲れやすく、冷えのぼせが気になる方。
自律神経を整え、血液の生成や巡りを改善します。神経の高ぶりや抑うつだけでなく、肩こり・のぼせ・冷えなどにも効果が期待できます。
(※4)

3. 漢方は体質に合ったものを選ぶのが重要

先程ご紹介したように、肩こりには漢方薬が有効ですが、基本的な生活習慣や食習慣の見直しも大切です。

漢方薬で一時的に肩こりが緩和したとしても、食生活の乱れや運動不足が続いているとすぐに不調はぶり返します。

肩こりが起こりやすい人は、日常生活にストレッチを取り入れたり、からだを温め血液の巡りをよくする食材を食べたりして、日ごろからしっかり対策することが大切です。

そのうえで、自分に合った漢方薬を習慣化することでさらなる不調の改善が期待できます。手軽に不調を改善したい方におすすめなのが、「あんしん漢方」のようなAIを活用した新しい漢方相談サービスです。


4. セルフケアで肩こりに悩まないからだづくり

重だるく地味につらい「肩こり」。筋肉の緊張や血行不良が起こっている状態で、生活習慣や加齢が関係しています。

今回は、肩こりの予防・対策として漢方薬をご紹介しましたが、運動や内臓機能を高める食事など、ほかのセルフケアと組み合わせることでより一層効果を発揮します。

日常生活にこまめなストレッチを取り入れ、食事や運動習慣を見直すことをおすすめします。肩こりしにくい、しなやかなからだづくりを心がけましょう!

参考文献
(※1)健康長寿ネット「肩こりに効く体操とは」
(※2)女性の健康推進室 ヘルスケアラボ「肩こり・首こり」
(※3)健康長寿ネット「頚椎症」
(※4)森雄材著『図説 漢方処方の構成と適応 第2版』(神戸中医学研究会)

[文:あんしん漢方]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 杉岡 弥幸

薬剤師。北里大学で生薬学を学び、卒業後は大手漢方専門店にて漢方薬剤師として勤務。現在は自身のダイエット経験や健康に関する知識を活かして、漢方や養生による体質改善方法をWeb等で発信。
漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。