ロッテをシャットアウトした才木。援護点は少なかったが、この日は1点さえあれば、十分だった。(C)産経新聞社 苦心するチームを救う快投だ。6月2日に敵地ZOZOマリンで行われたロッテ戦に先発した阪神の才木浩人は、9回(116球)を投げ…

ロッテをシャットアウトした才木。援護点は少なかったが、この日は1点さえあれば、十分だった。(C)産経新聞社

 苦心するチームを救う快投だ。6月2日に敵地ZOZOマリンで行われたロッテ戦に先発した阪神の才木浩人は、9回(116球)を投げ、被安打6、6奪三振、無四死球で完封。チーム最多となる6勝目をマークした。

【動画】阪神・才木、渾身の116球! 圧巻完封で虎のエースは咆哮

 若きエースが文字通りに虎の子の一点を守り抜いた。前日までに泥沼の5連敗を喫していたチームにあって、停滞感を打破すべく先発マウンドに立った才木。1回表に先頭の森下翔太の先頭打者アーチで早々に援護を得ると、水を得た最中のように小気味いい投球を展開。11連勝と勢いに乗るロッテ打線を翻弄する。

 中盤に入ってからチーム打率リーグ最下位と低迷する味方打線が停滞。追撃を受けられない厳しいマウンドとなったが、25歳の右腕は動じなかった。9回に無死一、二塁と一打サヨナラのピンチを迎えたが、緩急を自在に使った投球で的を絞らせずにシャットアウト。一人で試合を終わらせた。

 球団史に残る熱投ともなった。というのも、才木は5月12日のDeNA戦でも「1-0での完封勝利」をマークしていたのだが、シーズンに2度の「1-0完封」を達成したのは、球団では14年のランディ・メッセンジャー以来、10年ぶり。日本人に限ると74年の古沢憲司以来。さらに敵地で2度の達成は69年の江夏豊以来、55年ぶりの快挙となった。

 また、才木は「連敗ストッパー」の印象も強めている。3月31日の巨人戦では2連敗を、4月14日の中日戦では3連敗、5月5日の巨人戦では2連敗と、それぞれチームが苦しい時に勝利をもたらしてきた。この日も「連敗で回ってきたんで、絶対に俺が止めたると思って投げた」(ヒーローインタビュー談)と、見事に食い止めた。

 この試合を終え、今季成績を6勝(1敗)、防御率1.34、奪三振53、QS8、3完投とした才木。多くの虎党がSNSで「エースや」「虎の宝」と崇める成長著しい25歳の若武者は、苦境のチームにあって数少ない光明となっている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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