5月5日に東京競馬場で行われる第29回NHKマイルC(GI、芝1600m)の過去10年のデータを紹介する。 今年は春の牡馬・牝馬クラシック戦線を賑わせた2頭、ジャンタルマンタル、アスコリピチェーノをはじめ、前走ニュージーランドTを快勝したエ…

5月5日に東京競馬場で行われる第29回NHKマイルC(GI、芝1600m)の過去10年のデータを紹介する。

今年は春の牡馬・牝馬クラシック戦線を賑わせた2頭、ジャンタルマンタル、アスコリピチェーノをはじめ、前走ニュージーランドTを快勝したエコロブルームに、マイル路線へシフトして2連勝中のディスペランツァなどが出走予定。

ここでは過去10年のデータから、予想のヒントになる「前走ローテ」を分析していく。

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■皐月賞組が勝率トップ&複回収値100超え

前走・皐月賞組は過去10年で(10頭以上出走している前走レースのうち)勝率トップとなる15.4%、勝利数も最多タイの2勝を挙げている。今年は皐月賞3着のジャンタルマンタルが出走予定だが、同レースで3着以内に好走した馬の出走は、2004年のメイショウボーラー以来(NHKマイルC3着)となる。

また、同組で3着以内に好走した馬全てが、当日の上がり3F33秒台をマーク。「東京適性の表れ」ともいうべきデータだ。ジャンタルマンタルは共同通信杯で「上がり3F32秒6」という数字を残しており、切れ味勝負に対応できることも証明済み。2歳時のマイル戦でのパフォーマンスや、皐月賞組の回収値(単勝82、複勝171)も加味すると上位人気濃厚ながら嫌う点が少ない。

ニュージーランドT【2.2.2.41】 桜花賞【2.2.0.13】 皐月賞【2.1.1.9】 アーリントンC【2.0.5.23】 ファルコンS【1.0.1.18】 弥生賞【1.0.0.2】 毎日杯【0.2.0.6】 橘S【0.1.0.4】 フラワーC【0.1.0.2】 アネモネS【0.1.0.1】 スプリングS【0.0.1.8】

同じく2勝を挙げている前走・桜花賞組。桜花賞が同じマイルという距離、牝馬の春の最重要レースということもあってか、基本的には「0秒5差以内の負け」または「5着以内」といった能力上位の馬がそのまま好走している。桜花賞で15着に大敗後、このレースを勝利した2021年のソングラインに関しては、後に安田記念を連覇するほど東京マイルには高い適性があり、実際にこのレースまでに東京マイルでの勝ち鞍もあった。

桜花賞好走からの敗戦といえば、2019年のグランアレグリアが思い浮かぶ。レース序盤に引っかかってしまい能力を出しきれず5着に終わったが、同じような過程で臨むアスコリピチェーノは操縦性の高さが魅力の馬なのでこの辺の心配は不要。3歳牝馬の世代レベルも低くなく、通用してもなんら不思議ではない。

■アーリントンCを1番人気1着なら「2.0.0.3」

続いて、クラシック路線と同じく2勝をマークするのは前走・アーリントンC組。勝ち馬2頭は前走も勝利しており、かつ1番人気を背負ってのものだった。ディスペランツァはこの条件にピッタリ該当。1番人気1着から参戦した馬は全部で5頭おり、【2.0.0.3】と3頭は馬券圏外だが、その3頭のうち2頭は稍重・重で勝利した馬(2020年タイセイビジョン・21年ホウオウアマゾン)で、残り1頭はタワーオブロンドン。同馬は本番で躓いたり進路が狭くなるなどもあり、不完全燃焼だったということを考えると、「良馬場で1番人気で勝利した」というデータは見た目以上に価値があると考えられる。

今年のアーリントンCを「上がり3F32秒4」という強烈な末脚で快勝したディスペランツァは、東京替わりでさらにパフォーマンスを上げてもおかしくない。この組は単勝回収値30と低いが、複勝回収値は238と高いので、クラシック組の参戦で人気も落ちそうなら、2、3着付けで馬券を組み立ててみるのも面白そうだ。

最多出走の前走・ニュージーランドT組は、今年も多数参戦。なかでも注目を浴びているのが勝ち馬のエコロブルームだが、過去10年でニュージーランドTを勝利して参戦した馬は【0.0.0.10】と大不振。昨年のシャンパンカラーのように2、3着からの巻き返しはそれなりにあるものの、勝率4.3%、連対率8.5%、複勝率12.8%というデータが示す通り全体的に信頼しづらい。例年に比べてメンバーレベルも高くなりそうなので、このローテからの出走馬には過大な評価はできない。

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(SPREAD編集部)