全国高校サッカー選手権注目選手紹介 MF&FW編第102回全国高校サッカー選手権の注目選手を、育成年代のサッカーを長年取…
全国高校サッカー選手権注目選手紹介 MF&FW編
第102回全国高校サッカー選手権の注目選手を、育成年代のサッカーを長年取材してきているフリーライターの土屋雅史氏、森田将義氏のふたりに挙げてもらった。こちらではそのなかからMF&FW11人を紹介する。
高校サッカー選手権注目選手 GK&DF編>>
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青森山田のMF芝田玲 photo by Tsuchiya Masashi
芝田 玲
しばた・れい(MF/3年/青森山田・青森県/170cm、67kg)
「セットプレーで正確なボールが蹴れる選手で、プレミアリーグ(高円宮杯JFAU-18プレミアリーグ)で10アシスト。チームメイトの山本虎選手がほんわかとしたリーダーシップを発揮できる選手なら、『思ったことは全部口に出てしまう』と話すぐらい気が強い。周囲に要求するだけでなく、自分に対してもすごく厳しい。強気でいないとチームを引っ張れないと自覚できる選手は、高校生で珍しいです」(土屋氏)
「技巧派のボランチですが、守備もサボらない。『攻撃だけでなく、守備でもプレスバックしたり、すべてにおいて手を抜かずに頑張りたい。隙のない選手になりたい』と口にしていたのが印象的でした」(森田氏)

尚志のMF神田拓人 photo by Tsuchiya Masashi
神田拓人
かんだ・ひろと(MF/3年/尚志・福島県/174cm、65kg)
「ボールを取りきる動き、ピンチを察知してセカンドボールを拾うプレーは、今大会ナンバーワンです。今年は世代別代表にもずっと選ばれていて、もう少し攻撃の部分を伸ばさないと代表に呼ばれ続ける選手になれない、もっと上のステージに行くのは難しいと自己分析して、取り組んでいます」(土屋氏)
「彼のように守備で気が利く選手はなかなかいません。特殊能力を持っていると思ったのが第一印象でした。中学生までは捌くタイプだったみたいですが、お父さんから『サッカーは守備が一番大切』と教わってきた結果、高校になってから守備職人として開花しました。将来的には鹿島アントラーズの佐野海舟選手みたいになってほしいです」(森田氏)

尚志のMF安齋悠人 photo by Tsuchiya Masashi
安齋悠人
あんざい・ゆうと(MF/3年/尚志・福島県/176cm、68kg)
「今大会ナンバーワンのドリブラー。スピードが群を抜いていて、一旦彼の間合いに入ると、止めるのは困難です。相手はある程度行かれてしまうのを覚悟しなければいけません。今年のプレミアリーグで青森山田と対戦した際、尚志が2-0で勝ったのですが、安齋選手のスーパードリブルからの1ゴール1アシストでした。福島出身の選手が尚志で活躍する意義も感じていて、いろんな人の想いを背負って戦える選手だと思います」(土屋氏)
「昨年はドリブルだけでは止められてしまったということで、今年はFWとの関係性も作るようにしていると話していました。ドリブルだけでない次の手も持っているから、相手は動きが読めなくて止められない。強気なメンタルも魅力です」(森田氏)

静岡学園のMF高田優 photo by Morita Masayoshi
高田優
たかだ・ゆう(MF/3年/静岡学園・静岡県/179cm、67kg)
「ケガ人が多かった今年の静岡学園の後ろを支えたのがGKの中村圭佑選手なら、前を支えたのは彼。『歴代の10番はすごいプレイヤーが多いけど、プレースタイルは違うので自分らしい10番になりたい』と話していましたが、古川陽介(ジュビロ磐田)のようなひとりで仕掛けるタイプではなく、パスとドリブルを判断よく使い分けて崩すタイプですね。エースの神田奏真選手が不在の試合では1トップを起用にこなし、頭の良さを感じました」(森田氏)
「アルゼンチン代表のアンヘル・ディ・マリアを参考にしていると話していた理由がしっくりきました。同じ左利きの何でもできる選手で、似ていますね。徳島ヴォルティスへ入団が内定していますが、徳島が好きそうな選手で、OBの渡井理己(徳島→現ボアヴィスタ)とか、玄理吾選手との共通点を感じます。華がある」(土屋氏)

明秀日立のMF大原大和 photo by Tsuchiya Masashi
大原大和
おおはら・やまと(MF/3年/明秀日立・茨城県/169cm、62kg)
「インターハイで優勝した明秀日立の、いわゆる黒子的なボランチです。相方の吉田裕哉選手は攻撃に特徴のある選手でかなり目立つのですが、大原選手は"ここでボール取るのか"みたいなプレーがすごく多い。ザ・仕事人みたいな感じが好きです。パッと見て目立つ選手ではありませんが、80分通してゲームを見ていると、かなり効果的だとわかる選手だと思います」(土屋氏)

岡山学芸館のMF田口裕真 photo by Morita Masayoshi
田口裕真
たぐち・ゆうま(MF/3年/岡山学芸館・岡山県/171cm、64kg)
「昨年度の選手権で日本一に貢献した選手。サッカーセンスがあり、これまでは攻撃の部分が注目されましたが、今年はボランチに入る機会も多く、すごく守備が頑張れるようになりました。
また、選手権王者のキャプテンという重圧に苦しんだ1年で、勝てない時期はキャプテンをやめようと思っていたぐらいプレッシャーを感じていたみたいですが、重圧を乗り越えてたくましくなりました」(森田氏)

市立船橋のFW郡司璃来 photo by Tsuchiya Masashi
郡司璃来
ぐんじ・りく(FW/3年/市立船橋・千葉県/176cm、72kg)
「チームが苦しい時に点が取れるし、どうしても勝ちたい試合でも点が取れるスーパーエース。よくハットトリックしている印象があります。千葉県予選の決勝でもそうですし、川崎フロンターレU-18との試合では、後半から出てきてハットトリックを達成しました。
日本一などタイトルがかかった試合で活躍したいとは常々言っています。この3年間貯めに貯めた選手権への想いを爆発させてくれるんじゃないかと期待しています」(土屋氏)
「今年に入って、よりシュートがうまくなった印象があります。インターハイで話を聞いた際は、『1年生、2年生の時と比べたら、ゴール前で落ち着けてGKまで見えている』と口にしていました」(森田氏)

大津のFW碇明日麻 photo by Morita Masayoshi
碇明日麻
いかり・あすま(FW/3年/大津・熊本県/188cm、75kg)
「今年の得点力はすごい。プレミアリーグではMF登録なのに20点も取りました。プロ入りを明確な目標に掲げて得点意識が高まった結果、左右両足からのミドルシュートが増えました。今年はセットプレーでも点が取れている。山城朋大前監督が『競り合いがうまくなった』と話していましたが、大きい上に跳ぶタイミングが良くなり、わかっていても止められない感じです」(森田氏)
「FWで選んでいますが、昨年はセンターバックもやっていたマルチプレーヤー。今夏は入団内定している水戸ホーリーホックの練習に長期間参加していたのですが、本人は特別指定選手で真剣にゲームに出るつもりだったみたいです。でも、ベンチ入りもできなかったのが相当悔しくて、大津に戻ってから意識高くいろんなことに取り組んでいた。それが今のプレーの一つひとつに表われている気がします」(土屋氏)

神村学園のFW西丸道人 photo by Morita Masayoshi
西丸道人
にしまる・みんと(FW/3年/神村学園・鹿児島県/168cm、69kg)
「欲しいところで点が取れる選手。プレミアリーグの序盤戦は7試合連続ゴールを記録しました。夏以降は活躍しすぎたゆえに警戒され、ゴールから遠ざかりましたが、選手権の鹿児島県予選決勝もしっかり決勝ゴールを決めていたのを見ると、あらためて必要な場面で輝ける選手だと感じました」(土屋氏)
「リーグの前期は、吉永夢希選手、名和田我空選手がいたのでマークが分散されていたのですが、後期はそのふたりが代表活動で不在の試合も多く、相手の警戒を一手に背負わなければいけなかった。勝てない時期も長くて、キャプテンとしても苦しみながら成長した一年だったと思います。プレミア残留を決めた瞬間、膝から崩れるように喜んでいるのが印象的でした」(森田氏)

帝京長岡のFW堀颯汰 photo by Morita Masayoshi
堀颯汰
ほり・そうた(FW/3年/帝京長岡・新潟県/177cm、66kg)
「スピードに乗ったドリブルが売りで、2年生でプリンスリーグ北信越の得点王とMVP。今年のチームが立ち上がった頃にあらためて見ると、前向きでボールを持った時のキレが増している印象を受けました。それから半年後にまた見ると、背負うプレーもできるようになっていて、FWとしての幅が広がっています」(森田氏)
「1年生から期待されて、ずっと試合に出ていました。サイドハーフをやる機会が多かったのですが、昨年の途中からFWとして出ています。キャプテンというだけでなく、帝京長岡のエース番号である14番を背負ったなか、6度目の挑戦で今季プレミアリーグ昇格を勝ち取りました。チームとしてのバイオリズムがすごく良いなかで、選手権に挑めるのは大きいと思います」(土屋氏)

神戸弘陵のFW馬場悠平 photo by Morita Masayoshi
馬場悠平
ばば・ゆうへい(FW/3年/神戸弘陵・兵庫県/176cm、70kg)
「得点の嗅覚に優れたストライカー。元々は裏への抜け出しが得意な選手で、下級生の時からコンスタントに出場機会を掴んでいました。今年は身体の強さが加わって、ボールをおさめるプレーもできるようになった。利き足ではない左足でもシュートが打てるようになって、前線で格の違いを見せています」(森田氏)
<土屋雅史氏の注目選手>
MF:芝田玲(青森山田)、神田拓人(尚志)、安齋悠人(尚志)、大原大和(明秀日立)、土谷飛雅(昌平)
FW:郡司璃来 (市立船橋)、中村健太(堀越)、野村光希(北海)、碇明日麻(大津)、西丸道人(神村学園)
<森田将義氏の注目選手>
MF:碇明日麻(大津)、神田拓人(尚志)、高田優(静岡学園)、田口裕真(岡山学芸館)、昆野翔太(遠野)
FW:郡司璃来 (市立船橋)、堀颯汰(帝京長岡)、西丸道人(神村学園)、馬場悠平(神戸弘陵)、甲斐智也(長崎総科大附)