井上との大一番に向け、ネリは着々と準備を進めている。(C)Getty Images、(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext  文字通りの大一番に向け、メキシコの悪童は着実に準備を整えている。…

 

井上との大一番に向け、ネリは着々と準備を進めている。(C)Getty Images、(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 

 文字通りの大一番に向け、メキシコの悪童は着実に準備を整えている。

 現地3月20日、元世界2階級制覇王者のルイス・ネリ(メキシコ)のプロモートに関係する「ビバ・プロモーション」(ブレンダン・ギボンズ※ショーンの息子)は、同選手がボランティア・アンチ・ドーピング協会(VADA)による抜き打ちのドーピング検査をパスしたと公式X(旧Twitter)で公表した。

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 ビバ・プロモーションが公表したVADAの証明書には「選手名:ルイス・ネリ、採取日:2024年3月5日、結果:陰性」と明示され、「あなたは引き続きVADAのテストに参加している」と指摘されている。

 5月6日に東京ドームで4団体統一王者の井上尚弥(大橋)とのタイトルマッチに臨むメキシコ人戦士にとって、“第一関門”を突破したというところだろうか。ネリは、2017年と18年に山中慎介氏との試合でドーピング違反と体重超過を犯し、日本ボクシングコミッション(JBC)から無期限資格停止処分(今年2月に処分解除)とし、日本からは事実上の永久追放となっていた過去がある。

 そうしたなかで、井上戦に向けて処分解除の条件としてJBCは、ネリに対して、事前計量とVADAによる抜き打ち検査も含めた徹底したドラッグテストの実施を義務づけていた。

 井上戦にまた一歩前進する形となったネリには、母国メディアからも期待が集まっている。メキシコ紙『Record』は「東京ドームで試合ができるのは光栄だし、多くのスポットライトが当たる。俺の12年間のキャリアで最大の試合だ」とする本人のコメントを紹介し、「パンテーラ(ネリの愛称)は厳しいテストも受け入れ、イノウエとの試合に集中している」と熱を込めた。

 なお、VADAの抜き打ちドーピング検査を試合までに複数回実施される予定で、計量を含めて両雄には、これまで以上に厳格な調整が求められる。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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