今週は阪神競馬場で阪神ジュベナイルF(芝1600m)が行われる。昨年はリバティアイランドが制し、牝馬三冠への足がかりとしたレース。チェルヴィニア、ボンドガールの回避で混戦ムードが漂うメンバー構成だが、来年のクラシック戦線を占ううえで重要な一…

今週は阪神競馬場で阪神ジュベナイルF(芝1600m)が行われる。昨年はリバティアイランドが制し、牝馬三冠への足がかりとしたレース。チェルヴィニア、ボンドガールの回避で混戦ムードが漂うメンバー構成だが、来年のクラシック戦線を占ううえで重要な一戦だ。

ここでは、過去10年データからサフィラとアスコリピチェーノにフォーカスした「87 or 0%」データを取り上げる。

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■サフィラは9年連続馬券内馬輩出データに合致

前走アルテミスSは2着。きっちりと賞金を加算して大舞台に臨むのがサフィラだ。活躍馬がズラリと並ぶ血筋背景に加えて、阪神芝外回りの勝利実績を持つ唯一の馬。上位人気が予想されるここでの強調材料とは?

・東京芝1600m重賞での連対歴あり→9年連続馬券内

東京マイルと阪神マイルは関連性が強く、前走アルテミスS連対馬やサウジアラビアRC連対馬による馬券内が多数。ボンドガール回避によって該当馬はサフィラ1頭となり、ローテーション面のアドバンテージは計り知れない。

同馬の兄サリオスは当舞台の朝日杯FS勝ち馬。この中間はウッドで6F77秒9の猛時計をマークと状態面は申し分なく、チェルヴィニア、ボンドガールといったライバルホースが回避となったことで巡ってきたチャンスを逃すわけにはいかないだろう。補足すると、2023年の松山弘平×シルクレーシング×ノーザンF生産馬の成績は【5.1.1.1】馬券内87%。良血馬のポテンシャルが暮れの冬の阪神で花開くシーンは想定したい。

■アスコリピチェーノの壁は【0.1.0.6】勝利馬ゼロデータ

その一方で、不安要素ありと言わざるを得ないのがアスコリピチェーノだ。デビューからいまだ無敗と底を見せていない素質馬。前走新潟2歳SのパフォーマンスからGIでの好走に期待がかかる1頭だが、今回はローテーションが足かせとなる可能性が浮上してしまう。

・前走新潟組【0.1.0.6】

唯一の馬券内はのちの桜花賞馬・ハープスター。同馬のクラシック戦線での活躍ぶりを見ると取りこぼしに近いレースだったとはいえ、勝ち切れなかったのは紛れもない事実だ。前走新潟組はそれだけでマイナスとなってしまう。

過去データでの連対歴はあるので“消し”の選択は容易ではない。とはいえ未経験の右回り、関西圏とクリアすべき課題は多く、他の人気馬との比較で死角が浮上する点については致し方ないだろう。大きな壁をクリアして連勝を伸ばすことがあれば、来年の桜花賞馬への当確ランプが灯ってもおかしくなさそうだ。

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著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家 競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。