<大相撲三月場所>◇五日目◇14日◇大阪・エディオンアリーナ  大学を卒業後、一度は就職。その後、角界へ戻ってきた異色の新人力士が序ノ口で快進撃。序ノ口優勝に向けて、無傷で白星を重ねている。 【映像】異色の新人力士の取組の模様  日大卒業後…

<大相撲三月場所>◇五日目◇14日◇大阪・エディオンアリーナ

 大学を卒業後、一度は就職。その後、角界へ戻ってきた異色の新人力士が序ノ口で快進撃。序ノ口優勝に向けて、無傷で白星を重ねている。

【映像】異色の新人力士の取組の模様

 日大卒業後、鹿児島県スポーツ協会への就職を経て角界入りした“異色の経歴”で注目を集める序ノ口八枚目・伊波(尾上)が、序ノ口九枚目・道颯(阿武松)を上手投げで下して無傷の3連勝を遂げた。圧倒的な相撲内容は今後の活躍を期待させるに十分で、早くも序ノ口優勝の可能性さえうかがわせた。

 伊波は鹿児島県奄美市出身、平成12年(2000年)生まれの23歳。相撲を始めたのは遅く高校入学後だったが、すぐに頭角を現し高校3年で全国高校総体(インターハイ)のベスト16に。その後日大に進学、令和5年(2023年)春に卒業するとそのままプロの世界には行かず、鹿児島県スポーツ協会に就職した。だが角界入りは大学時代から考えていたようで、会社員時代も稽古を続け鹿児島国体に出場。令和6年(2024年)1月の新弟子検査に合格し、尾上部屋に入門したという異色の経歴の持ち主だ。

 先場所の前相撲で初土俵を踏んだ。身長189.3センチ、体重145.1キロの恵まれた体格で、デビュー戦は圧倒的な力を見せつけて勝利。3戦全勝とし、今場所では初めて四股名が番付に載ることになった。

 序ノ口八枚目で臨む今場所も規格外の実力で初日から白星を挙げる好スタート。ここまで2番取って2勝と、早くも頭ひとつ抜けた強さを発揮していた。

 五日目、道颯との取組では、立ち合い張っていくとすぐに右上手を取って四つに組み、豪快な上手投げを決めて完勝した。圧倒的な勝利を遂げた伊波はこれで3連勝。敗れた道颯は1敗目を喫した。

 序ノ口優勝への期待を抱かせる強さを見せた伊波。幕内で大関に土をつけた前頭二枚目・熱海富士(伊勢ヶ濱)や快進撃を続ける前頭五枚目・大の里(二所ノ関)、新入幕で無傷の前頭十七枚目・尊富士(伊勢ヶ濱)、復活した“令和の怪物”こと十両十三枚目・伯桜鵬(宮城野)、さらにデビュー以来無敗の三段目十八枚目・安青錦(安治川)や序二段十枚目・安響(安治川)らが台頭し、角界の勢力図が塗り替えられつつある現在。将来が楽しみな期待の新人がもう一人現れた。(ABEMA/大相撲チャンネル)