エディ氏は日本代表HC就任会見で、W期間中のオンライン面接を否定した(C)Getty Images 12月13日、日本ラグビー協会は日本代表の新ヘッドコーチ(HC)にエディ・ジョーンズ氏が就任すると発表した。契約期間は来年1月1日か…

エディ氏は日本代表HC就任会見で、W期間中のオンライン面接を否定した(C)Getty Images

 12月13日、日本ラグビー協会は日本代表の新ヘッドコーチ(HC)にエディ・ジョーンズ氏が就任すると発表した。契約期間は来年1月1日から2027年ワールドカップ(W杯)オーストラリア大会まで。ジョーンズ氏は再び、日本代表HCとしてW杯を目指すことになる。

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 2015年イングランドW杯で3勝を挙げるなど日本代表の強化を進めたジョーンズ氏は、その後、イングランド代表のHCに就き2019年W杯日本大会で準優勝に導いた。今年秋に行われたフランス大会は母国オーストラリア代表を率いたものの、同国史上初の1次リーグ敗退という結果に終わっている。

 日本ラグビー界にとっては、2015年W杯、南アフリカ代表撃破で歓喜に沸いた“ブライトンの奇跡”を演出した功労者の帰還。だが、今秋のW杯期間中より次期指揮官を巡る話題が広まり、当時からジョーンズ氏の名前が有力候補に挙げられ物議を醸していた。

 結果的に「元指揮官」の復帰で決着を迎えた今回の代表コーチ人事は、現在も日本国内において選考過程などに対しさまざまな意見が聞こえている。

 そして海外からも、ジョーンズ氏の今回の決断については、疑問を呈する声が向けられているようだ。

 オーストラリアメディア『FOXSportsAUS』では、ジョーンズ氏の日本代表HC就任について連日、特集記事を配信している。

 12月13日の就任を報じる記事の中では、オーストラリア代表HCとしてW杯を戦っている最中に、日本協会と接触した報道があったと振り返りながら、「強気な63歳の彼は、その仕事との関連を14回に分けて繰り返し否定した」と綴っている。

 さらに翌日14日には、各国元代表選手のコメントを掲載。その中では、元オーストラリア代表チーム主将のスティーブン・ムーア氏が、今年のW杯期間中での指揮官の去就を巡る報道について、「ワールドカップの間、基本的に毎日(ジョーンズの騒動のことが)書かれていた。選手たちがその情報を遮断するのは極めて難しいことだ」と述べたとして、“雑音”がチームの不振に影響していたと明かしている。

 また、ムーア氏は「最初から、W杯が終わったら辞めるんじゃないかと騒がれていた」などと、当初から不信感が募っていたと語っている。

 他にも、元ニュージーランド代表のソニー・ビル・ウィリアムズの語った言葉も紹介。今回の騒動についての以下の様に心境を吐露している。

「この一連の騒動について私が思うのは、彼は嘘をついたということだ。明らかに彼は選手たちに嘘をつき、国民に嘘をつき、オーストラリアラグビー協会に嘘をついた。恥ずべきことだ」

 ジョーンズ氏の一連の行動、決断に海外メディア、関係者は不満を隠そうとしていない。そして、日本協会の選考過程なども含め、「名将」の復帰は彼らにとって後味の悪いものとなったと言えるかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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