ATP生産過程にマグネシウムが必須「若さを保つ栄養メソッド」より、 マグネシウムが関与する300種類以上の酵素反応のうち、最も重要なことはエネルギー代謝によりATPをつくることです。より多くのATPを生産する代謝、「好気性代謝(クエン酸回路…

ATP生産過程にマグネシウムが必須

「若さを保つ栄養メソッド」より、

 マグネシウムが関与する300種類以上の酵素反応のうち、最も重要なことはエネルギー代謝によりATPをつくることです。より多くのATPを生産する代謝、「好気性代謝(クエン酸回路+電子伝達系)」において、マグネシウムは先述した鉄と同様に大きな役割を果たしています。

 生命は鉄を補因子とする代謝から進化し、マグネシウムや亜鉛を補因子とする代謝、そしてビタミンを補酵素とする代謝を獲得してきました。ミトコンドリアでATPがつくられるエネルギー代謝の際は、鉄はもちろん、マグネシウムが不足している状態では上手くいきません。

 ATPがつくられる過程でもさまざまな酵素反応は起こっていますが、そのうちの10種類以上においてマグネシウムが必須となっています。体がエネルギーをつくって、蓄えるにはマグネシウムが必要で、これがなくてはエネルギーもない、運動もない、生命すら存在しないのです。

 このことを踏まえて、分子栄養療法の実践に当てはめると、マグネシウムが欠乏しているのに、ビタミンを摂っても効果は乏しい、ということになります。

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 摂取の基本となるサプリメントは、エネルギー代謝アップを目的とした「ATPセット」です。これからは新たにマグネシウムを加えて、「新ATPセット」として実践していただくことをご提案いたします。

<ATPセット>

・鉄、ビタミンB50、ビタミンC1000、ビタミンE400

<新ATPセット>

・ATPセット+マグネシウム

※ATPセットをはじめる前提は、普段の食事で高タンパク/低糖質食を心がけること。

白米やパン、麺類、菓子など炭水化物を減らし、卵や肉などタンパク質を積極的に摂る。加えて、男女ともに毎日20g(60cc)×2回のプロテインを飲んでいること(食事からは十分量のタンパク質を摂取できないため)。

 新ATPセットとは、生きるエネルギー・ATPを量産するための補酵素、補因子として有効な、ビタミン・ミネラルを組み合わせたものです。高タンパク食+糖質制限を前提として開始する基本セットになります。ビタミンやミネラルの必要性を認識しつつも「何をどのくらい摂ればいいのか……」と悩まれる方は、新ATPセットがお勧めです。

 マグネシウムはクエン酸回路の補因子ですので、ATPセットの目的(生きるエネルギーであるATPの量産)にふさわしく、相乗効果も高くなることから、新ATPセットとして追加しました。

 一例ですが、処方薬としての亜鉛「プロマック」に加えて、鉄「フェルム」を投与する疾患の場合、サプリメントのマグネシウムを追加すると、従来の治療よりも回復が早くなるというデータが集まったという理由もあります。つまり、ミネラル同士の相乗効果が高くなるのです。

 順番として、最初にプロテインを摂るということは変わりません(毎日20g×2回)。ここは守ってください。いきなり全部のサプリメントを飲みはじめると、胃腸の調子が悪くなる人もいます。その上で鉄、次にビタミンCを開始し、その後にマグネシウム、ビタミンB50、ビタミンEを開始するのがいいでしょう。

[文:meilong スタッフ]


※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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meilong 院長・石川美絵(いしかわ・みえ)

石川美絵

大学では栄養学を学びテレビ局、IT企業、広告代理店などに勤務し、20代後半時の大きな人生の挫折から東洋医学の世界に出会う。鍼灸と漢方の奥深さに魅かれ鍼灸学校に入学し国家資格鍼灸師免許を取得。学生時代は40院の経営兼柔道整復師・鍼灸あん摩指圧マッサージ師でもある先生のアシスタントをし、国家資格取得後、北京中医薬大学卒でもある鍼灸30年の先生から技術を取得する。さらに美容鍼灸のパイオニアに師事し、世界で活躍する日本鍼灸の技術に刺激され研究を重ねる。さらに200件以上の治療院・クリニック・スパ・エステなどを周る。ホテル椿山荘の鍼灸治療施設「KENBITOKYO」、「東方健美」へ勤務した後、2014年、四谷に紹介制治療院Meilongを開業。

世に鍼灸を広めたく2015年meilong恵比寿院をオープンし、続けて2017年meilong恵比寿mana院をオープン。2019年meilong銀座院もオープン。

千葉大学医学部附属病院の和漢診療科での研修、漢方医、各専門分野の医師との連携もし日々、情報交換、学会への参加も努めている。また自分自身が不妊治療をし鍼灸と漢方も併用し子を授かったが途中、死産分娩を経験している事、さらに不育症からの妊娠を維持する為の体験、知識もあり不妊治療にも寄り添いたいという想いも強い。世の頑張っている女性の一番の味方でありたいと思っている。