ベテランプレーヤーの矜持~彼らが「現役」にこだわるワケ第5回:水野晃樹(いわてグルージャ盛岡)/前編現在はJ3のいわてグルージャ盛岡に所属している水野晃樹"オシムチルドレン"として脚光を集め、21歳で日本代表に選出されたジェフユナイテッド千…

ベテランプレーヤーの矜持
~彼らが「現役」にこだわるワケ
第5回:水野晃樹(いわてグルージャ盛岡)/前編



現在はJ3のいわてグルージャ盛岡に所属している水野晃樹

"オシムチルドレン"として脚光を集め、21歳で日本代表に選出されたジェフユナイテッド千葉(※入団時はジェフユナイテッド市原)での10代〜20代前半は、端正な顔立ちも相まって、クールな印象が強かった水野晃樹。だが、キャリアを重ね、いわてグルージャ盛岡での2シーズン目を過ごしている38歳の彼は、どことなく柔らかな雰囲気を漂わせるようになった。チームメイトにも積極的に声を掛け、逆に若手選手からも気軽に冗談が飛んでくる。

 実は取材にあたって写真撮影をお願いした際も、彼が最初に着用していたのは、戦いの爪痕が色濃く残る傷だらけの練習着だったが、周りから「晃樹くん、ダメ、それ! グルージャのイメージダウンになる!」というツッコミを受け、慌ててマネージャーが新しい練習着を用意してくれるという一幕も。

「いいんだけどな。これが今の僕だから」

 ポツリと言った言葉に、重ねてきたキャリアの深みを感じながら、取材が始まった。

         

水野晃樹(みずの・こうき)
1985年9月6日生まれ。静岡県出身。清水商高卒業後、ジェフユナイテッド市原(現ジェフユナイテッド千葉)に入団。すぐに頭角を現して、チャンスメーカーとして活躍。2005年にはU-20日本代表に選出されてワールドユース選手権に出場。2007年には日本代表にも召集された。そして2008年1月、スコットランドの名門セルティックに移籍。2010年に帰国して柏レイソル入り。以降、ヴァンフォーレ甲府、ジェフ千葉、ベガルタ仙台、サガン鳥栖、ロアッソ熊本、SC相模原、はやぶさイレブンでプレー。2023年にいわてグルージャ盛岡に加入した。