◆陸上 世界リレー 第1日(5日、バハマ・ナッソー) パリ五輪選考を兼ねて予選が行われ、男子400メートルリレーと同1600メートルリレーの日本が五輪出場枠を獲得した。2着までが枠を得る予選で400メートルリレー(サニブラウン、柳田、上山、…

◆陸上 世界リレー 第1日(5日、バハマ・ナッソー)

 パリ五輪選考を兼ねて予選が行われ、男子400メートルリレーと同1600メートルリレーの日本が五輪出場枠を獲得した。2着までが枠を得る予選で400メートルリレー(サニブラウン、柳田、上山、三輪)は38秒10の4組1着、米国に次ぐ全体2位の好記録で切符をつかんだ。“リレー侍”が五輪本番では16年リオデジャネイロ大会の銀を超える金メダルを狙う。1600メートルリレー(佐藤拳、西、佐藤風、川端)は3分0秒98の1組1着で枠を獲得した。

 4人が持てる走力を発揮した。日本の男子400メートルリレーは予選1着で五輪切符を獲得。1走のサニブラウンは「重圧は感じずリラックスして走れた」と涼しげな表情で語った。サニブラウンの代表合流は2日。バトンパスの確認は前日練習だけだったが、2走の柳田へのパスは一発で決まり、自信を深めて臨んだ。本番でもサニブラウンは持ち前の爆発力でリードし、日本エースの力を見せた。

 前半のいい流れに乗り、3走・上山、4走・三輪もトップを堅持。確実に逃げ切った。タイムは全体2位だが1位の米国とは0秒61差、4位との差はわずか0秒04で満足はない。サニブラウンは「パリ五輪の優勝は36秒台が出るかも。ここからどれだけ上げられるか」と高い目標を見据えた。

 五輪のメンバーは男子100メートル代表選手決定後に選ばれる。代表は6月の日本選手権、決まらなければその後のワールドランキングで確定。今予選はサニブラウンが1走を務めたが、世陸2大会連続1走の坂井隆一郎が代表入りすればスターター有力だ。12日の木南記念がシーズンイン予定で、坂井の調子はリレー侍の明暗も分ける。最年少20歳の柳田は4月の今季初戦で自己ベストタイ10秒02と好調。3走候補の小池祐貴、桐生祥秀らベテラン勢も食い込めば、安定感が増す。

 その中でもエース・サニブラウンの快走は必須だ。日本陸連の土江寛裕・短距離ディレクター(49)は「金を取るのに、ハキーム抜きでは取れない」と話す。08年北京、16年リオで銀メダルを獲得したが21年東京五輪ではバトンミスで失格。雪辱を期す“リレー侍”が花の都で頂点を狙う。