2度も強烈なボディに沈められ、その後は一転してカーフ地獄。いつ倒れてもおかしくない状況で、倒れない気持ちの強さをみせたベテランファイターに「よく立っていられる」「根性見せた」など応援コメントが殺到。しかし最後は、カーフで削られ、…

 2度も強烈なボディに沈められ、その後は一転してカーフ地獄。いつ倒れてもおかしくない状況で、倒れない気持ちの強さをみせたベテランファイターに「よく立っていられる」「根性見せた」など応援コメントが殺到。しかし最後は、カーフで削られ、気力も尽きるように腰を落とす壮絶KOだった。

【映像】ボディとカーフで上下“粉砕”の衝撃KO

 後楽園ホールで開催された「Krush.159」で、安尾瑠輝(K-1ジム心斎橋チームレパード)と矢島直弥(TSKjapan)が対戦し、安尾が3ラウンドKO勝利。2週間前に緊急オファーを受けた安尾が、ボディでの2ダウンから気持ちを完全に折るカーフキックなど計3つのダウンを奪い完勝を収めた。

 DEEP☆KICK王者の安尾は、これまでのK-1グループでの戦績は2連勝のあと2連敗。一方の矢島は元キック2団体王者で皇治が主催する「NARIAGARI」などに参戦する33歳ベテランで、これがKrush初参戦となる。

 安尾はゴングとともにパンチを連打、序盤から相手を倒す意思を前面に出しながら一気に試合の主導権を握る。矢島もミドルキックで対抗するが、安尾の勢いは止まらず強烈な左ボディで早々にダウンを奪う。
 
 試合再開後も安尾のペース。勢いを失った矢島にハイキックやミドルなど蹴りを織り交ぜながらボディへ連打を重ねていく。安尾の勢いは止まらないが、猛攻を受けながらも全力でパンチを振って応戦する矢島に、解説の石川直生も「この意地は素晴らしい」とその折れない心を称えた。
 
 2ラウンドも双方が激しく打ち合う展開。足を止めて互いに引かない“削り合い”が続く。矢島は前に出るが、安尾が再び容赦ないボディ攻撃。気力で戦う矢島だが、ラウンド終了間際に再びボディに重い一撃を被弾。体勢が崩れもダウンを許さない。しかし、これまでのダメージの蓄積もあり、矢島にスタンディングダウンが宣告された。

 最終3ラウンド、2ダウンで後のない矢島がフルスウィング勝負。やや余裕のある安尾は打ち合いに応じつつ、ミドルキックなどを織り交ぜてカーフキックに作戦を変更。左の奥足を効かされた矢島は、フラフラと後退しはじめる。

 明らかに左足を負傷したか…かばう動きの矢島に対し、安尾はスピンキックから徹底的なカーフキック攻め。最後は、持ち前の気力を絶たれたか…ゆっくりと沈むようにしゃがみ込んだ矢島を見たレフェリーが試合を止めた。
 
 試合内容は安尾の圧勝となったが、序盤からのボディ地獄と後半のカーフといつダウンしてもおかしくない状況で最後まで倒れなかった敗者の激闘ぶりに「根性をみせた」「よく頑張った」「これは拍手だ」など労いの声が相次いだ。