「水に穴が開きそうです」。おおよそ水泳で聞いたこともないような表現が出るほどの完成度だった。「世界水泳ドーハ2024」8日目が2月9日に行われ、アーティスティックスイミング(AS)チームフリー決勝では、アメリカが予選3位から1つ順位を上げ…

 「水に穴が開きそうです」。おおよそ水泳で聞いたこともないような表現が出るほどの完成度だった。「世界水泳ドーハ2024」8日目が2月9日に行われ、アーティスティックスイミング(AS)チームフリー決勝では、アメリカが予選3位から1つ順位を上げて、304.9021点を獲得、銅メダルに輝いた。同種目が「シンクロナイズドスイミング」と呼ばれていた時代は、数々のメダルを獲得していたアメリカの復活劇。冒頭に見せたアクロバティックでは、あまりの精度に観客からもどよめき混じりの歓声が起こった。

【映像】「水に穴が開く」アメリカの真っ直ぐなリフト

 久々の五輪出場に向けて、急成長を遂げてきたアメリカチーム。フリーの演技では、冒頭に豪快かつ繊細な技を持ってきた。選手を高く持ち上げるリフトだが、少しでも軸が傾けば見栄えも悪く、状況に寄っては倒れてしまうこともある高難度のもの。ただ、悲願の五輪出場へ高い集中力を見せたアメリカは、真っ直ぐに軸を維持して決め、そして入水。解説者からは思わず「この高さと完璧な軸っ!水に穴が開きそうです」と、一直線の軸に対して独特の表現で称えた。

 その後も「I am Water」のテーマに沿って、随所に水を感じさせる振り付けと、正確な技、隊列を繰り返すと、ほぼミスなしの演技でフィニッシュ。プールサイドで得点を待つとメダル確定、すなわちパリ五輪出場確定となる表示に大口を開ける選手、顔を覆ってしまう選手など、それぞれの形で喜びを最大限に出していた。
(ABEMA『SPORTSチャンネル』)