今週の日曜日は、小倉競馬場でプロキオンステークス(GIII・ダート1700m)が行われます。  過去10年のプロキオンSは、1400mで行われたのが8回。1700mで行われたのが2回となっています。今年のプロキオンSは小倉のダート170…

 今週の日曜日は、小倉競馬場でプロキオンステークス(GIII・ダート1700m)が行われます。

 過去10年のプロキオンSは、1400mで行われたのが8回。1700mで行われたのが2回となっています。今年のプロキオンSは小倉のダート1700mで行われます。過去10年のプロキオンSのデータでは距離の違うレースも含まれてしまいますので、ここでは14年以降の7月、8月に小倉ダート1700mで行われたオープン特別以上のレース(12レース分)を対象とし紐解いていきたいと思います。

 データ対象期間内では3歳や4歳などの若い年齢の馬よりも、5歳以上の馬の活躍が目立っています。データ対象期間内での小倉ダート1700mにおいて、5歳馬が7勝2着6回3着6回となっており、単勝回収率や複勝回収率も100%を超えています。次いで、6歳馬が3勝2着2回3着1回となっており、単勝回収率は100%超えの数値を残しています。7歳以上の高齢馬からは勝ち馬こそ出ていませんが、2着2回3着3回で複勝回収率は260%と高くなっています。人気薄を狙うならば高期待値が見込める5歳以上の馬に注目するのもいいかもしれません。

 ここでは、上位人気が予想される馬の死角となりそうなデータをひとつ紹介します。

【条件】
キャリア11戦以下(ただし、JRAのダート重賞で3着以内の実績がある馬は除く)
[0-0-0-10]複勝率0%
該当馬:デシエルト、ブルーサン、ヤマニンウルス
(過去の該当馬:22年エマージングロール1番人気7着、22年サンライズウルス2番人気11着、20年マグナレガーロ1番人気6着)
※特に言及のない限り、データは14年以降の7月、8月の小倉ダート1700mで行われたオープン特別以上の12レースを対象にしています。

 上位人気が予想されるヤマニンウルスが該当しました。

 先述したようにこの時期に行われるオープン特別以上の小倉だート1700mでは、5歳以上の馬の活躍が目立っています。その理由として豊富なキャリアが活きるのではないかと思われます。

 小倉ダート1700mは小回りで直線も短いコースとなっています。よって、スタートからのポジション争いが激化したり、後方にいる馬が向正面で動きタフな流れになるなど、様々な展開や流れになりやすい印象のあるコースです。また、小回りでごちゃつく展開になる事も考えられます。

 豊富なキャリアのある馬はそれだけレース経験を重ねている証拠ですので、どんな展開になっても動じる事なく対応できるのでしょう。しかし、キャリアの浅い馬は経験のない展開や流れになると即座に対応する事が難しく、自身の力を出し切れないままレースが終わってしまう事がこのような傾向を生んでいる要因と言えるのではないでしょうか。

 該当馬に挙げたヤマニンウルスのキャリアは僅か4戦。しかも、今回のプロキオンSが重賞初挑戦となりますので、これまでに経験のない重賞のペースに戸惑うシーンがあっても驚きはありません。今回の舞台となる小倉ダート1700mでは新馬戦を圧勝していますが、これは他の馬と能力が違い過ぎた事が大きいと思われます。今回は重賞メンバーが相手で新馬戦のようなスムーズな競馬にならない可能性も考えられます。その時にキャリアの浅さが仇となり、自身の能力を発揮できないままレースを終える可能性もあり得ます。

 もちろん、ここでも能力の違いで他馬を圧倒するケースも考えられますが、不安要素を抱えている事もまた事実です。これまでの走りから断然人気になりそうですが、リスクとリターンが見合わない事を思えば、ここは本馬を軽視し他の馬から入る事も一考したいところです。

 重賞レースの参考に、是非お役立てください。