大谷翔平、山本由伸らが所属するドジャースは、3月20日に韓国で行われるパドレス戦で今シーズンの開幕を迎える。パドレスにはダルビッシュ有、松井裕樹といった日本人選手も所属し、日本の野球ファンからしても、昨春のWBCでチームメイトだった選手た…

 大谷翔平、山本由伸らが所属するドジャースは、3月20日に韓国で行われるパドレス戦で今シーズンの開幕を迎える。パドレスにはダルビッシュ有、松井裕樹といった日本人選手も所属し、日本の野球ファンからしても、昨春のWBCでチームメイトだった選手たちが、メジャーの舞台で激突する夢のような開幕だ。30球団には、個性豊かなスター選手が揃う。開幕前から識者により主要タイトルの予想が展開されたが、大谷は強打者の証しである「ハンク・アーロン賞」の2年連続受賞の期待がかかった。

【映像】MLB識者による主要タイトル大予想

 タイトルと聞けば、投打それぞれ数字のNo.1というイメージも強いが、メジャーでは投手であれば「サイ・ヤング賞」、打者であれば「ハンク・アーロン賞」など、1つの数字ではなく、総合的な判断から選出されるものが多い。またファンによる投票が結果に反映する賞もある。

 主要タイトルの予想にはMLBジャーナリストのAKI猪瀬氏と、ロッテでキャッチャーとして活躍、侍ジャパンとしてWBCで優勝経験がある里崎智也氏が参加した。まずはア・リーグ。AKI猪瀬氏がサイ・ヤング賞に推すには、ツインズの右腕パブロ・ロペスだ。球速は「最速でも97マイル(約156.1キロ)で160キロは出ない」が、カーブやチェンジアップの制球力が抜群。「力づくで抑え込むのではなくて、ビタビタの制球力で三振の山を築く」と、日本の投手にも通じるところがあるという。両親が医者という一家に育ち、父から野球でメジャーリーガーになるか医者になるかの2択を迫られ、見事に野球で夢を叶えたという選手だ。

 ハンク・アーロン賞には、大谷のライバルとして日本でもよく知られた存在にもなったヤンキースのアーロン・ジャッジの名が出た。昨季は故障もあり、106試合の出場に留まったものの、それでも37本塁打をマーク。162試合フル出場していれば、約57本打っていたというハイペースだった。AKI猪瀬氏によれば、ヤンキースに加入した強打者フアン・ソトの存在が大きく、2人が並んで打線に入ることでの相乗効果により、ジャッジの本塁打を増えるだろうと予想した。

 一方、ナ・リーグはどうか。サイ・ヤング賞には2022年8月に右肘を手術し、昨季登板がなかったドジャースのウォーカー・ビューラーが有力だという。フルで活躍した2022年はリーグ最多の33試合に先発し、16勝4敗、防御率2.47、WHIPも0.97と抜群。大谷も加入してより厚みを増した打線の援護を受け、勝利数も伸ばし、余裕の投球ができるかもしれない。そしてハンク・アーロン賞だが、AKI猪瀬氏はここだけ3人の名前を出した。1人は大谷、1人はチームメイトのムーキー・ベッツ、そしてもう1人は昨季、41本塁打・73盗塁で史上初の「40-70」を達成したブレーブスのロナルド・アクーニャJr.だ。どの選手も本塁打と打点のどちらも量産できる強打者で、直接ハンク・アーロン賞には影響がなさそうだが、スピード感溢れるという共通点がある。

 なお大谷は昨季、打率・本塁打・打点の打撃三部門の独占、いわゆる「三冠王」の期待も膨らんだ時期があったが、AKI猪瀬氏はナ・リーグにマーリンズの巧打者、ルイス・アラエスがいることから打率部門はかなり困難だと予想。「ナ・リーグの方が打率に特化した選手が多い。(打率)3割3分以上はキープしないと」と、かなりハイレベルな戦いになると分析していた。
(ABEMA「FAN FUN MLB」)