制球力が持ち味の加藤も今季は苦しんでいる(C)産経新聞社 日本ハム左腕の加藤貴之が7月1日、登録抹消となった。 加藤は6月30日のソフトバンク戦(エスコン)に先発し6回途中を投げ、8安打2失点と試合を作ったが、6敗目を喫していた。【…

制球力が持ち味の加藤も今季は苦しんでいる(C)産経新聞社

 日本ハム左腕の加藤貴之が7月1日、登録抹消となった。

 加藤は6月30日のソフトバンク戦(エスコン)に先発し6回途中を投げ、8安打2失点と試合を作ったが、6敗目を喫していた。

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 5回4失点だった前回登板から修正し、3回までに6Kを奪う気迫の投球。試合の中では4回無死二塁で近藤健介に与えた四球で、連続イニング無四死球記録が54回2/3で止まったことも話題を集めた。これが5月4日のオリックス戦(京セラ)以来、8試合ぶりの四球となり、連続イニング無四球記録としては史上単独4位となった。

 データが示すように精密機械とも呼ばれる制球の良さが持ち味の加藤も今季は苦しんでいる。 

 14試合に先発し、3勝6敗と負けが先行。QS(6回以上を投げ自責3以内)8試合と安定したパフォーマンスを示すも、打たれだしたら止まらないという課題も浮上していた。

 今回の抹消は勝負の後半戦を見据えて、もう1度整備する意味も含まれそうだが、日本ハムのストロングポイントともいえる投手力にやや陰りが見えているのは気になる兆候でもある。

 6月は6勝14敗3分けと急失速、6月4日に最多タイの「9」あった貯金が1か月足らずで0となった。特に週末に本拠地で行われたソフトバンクとの3連戦は力の差を見せつけられた。

 28日のゲームは今季ソフトバンク相手に安定したピッチングを示していた左腕・山崎福也が先発したが、自らの失策含め守乱にも足を引っ張られ、5回5失点で3敗目を喫した。 

 開幕投手を務めた伊藤大海も翌29日の試合では6回8安打7失点と崩れた。強力ソフトバンク打線相手とはいえ、失点7(自責4)は4年目で自己ワーストともなった。

 このカードは先発3本柱の山崎、伊藤、加藤を立て、追い上げムードを作りたいところだったが、逆に今のチームの苦しさが浮き彫りになる結果に。開幕ローテーションはこの3人に加え、上原健太、北山亘基でスタートしたが、上原はすでにローテから外れ、北山も故障で調整中。加藤の抹消で再びローテ再編となりそうだ。

 オフには積極的に補強し、開幕してからは若手が躍動した姿を見せ、快進撃を続けてきたチームも投打で疲れが見え始めた。

 目指す上位確保のためにはここは乗り越えないといけない壁でもある。チーム浮上のためには交流戦歴代最高打率を記録、MVPを獲得し、存在感を示した水谷瞬など野手陣の後押しも必要となる。新庄剛志監督も貯金0となったことで月も代わり、改めてリ・スタートを宣言している。これまでの経験値をどう生かすか、2日のロッテ戦からの各選手の奮起、巻き返しを期待したいところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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