石川雅規がプロ野球史上初の新人から23年連続勝利を達成した(C)産経新聞社  ヤクルトの石川雅規が6月2日の楽天戦(楽天モバイルパーク)に先発登板し、5回4安打無失点で今季初勝利を挙げ、プロ野球史上初となる新人から23…

 

石川雅規がプロ野球史上初の新人から23年連続勝利を達成した(C)産経新聞社

 

 ヤクルトの石川雅規が6月2日の楽天戦(楽天モバイルパーク)に先発登板し、5回4安打無失点で今季初勝利を挙げ、プロ野球史上初となる新人から23年連続勝利を達成した。チームは4-0で勝利し連敗を「5」でストップ。交流戦初勝利となった。

【動画】44歳の石川を援護!村上宗隆が杜の都で13号2ランを放つ

 

 初回に村上宗隆の13号2ランが飛び出すなど3点の援護をもらい、石川の持ち味である緩急をつけた投球が冴えわたった。2回は先頭の鈴木大地に安打を許したが、渡邊佳明を左飛、強打者の浅村栄斗をカウント2‐2からシュートで見逃し三振に切って取った。

 2アウトとなり、フランコに二塁打を浴びて二死二・三塁とピンチが広がったが、続く太田光のライナーをグラブで弾きながらも落ち着いて処理して、投ゴロに仕留めた。

 試合途中から雨が激しくなり、5回は3つのアウトをすべてゴロで抑えたあとで試合は中断。そのままコールドゲームとなり、9年ぶりの完封で白星を手にした。

 降雨コールドでの勝利で思い出されるのが、2021年6月4日に行われた西武との交流戦だ。この年のシーズン初めて神宮球場のマウンドに上がった石川は、5回3安打1失点の好投で新人から20年連続で勝利を挙げた。

 コンディションが悪い中でも自身の投球を貫く姿勢は、今も変わっていない。この日の勝ち星で通算186勝となり、期待される節目の200勝まであと「14」。交流戦の通算勝利数では歴代最多となる29勝となった。
 
 そして、44歳の球界最年長が築いてきたもうひとつの偉大な記録がある。それは投手でプロ1年目から22年連続安打を記録していることだ。昨季、53~73年の小山正明(大洋)、56~76年の米田哲也(阪神)の21年を抜くプロ野球最長記録をマークしている。

 昨季は12打数3安打で打率.250という成績だったが、今季はここまで4打数無安打。通算では134安打を記録している。この日は楽天の主催試合で打席に立つことはなかったが、次戦以降に自身の記録を更新するプロ1年目からの23年連続安打が生まれるか注目だ。

 石川は「1打席も無駄にすることなくやりたいなと思いますし、何とか粘って1球でも多く相手ピッチャーに投げさせたい」と、打席での思いを口にしていたことがある。

 マウンドで投げるときだけでなく、打者として打席に立つときも野球に対する真摯な取り組みは変わらない。そんな姿勢こそが、「小さな大投手」として輝きを放ってきた理由なのだと思う。

 

[文:別府勉]

 

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