スーパーバンタム級でも異彩を放つ井上。その敵なしの強さにさらなる階級上げがしきりに論じられている。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext 井上尚弥(大橋)はフェザー級でも通用するのか。 昨年1月に転級した…

スーパーバンタム級でも異彩を放つ井上。その敵なしの強さにさらなる階級上げがしきりに論じられている。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 井上尚弥(大橋)はフェザー級でも通用するのか。

 昨年1月に転級したスーパーバンタム級でも、わずか2戦で4団体統一を果たした“怪物”の持つ特大の可能性は小さくない話題となる。

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 フェザー級へのステップアップは正式に決まってはいない。さらに井上と同陣営は、すでにスーパーバンタム級で年内は戦い続ける意向を明らかにしている。当人も「そんなに簡単じゃない」と階級上げに慎重な姿勢を見せてきただけに、「ベスト」と確信を持てるタイミングで進むと考えられる。

 しかし、バンタム級から階級を上げた際にも「厳しいのではないか」「パワーは落ちる」と言われたスーパーバンタム級もあっという間に“統治”した実績は別格だ。依然として続く敵なしの状況もあり、井上のフェザー級に移った際のパフォーマンスに対する話題は尽きないのである。

 意外とも言える意見も飛んでいる。元世界3階級制覇王者のマルコ・アントニオ・バレラ氏は、母国メキシコのポッドキャスト番組『Un Round Mas』において「俺はイノウエが誰にでも勝てるとは思えない。126ポンド(フェザー級)にはベナドがいるからだ」と断言した。

 現役時代にはフェザー級で、マニー・パッキャオ(フィリピン)との対戦経験を持つバレラ氏の言う「ベナド」とは、現IBF世界同級王者のルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)だ。

 すでに「彼(井上)との対戦は実現したら楽しみだ」と公言する30歳の王者をモンスターの“好敵手”になり得るとしてリストアップしたバレラ氏は、「ベナドならイノウエと良い試合をする」とも指摘。そして、こう続けている。

「ベナドには多くの可能性がある。パンチは速くて、強いし、何よりも賢いんだ。その場にとどまらずに左右に動きまわって相手を翻弄するんだ。もしも、イノウエがフェザー級に上がってきたらベナドの方が有利だと思う。彼の方が重いし、大きいからね。もちろんイノウエが5階級制覇をやってのけたら偉業だが」

 ロペスのほかにも、WBA同級王者のレイモンド・フォード(米国)やWBO同級王者のラファエル・エスピノサ(メキシコ)といった体躯のある猛者が多いフェザー級。果たして、群雄割拠の舞台は無敗伝説を築く井上の「壁」となるのだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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