◆プロボクシング ▽WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)タイトルマッチ12回戦 〇井上尚弥(6回1分22秒TKO)ルイス・ネリ●(6日、東京ドーム) 日本ボクシングコミッションの萩原実コミッショナー、日本…

◆プロボクシング ▽WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)タイトルマッチ12回戦 〇井上尚弥(6回1分22秒TKO)ルイス・ネリ●(6日、東京ドーム)

 日本ボクシングコミッションの萩原実コミッショナー、日本プロボクシング協会のセレス小林こと小林昭司会長(51)が6日、取材に応じ、34年ぶりの東京ドーム興行が実現したことへの胸中を明かした。

 日本ボクシング界の夢が実現した。萩原コミッショナーは感激に浸りながらリングを見つめた。「東京ドームでボクシングの興行、しかも日本人選手がメインイベントで戦うなんて、本当に素晴らしい。いつかドームでボクシングを、というボクシング関係者の夢が現実になったのですから」

 90年2月、統一世界ヘビー級王者マイク・タイソンがジェームス・ダグラス(ともに米国)に敗れ世紀の番狂わせの舞台となった東京ドーム。萩原氏は当時の熱狂を知る一人で、若手社員として東京ドームの興行企画部に所属していた。

 ドームでのボクシング開催は、東京ドーム側から何度もラブコールが送られていた。ただ、4万人以上の観客を集められるスターは不在で常に見送られてきた。そこに登場したのが尚弥だ。「今やらなければ一生できない」というプロモーターたちの声もあり、長年の夢を乗せた舞台でもあった。

 日本プロボクシング協会の小林昭司会長もドーム開催の意義を口にした。「ドームで日本人選手がメインをやることに意味がある。尚弥くんがいなければ実現しなかった。ラスベガス、ニューヨーク、ドバイよりも大きな試合が日本で行われて、日本から最高のファイトを世界に向けて発信できる。これこそ日本ボクシング界最高の喜び」と誇らしげだった。(近藤 英一)