現在、打率.390と好調の村松。規定打席に達すれば、一気に首位打者に躍り出そうだ(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext  6カード続けて勝ち越しがなく、苦しいペナントを過ごし始めた中日。そん…

 

現在、打率.390と好調の村松。規定打席に達すれば、一気に首位打者に躍り出そうだ(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 

 6カード続けて勝ち越しがなく、苦しいペナントを過ごし始めた中日。そんな状況でも快打を連発する若手がいる。2年目の村松開人だ。

【動画】村松開人の見事な逆方向へのタイムリーを見る

 

■栄光と挫折が同居するプレーヤー

 村松は主に二塁と遊撃を守る内野手で、攻守のバランスの良さが持ち味。とりわけ左打席から打ち分けるバットコントロールの良さとコンタクト能力の高さは、プロの中でも優秀な部類である。

 一昨年のドラフト2位で明治大から中日に入団。静岡高時代は甲子園出場経験あり、明治大では主将を務めるなど、野球エリートな経歴と言える。一方で、それぞれの最終学年では県大会敗退、ケガによるリーグ戦欠場という挫折も味わっている。

 プロ1年目は栄光と挫折が同居するものだった。打撃面では初本塁打が満塁弾だったり、2度のサヨナラ打を放つ勝負強さを見せつつも、最終的には打率.207、OPS.492と低調な結果に。守備では二塁でチーム最多の70試合、遊撃で同3位の30試合を守るも、大学時代からの古傷である右膝の状態が良くなかったのか、レンジの部分で課題を残した。

■開幕スタメンこそ譲るも…

 そんな中で迎えた、2年目の今シーズン。

 台湾ウインターリーグで他球団や他国の有望株に揉まれ、自主トレと春季キャンプで着実に準備を進め、オープン戦では打率.286と結果を残した。課題の守備も遊撃をしっかり任せられるレベルに進化した。

 開幕スタメンこそ田中幹也(二塁)、クリスチャン・ロドリゲス(遊撃)に譲るも、その後は先発出場したほとんどの試合で安打や四球を記録。出塁をもぎ取るシーンが多く見られた。大型連休が始まる頃には、遊撃のスタメンには村松の名が書かれることが「普通」になった。

■総合指標WARで両リーグトップ

 5月に入ると、村松のバットから快音が止まらなくなっている。

 チームが大量失点で敗れた1日のDeNA戦、左翼への二塁打が始まりだった。移動日を挟んで、3日のヤクルト戦では5打数5安打。翌4日の同カードの第2打席まで8打席連続安打と、球団記録に並ぶ猛打ぶり。結果、3〜5日のヤクルト3連戦で計14打数12安打の大当たりを見せた。

 気づけば打率は.390まで上昇(5月9日現在、以下同)。規定打席まであと13不足しているものの、現状のリーグ首位打者が.339(ヤクルト・サンタナ)なのを鑑みると、かなりの高アベレージだ。

 さらには負担の大きい遊撃を守り続けることで、守備指標も大きく上昇。こうした攻守の活躍が認められ、一部シンクタンクによると総合的な選手の貢献度を示すWAR(Wins Above Replacement)では、柳田悠岐や近藤健介(ともにソフトバンク)と並んで両リーグトップの数値を叩き出している。

 バント失敗や状況判断のミスなど、細かい部分ではまだまだ課題が多い。それでも今の村松は全てを飲み込み、著しい成長を遂げている。プロ野球選手として充実の時を迎えそうな予感だ。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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