8月13日に女子ラグビーワールドカップ2017の第2戦、対アイルランドを戦うサクラフィフティーンの試合登録メンバーが発表された。 初戦では14-72とフランスに大敗した。ミスが相次いだ序盤に点差をつけられた前戦の経験を活かし、地元代表チー…

 8月13日に女子ラグビーワールドカップ2017の第2戦、対アイルランドを戦うサクラフィフティーンの試合登録メンバーが発表された。
 初戦では14-72とフランスに大敗した。ミスが相次いだ序盤に点差をつけられた前戦の経験を活かし、地元代表チームと戦う重圧をはね除けたい。

 突破力があり、フランス戦でトライもあげたマテイトンガ・ボギドゥラウマイナダヴェは怪我でチームを離脱した。ハードタックラーのCTB冨田真紀子は前戦の後半28分に見せた一撃が危険だったとされレッドカード。フランス戦後に規律委員会に謀られて今大会での3試合出場停止が決まり、次戦への出場が叶わなくなった(第5戦/最終戦の出場は可能)。先発の山本実に代わり、後半途中からピッチに立ったSO福島わさなも膝の怪我で大会から離れた。
 チームは、あらためて一丸となって戦う気持ちを強くしている。

 初戦の先発メンバーからメンバー変更となったのは2人。マテイトンガに代わり、高野眞希が8番を背負う。冨田真紀子から12番を受け継いだのは黒木理帆。リザーブにバックローの塩崎優衣、FLでもCTBでもプレーできる鈴木彩香、キック力のあるFB田坂藍が新たに名を連ねた。
 サクラフィフティーンは試合前日の8月12日、16時から前日練習をおこない、約1時間にわたって体を動かした。有水剛志ヘッドコーチはアイルランド戦で今大会初めて先発するNO8高野について「ライテ(マテイトンガ)とはプレースタイルは違いますが、遜色のない働きをしてくれると思っています」と期待を寄せた。また、「本番に強い」と黒木にも高い評価。「長田(いろは)との同期(CTB)コンビでやってくれるはず」と話した。

 黒木は立正大学の1年生でまだ19歳。中学1年時に日向ラグビースクールでこの競技を始め、石見智翠館高校で才能を伸ばした。
 フランス戦では後半26分からピッチに立ち、世界の舞台に立つ。「課題と言われていたタックルを決められた一方で、ハンドリングでミスをしてしまいました。次の試合では死ぬ気でボールをキャッチします」と前戦を振り返った。
「自分の強みはタテに出るところ。いろはちゃんの良いところも分かっているので、コミュニケーションをとって、それを引き出していきたい」
 フランス戦ではかなりガチガチだったが、2戦目を迎えた心境を「心地よい緊張感」と話す。
「今回、日本のために戦うとはこういうことか、と感じています。タックルします」
 そう決意を口にした。

 対するアイルランドは世界ランキング5位。今大会初戦でオーストラリアを19-17と下している。その戦いではキックをほとんど使わず、徹底してボールを手に攻めていた。またFWの密集戦も強い。サクラフィフティーンは、それらを頭に入れつつ、自分たちのラグビーを出し切ることに集中するつもりだ。
 指揮官が言う。
「初戦は特に最初の20分、普段はしないことをやって負けた。今回こそ、自分たちの攻守のスタイルをどれだけ出せるかが勝負」
 HO齊藤聖奈主将も覚悟を決めている。
「ベストを出せるかどうかだけ」
 試合前日練習前に円陣を組んで国歌を歌ったのも集中力を高めるためだ。相手の歌に込められた歌詞の意味も全員で理解し、気持ちを研ぎ澄まして戦いに挑むつもりだ。
 キックオフは8月13日の17時15分(日本時間 25時15分)。今度は受け身にならない。緑のジャージーに襲いかかる号砲を鳴らしたい。

<女子ラグビーワールドカップ 第2戦 女子日本代表 試合登録メンバー>

1.江渕まこと(青山学院大/東京フェニックス)
2.齊藤聖奈(主将/PEARLS)
3.南早紀(日本体育大)
4.三村亜生(TKM)
5.櫻井綾乃(日本体育大)
6.末結希(ARUKAS)
7.鈴木彩夏(RKU龍ケ崎GRACE)
8.高野眞希(日本体育大)
9.津久井萌(東京農業大第二高)
10.山本実(日本体育大)
11.堤ほの花(日本体育大)
12.黒木理帆(立正大/ARUKAS)
13.長田いろは(立正大/ARUKAS)
14.平野恵里子(TKM)
15.清水麻有(日本体育大)

〔リザーブ〕
16.鈴木実沙紀(東京フェニックス)
17.片岡瑞帆(TKM)
18.藤本麻依子(TKM)
19.中嶋亜弥(ARUKAS)
20.塩崎優衣(東京フェニックス)
21.野田夢乃(立正大/ARUKAS)
22.鈴木彩香(ARUKAS)
23.田坂藍(ARUKAS)

▼女子日本代表 選手名鑑(第2戦・対アイルランドの試合登録メンバー背番号入り)
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