井上に立ち向かうネリ。彼に対しては厳しい空気が流れている。(C)Getty Images、(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext  東京ドームで行われる決戦はいかなる結末を見るのか。各国メデ…

 

井上に立ち向かうネリ。彼に対しては厳しい空気が流れている。(C)Getty Images、(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 

 東京ドームで行われる決戦はいかなる結末を見るのか。各国メディアで注目を集めているのが、来る5月6日に東京ドームで行われるボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)と元世界2階級制覇王者のルイス・ネリ(メキシコ)によるタイトルマッチだ。

 東京ドームでボクシングの世界戦が実現するというのは34年ぶりの快挙。この文字通りの歴史的なマッチメイクに対する下馬評は、井上有利の見方が大半を占めている印象だ。

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 プロキャリア26戦無敗23KOという圧倒的な戦績を誇る日本の怪物は、昨年1月に同階級に転級してからもわずか2戦で4団体王座を統一。瞬く間にスターダムをのし上がった。この図抜けた強さゆえにメキシコの悪童は「何もできないのではないか」という意見が強まっている。

 そうした井上有利の風潮はネリの母国内でも広まっている。元世界4階級制覇王者で、「ダイナマイト」の異名を持つファン・マヌエル・マルケス氏は、米放送局のメキシコ版『ESPN』の番組内で「ネリはサウスポースタイルの良いボクシングをするし、技術力も高いファイターだ」と称えたうえで、29歳の挑戦者が抱える課題を指摘する。

「問題は彼がどのように調整し、ちゃんと体重をリミットを合わせられるかどうかだ。彼は自分のキャリアで最も重要な試合に挑むんだ。イノウエに立ち向かうのは簡単じゃないよ」

 2017年と18年に山中慎介氏との試合でドーピング違反と体重超過を犯し、波紋を広げていたネリ。そんな“過ち”にも触れたマルケス氏は「その日はメキシコ人ファイターにとって、素晴らしい試合をしなければいけないという責任を負う日になる」と言及。「私はネリが人生を懸けて戦うべきだと考えている。もう準備段階での彼に失敗は許されないし、かつてないほどの調整をしないといけない」と断じた。

 山中戦について「あの試合は楽だった」と余裕かましていた悪童だが、今回の井上戦はどうか。母国内でも逆風が吹く中でネリにはかつてないほどに本気の調整が求められている。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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