大相撲の宮城野部屋で起きた元幕内北青鵬の暴力問題で、日本相撲協会は28日、指導力を問われた元横綱白鵬の宮城野親方と力士ら全員を同じ一門の伊勢ケ浜部屋(師匠・伊勢ケ浜親方=元横綱旭富士)に移すと発表した。宮城野部屋は一時的に閉鎖状態となる。…

 大相撲の宮城野部屋で起きた元幕内北青鵬の暴力問題で、日本相撲協会は28日、指導力を問われた元横綱白鵬の宮城野親方と力士ら全員を同じ一門の伊勢ケ浜部屋(師匠・伊勢ケ浜親方=元横綱旭富士)に移すと発表した。宮城野部屋は一時的に閉鎖状態となる。

 同部屋を巡っては、暴力を知りながら注意や協会への報告を怠った宮城野親方が、2月に2階級降格などの処分を受けた。部屋の運営を担う師匠の立場を外れ、別の部屋から師匠代行が立てられていた。

 協会によると、4月以降は一門の浅香山新理事(元大関魁皇)や伊勢ケ浜親方が宮城野親方を指導し、部屋運営について教育するという。措置は無期限だが、1場所ごとに両親方が協会に状況を報告する。協会側が措置の解除を認めれば、宮城野親方は師匠に戻る。

 2020年に師匠の中川親方(元幕内旭里)の暴力が発覚した中川部屋は、理事会決議で部屋閉鎖の処分を受けたが、佐渡ケ嶽広報部長(元関脇琴ノ若)は「(宮城野)部屋がなくなるわけではない」とした。

 大相撲は同部屋同士の対決を原則認めないため、伊勢ケ浜部屋の力士と、宮城野部屋から移る力士の対戦は組まれない。(鈴木健輔)

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 宮城野部屋 大相撲の伊勢ケ浜一門に所属する部屋の一つ。1960年に43代横綱吉葉山が宮城野を襲名し、「吉葉山道場」から改称した。89年に部屋を引き継いだ元幕内竹葉山が69代横綱白鵬らを育てた。白鵬は引退後、「間垣」を襲名。2022年7月に「宮城野」を襲名し、部屋を継承した。