渋すぎる母の父に初のJRA重賞タイトルを届けるか。堅実な走りを続けるマイネルクリソーラ(牡5、美浦・手塚貴久厩舎)が、函館記念(3歳上・GIII・芝2000m)に挑む。  マイネルクリソーラは父スクリーンヒーロー、母マイネトゥインクル、…

 渋すぎる母の父に初のJRA重賞タイトルを届けるか。堅実な走りを続けるマイネルクリソーラ(牡5、美浦・手塚貴久厩舎)が、函館記念(3歳上・GIII・芝2000m)に挑む。

 マイネルクリソーラは父スクリーンヒーロー、母マイネトゥインクル、母の父ムタファーウエクの血統。母はJRAで4勝。祖母のマイネブリリアンは同3勝。きょうだいはJRAでデビューした9頭のうち、マイネルクリソーラを含めて3頭が勝ち上がっている。

 そして何より注目したいのは、母の父のムタファーウエクだ。99年の英セントレジャー、01年のコロネーションCなど、G1を4勝した名馬で、現役引退後はビッグレッドファームで種牡馬入り。しかし、スピード優先の日本の競馬に適応できず、成功には至らなかった。マイネルファルケが岩手の桂樹杯、プラチナクラウンが兵庫の園田ジュニアCを制したものの、JRAでは09年のマイルCSのマイネルファルケの2着が最高着順となっている。

 マイネルクリソーラはムタファーウエクの血を引く数少ない現役馬だ。今年になって以降は重賞ばかりを3戦して、中山金杯が0秒2差の3着、中山記念が0秒7差の5着、新潟大賞典が0秒8差の7着と大崩れしていない。昨夏に2勝した洋芝に替わるのは大きなプラス。ここで自身はもちろん、母の父にとっても初となるJRAのタイトルを手にすることができるか。ムタファーウエクの現役時代を思い起こさせるような、パワフルな走りを期待したい。