東京2020パラリンピックをきっかけに、より身近になりつつあるパラスポーツ。そんなパラスポーツをもっと盛り上げたい!と活動する大学生たちによるユニークなプロジェクトがあるのをご存じでしょうか。「パラスポデザインカレッジ」です。イベントの開催…

東京2020パラリンピックをきっかけに、より身近になりつつあるパラスポーツ。そんなパラスポーツをもっと盛り上げたい!と活動する大学生たちによるユニークなプロジェクトがあるのをご存じでしょうか。「パラスポデザインカレッジ」です。

イベントの開催やホームページやSNSでの情報発信など、若者ならではの感性を活かしてパラスポーツの魅力を伝えていこうと情熱を注ぐメンバーのみなさん。聞いてみると、もともとパラスポーツのことはほとんど知らなかったという人も? パラスポーツを大学生活の一部に選んだイマドキの大学生はどんな人たちなのか、アンケートで生の声を聞いてみました!

「やってみたい!」大学も学年も異なるメンバーが集結

SNSコンテンツの発信、イベントやパラスポーツ体験会の企画運営、大学生ならではの目線で紹介する選手名鑑など……若者ならではの感性とスキルを活かし、仲間と知恵を絞るメンバー。ミーティングはいつも笑顔があふれます。

「障がいがある人も、ない人も何かにチャレンジするすべての人が自分らしく輝ける社会」を実現するための一歩として、サントリーホールディングス株式会社とインターネットメディアのスポーツブルが連携し、2021年10月にスタートした「パラスポデザインカレッジ(以下PDC)」。パラスポーツの魅力を若い世代に伝える、というコンセプトの元に有志の大学生たちが応募し、それぞれ1年間活動。これまで1期生、2期生、そして現在の3期生と、大学も学年もさまざまな、のべ30名ほどのメンバーがさまざまなチャレンジを重ねてきました。この春は、調査PRとして大学生に対するパラスポーツ意識調査にも取り組みました!

大学生ってどれくらいパラスポーツ知っているんだろう? 大人も気になる大学生事情に切り込むチャレンジ。試行錯誤してさまざまなSNSコンテンツを制作しました。

今回パラサポWEB編集部は、PDCの現役3期生に加え、1期生・2期生のメンバーにもアンケートを実施。意外な答えから、将来を見据えた素直な想いなど、興味深い数々のコメントが寄せられました。さっそく見てみましょう!

パラスポデザインカレッジに入ったきっかけは?

たくさんの選択肢がある大学生活で、PDCでパラスポーツに関わってみようと思った理由は何だったのでしょうか。きっかけを聞いてみると、さまざまな想いが見えてきました。

 

一番多かったのは「新しいことにチャレンジしてみたかったから」! 実はパラスポデザインカレッジの面々には、「入るまでパラスポーツのことはあまり知らなかった」という人もチラホラ。コロナ禍で思うような課外活動ができない時期もあった大学生たちの旺盛なチャレンジ精神を、パラスポーツが大いに刺激したようです。

「パラスポーツのことは全く知らなかったのですが、何か新しいことにチャレンジしてみたかった。(PDCの活動は)社会的に意義のあることなのかなと思ったことも大きな理由です」

「スポーツが好きで数多くの機会で携わってきましたが、パラスポーツには関わったことがありませんでした。パラスポーツについて知れば『真のスポーツ王になれる!』と思ったんです。また、大学に入学したらとにかくチャレンジしまくることを目標にしていて、大学生だからこそできることだと感じて、飛び込みました!」

「パラスポーツのことは全く、1ミリも知らなかったのですが、スポーツブルのインターンをしているときにPDCのことを聞いたのがきっかけです。自分自身スポーツがすごく好きでしたし、将来の目標としてスポーツメディアに関わってみたいという思いもあったので、やってみようかな!と応募しました」

「大学生のうちに何かひとつ、コレをやった!というものを残したかった。パラスポーツをメジャーにしていく過程を手伝えたらいいなと思いました」

2番目に多かったのは、「パラスポーツに携わってみたかったから」という回答。パラスポーツに対して抱いていた想いを実現するために参加した方も多くいらっしゃいました。

「1年前に車いすバスケットボールの天皇杯を観に行ったことがきっかけです。初めて車いすバスケを観て、こんなに面白いんだ!と思いました。会場でPDC2期生の方がやっていた体験会に参加して面白いなと感じたのと、こんな活動をしている大学生がいるんだと知って、自分も参加してみたいと思いました」

「東京2020パラリンピックの車いすバスケットボールで男子日本代表が銀メダルを獲ったシーンを見て、パラスポーツってすごく盛り上がっているなと感じました。その時に大学の先輩に誘われてPDCに入りました」

その他に、自分の経験や想いから「多様性」や「障がい」という視点が軸にあった方も。

「小学生の高学年ごろから、多様性がテーマとなっているドラマを見ることが多く、誰もが自分らしく輝ける社会を築くことに関心がありました」

「聴覚障がいのある兄がバレーボールをプレーしていて、自分と違う視点でプレーする兄の気持ちを理解したいと思い、大学は医工学の分野に進みました。自分から発信することも大事だろうと感じていたとき、PDCの活動を知り、やりたいこととマッチしていると感じました」

パラスポーツのことはどれくらい知っていた?

既にパラスポーツを全く知らなかったというコメントも出ていましたが……PDCのメンバーたちは、もともとパラスポーツのことをどれくらい知っていたのでしょうか?

パラスポーツがどんなものなのかは、約半数の人が知っていたと回答。観戦したことがあったという人も目立ちます。では、パラスポーツとはどのようにして出会ったのでしょうか?

パラスポーツを知ったきっかけで多かったのは「学校の授業を通じて」。授業でパラスポーツに触れた(国語、道徳、総合的な学習の時間など)、授業で体験したことがあった、という声があれば、「高校のOBで東京2020パラリンピックの金メダリストの方が高校で講演会をしてくださったときが、パラスポーツについて深く知る機会になりました」と、講演でパラアスリートのお話を聞いたのが印象に残っているという声も。

そして、やはり「東京2020パラリンピック」には強く刺激された人もいたようで、「車いすバスケットボールや車いすラグビーを楽しみに観戦していました」「東京パラの会場でアルバイトをしたのがきっかけで興味をもちました。初めて生で観た迫力とスピード感に圧倒されました」との声が。「テレビ中継とネット配信で朝から夜まで全て観ていました!」というツワモノも!

その他には、テレビの報道などで知ったという人が多数。「ドラマをきっかけに興味をもちました」「ニュースのスポーツコーナーで目にする機会があり、認知はしていました」というコメントから察するに、普段の生活で自然と目に入ってくるということが若者のタッチポイントのひとつになっているのかもしれません。そしてなかには「歯医者の待合室のテレビでボッチャの試合が流れていて観戦しました」という声も! 東京2020パラリンピックの放送だったのでしょうか。どこにきっかけがあるかわからないものですね。

ズバリ、パラスポーツの魅力とは?

バックグラウンドはさまざまですが、パラスポーツを若い世代に伝えようと活動するPDCのメンバーたち。彼らが思う「パラスポーツの魅力」をズバリ聞いてみると? メンバーのみなさんが想いたっぷりに寄せてくれた声をまとめてみました。

パラスポーツの競技としての面白さ、パラアスリートのすごさに魅せられた!という声がたくさん。また、健常者もプレーすることができ、さまざまな人が一緒に楽しむことができるというポイントが魅力だと捉えている人も多いようです。

「伝えたいことはたくさんありますが、まず観る面白さと選手のすごさを伝えたいです!車いすバスケットボールだったらスピードが速すぎてビックリするし、ボッチャだったら自分の狙ったところにビタ止めできるのがすごすぎるし、車いすテニスなら車いすをこぎながらあんなに強く打てるのがすごいし、水泳なら色々なクラスの人が自分の強さを活かして戦っていることがすごいし、など、それぞれにそれぞれの魅力があります!」

「健常のスポーツと全く同様に、スポーツを心から楽しむ人や勝利を求め情熱を燃やす人々がいることです。また健常のスポーツに比べると制限・制約が相対的に多いかもしれませんが、ルールや決まりがあること自体は健常のスポーツも一緒。それゆえの面白さがあると思います」

「プレイヤーとしても観客としても楽しむことができる点。また、男女が同じチームでプレイすることも多いため、あらゆる点で垣根の低い点が魅力だと思います」

パラスポーツの認知度が上がることでこんな社会になってほしい!

パラスポーツにそれぞれの想いをのせて活動する大学生たち。最後に、「パラスポーツが知っている人が増えると社会はどう変わる?」という問いをぶつけてみました。

8割超が「社会は変わる!」と答えてくれました。そんな大学生たちがイメージする、パラスポーツで変化する社会の姿とは……

「パラスポーツを知っている人が増えるということは、障がいのある人に対する理解が深まることでもあると考えています。そうしたお互いの理解を深めることで、助け合いの精神や価値観の共有、誰もが住みやすい街づくりの発展につながっていくと思います。多くの人がお互いを理解しようとする気持ちを持ち、尊重し合える関係だからこそ、自分らしい人生を送ることが可能になると思います。PDCの活動を通じて、その第一歩として、パラスポーツへの理解を深めることは重要なポイントになると思いました」

「人と違うことに対して自信を持ってポジティブでいられる人が増えると思います。パラスポーツの魅力を知って、私自身、人と違う部分を認めて自分を好きになれた気がします。この魅力を広めることで同じような気持ちになる人が増えるかなと思います」

「誰もが悪気はなくとも心のどこかで抱いてしまっている壁や偏見といったものが小さくなっていく、もしくは考え方が一変するはずです。それはその人自身の選択肢や価値観が広がることにつながります。その結果、断言はできませんが、社会として『真の意味で多様性が認められる社会』が実現されることを願っています」

パラスポーツを通して社会に願いをかける大学生たちの言葉に、感じるものがある人も多いのではないでしょうか。こんな想いをもつ学生たちが将来どんな風に活躍するのか、とても楽しみです!

取材から印象に残ったのは、好奇心とチャレンジ精神をもち、まっすぐに取り組む大学生たちの姿勢です。「共生社会」の実現に向けて、これからはパラスポーツと若い世代が強力なエンジンになってくれるかもしれません。

アンケートにご協力いただいたパラスポデザインカレッジ1期生、2期生、3期生のみなさん、本当にありがとうございました!

text by Atsuhiro Morinaga(Adventurous)
edited by Adventurous, Parasapo
photo by Karin Hirokawa, Parasapo