明豊-神村学園 12回裏、サヨナラの押し出し四球を与え、ひざに手をつく神村学園・金城(奥)=甲子園【写真提供:共同通信社】

 第99回全国高校野球選手権大会第10日第3試合・3回戦。初戦の2回戦で坂井(福井)に7対6で競り勝った明豊(大分)と、同じく2回戦で京都成章(京都)に3対2でサヨナラ勝ちした神村学園(鹿児島)との九州勢対決は、終盤、延長戦ともつれにもつれた。

中盤までは明豊ペース。3回裏に神村学園先発左腕・青柳 貴大(3年)の制球難に乗じて一死二・三塁とすると、3番・濱田 太貴(2年)が神村学園2番手・中里 琉星(2年)の代わり端を叩くライト線2点二塁打を放つと、5回裏にはその濱田が自身2試合連続となる大会第44号ソロアーチ。3対0とした。

対する神村学園は、6回表に一死三塁から4番・前畑 太壱(3年)が明豊先発・佐藤 楓馬(3年)から左前適時打を放って反撃に移るが、明豊もすかさず7回裏に4番・杉園 大樹(3年)の適時打とエラーで2点を追加。5対1と4点差をつける。

ただ、ここから神村学園は驚異的な追い上げを見せた。8回表に2番・羽月 隆太郎(2年)の左中間三塁打と3番・田中 怜央奈(3年)の右前適時打で1点を返すと、土壇場の9回表には二死二塁から9番の代打・南川 翔哉(3年)の二塁手の目の前で大きく跳ね上がりセンター前へ抜ける適時打で3対5。なおも主将の1番・後藤 拓真(3年)がヒットでつないだ、二死一・二塁から羽月が右翼線へ起死回生の2点適時三塁打。9回裏は神村学園3番手・金城 伶於(2年)踏ん張り、試合は5対5で今大会4度目の延長戦に突入した。

延長戦は神村学園・金城、明豊の2番手・溝上 勇(3年)が気迫のピッチングを演じ、延長12回へ。そして高校野球史上に残る表裏の攻防が繰り広げられた。

12回表、神村学園は二死満塁の勝ち越し機で1番後藤が2球目で意表を突く投手右を突くセーフティバント。これが安打となり、さらに悪送球を誘い、満塁の走者が全て生還して3点を勝ち越し。そして12回裏・明豊は簡単に二者が倒れた。しかし、ここから奇跡的な出来事が起こる。

途中出場の6番・松谷 尚斗(3年)が中前打で望みをつなぐと、安打と四球で二死満塁とチャンスを広げ、9番・管 大和(2年)への2球目がワイルドピッチとなり6対8。なおも二死二・三塁から管の打球は高くバウンドし三塁手の頭を超える2点適時打に。明豊が脅威の粘りで試合を再び振り出しに戻す。

その後、安打と四球で再び二死満塁。打席には今日3安打3打点の3番・濱田。フルカウントからの6球目、金城が投じた外角のストレートはボール。3点差を覆す押し出し四球によって9対8.明豊が劇的なサヨナラ勝利を決めた。

その時、16時30分。3時間2分にわたって最後まで諦めない姿を見せた両校にスタンドからは惜しみない拍手が。特に惜しくも敗れた神村学園には球場を去る際にひときわ大きな拍手が送られた。

なお、2009年の同校夏の甲子園過去最高成績に肩を並べた明豊の準々決勝は8月20日(日)の大会第12日・第2試合。天理(奈良)との一戦で1994年の第76回大会・柳ヶ浦以来史上3度目となる大分県勢甲子園4強入りを目指す。