8回目となる女子ラグビーワールドカップ(2017アイルランド大会)が8月9日、ユニバーシティ・カレッジ・ダブリンで開幕し、参加する全12か国・地域の代表チームがプールステージの初戦を戦った。 2002年大会以来、4大会ぶり4回目の出場とな…

 8回目となる女子ラグビーワールドカップ(2017アイルランド大会)が8月9日、ユニバーシティ・カレッジ・ダブリンで開幕し、参加する全12か国・地域の代表チームがプールステージの初戦を戦った。

 2002年大会以来、4大会ぶり4回目の出場となった日本は、前回大会の銅メダルチームで現世界ランキング4位のフランスに14-72で完敗。毎年おこなわれる女子シックスネーションズ(欧州6か国対抗)などで経験を重ね体格でも勝るフランスに、パワー、スピードで圧倒され、計12トライを奪われた。

 日本はキックオフのボールキャッチを失敗し、開始12秒で先制された。プレッシャーをかけ続けるフランスはさらに5分、ゴール前中央のスクラムでフリーキックをもらうと、すぐに仕掛けて右に展開し連続トライ。
 PR江渕まことが勇敢なビッグタックルで相手に落球させ、FL末結希がブレイクダウンでからみターンオーバーするシーンもあったが、フランスペースは変わらず。
 前半25分にNO8マテイトンガ・ボギドゥラウマイナダヴェ(愛称ライテ)がパワフルな突進でゴールに持ち込み、日本は活気づいたものの、今大会でベスト8を狙うサクラフィフティーンのキープレーヤーであるライテは後半早々に負傷交代、状態が心配される。
 後半、17歳のSH津久井萌や、CTB冨田真紀子などが懸命のタックルを見せ、終盤には途中出場のSH野田夢乃が2トライ目を挙げたが、世界の壁は厚かった。

 日本とフランスが入るプールCのもう1試合は、初優勝を狙う開催国のアイルランドがオーストラリアに19-17で競り勝った。
 開幕直前に大黒柱のニーヴ・ブリッグス主将が負傷離脱し、戦力ダウンが心配されたアイルランドだが、やや劣勢だった序盤に規律よいディフェンスで耐え、先制トライを挙げて前半をリード。後半16分に逆転されたものの、6分後、FWが執念のピック&ドライブでゴールラインを割り再逆転すると、地元ファンの声援に後押しされたアイルランドは後半30分にも貴重な追加点を挙げ、粘るオーストラリアを振り切った。

 プールCは強豪ぞろいの激戦区。チャレンジャーの日本は、現地時間13日にアイルランドと対戦する。

 前回大会のチャンピオンであるイングランドは、スペインに56-5で快勝。
 2大会ぶり5回目の王座奪還に燃えるニュージーランドは、ウェールズを44-12で下し好発進している。
 プールAでニュージーランドとの首位争いが予想される前回大会準優勝のカナダは、2014年のIRB(現ワールドラグビー)年間最優秀女子選手であるWTBマーガリ・ハーヴィーが初出場の香港から5トライを挙げるなど、98-0と圧倒した。
 初代女王のアメリカは、4大会ぶりの出場であるイタリアに24-12で勝った。

<女子ラグビーワールドカップ2017 アイルランド大会 初日結果>

▼プール戦A
1位: カナダ 1勝0敗(勝点5/得失点差 +98)
2位: ニュージーランド 1勝0敗(勝点5/得失点差 +32)
3位: ウェールズ 0勝1敗(勝点0/得失点差 -32)
4位: 香港 0勝1敗(勝点0/得失点差 -98)

▼プール戦B
1位: イングランド 1勝0敗(勝点5/得失点差 +51)
2位: アメリカ 1勝0敗(勝点5/得失点差 +12)
3位: イタリア 0勝1敗(勝点0/得失点差 -12)
4位: スペイン 0勝1敗(勝点0/得失点差 -51)

▼プール戦C
1位: フランス 1勝0敗(勝点5/得失点差 +58)
2位: アイルランド 1勝0敗(勝点4/得失点差 +2)
3位: オーストラリア 0勝1敗(勝点1/得失点差 -2)
4位: 日本 0勝1敗(勝点0/得失点差 -58)

【勝点について】
勝ち=4点、引き分け=2点、負け=0点、ボーナスポイント(1試合4トライ以上、7点差以内の負け)=1点

【プール戦 → 順位決定トーナメント】
各プールで1回戦総当たりをおこない、各組1位と、2位のなかで最も勝点が多いチームが準決勝に進出。2位の残り2チームと、3位で勝点の上位2チームが5~8位トーナメントへ、残りは9~12位トーナメントに進む。