【部活生の強さひきだすプロジェクト RiseUP】Supported by 明治プロビオヨーグルトR-1 は、憧れのアスリートや元トップアスリートが全国の部活動クラブを訪ね、技術指導や金言によって選手のポテンシャルを伸ばそうという応援事業だ…

【部活生の強さひきだすプロジェクト RiseUP】Supported by 明治プロビオヨーグルトR-1 は、憧れのアスリートや元トップアスリートが全国の部活動クラブを訪ね、技術指導や金言によって選手のポテンシャルを伸ばそうという応援事業だ。

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https://sportsbull.jp/p/1696003/

▼「RiseUP」特設ページ
https://sportsbull.jp/riseup/

4回目の今回は4大会連続で五輪に出場し、計4つのメダルを獲得した卓球男子の水谷隼さん(HLBスポーツ)を特別講師に招き、静岡県浜松市の浜松修学舎中学・高校の男女卓球部を訪問し、特別レッスンを開催した。水谷さんはリオデジャネイロ五輪で日本人初のシングルス銅メダルを獲得。東京五輪では伊藤美誠選手と組んだ新種目の混合ダブルスで金メダルに輝く世界的な名選手だった。また、株式会社明治の管理栄養士、田中麻依子さんによる恒例の栄養講習会も合わせて行われた。

卓球部の今福護総監督は、水谷さんを小学2年から中学2年まで指導。伊藤選手も小学生の時に手ほどきを受けた。お二人とも静岡県磐田市の出身。浜松修学舎の高校女子は昨夏のインターハイ団体でベスト8に進み、中学男子も昨夏の全国中学校大会団体3位に入る強豪で、全国各地から才能豊かな人材が入部してくる。

午後2時から練習を開始。20分ウォーミングアップを行った後、14の卓球台で乱打を実施。水谷さんはこの様子をモニターで観察していた。顧問の先生が「今日はテクニカルコーチを呼んでいる」と伝えた瞬間、水谷さんが登場。一同、驚きと興奮に包まれ、「キャー」と女子選手が興奮すれば、男子選手は「まじかよ、やばい」と絶叫するほどのサプライズだった。

「水谷です。短い時間ですが、よろしく」

世界の名手によるレッスンがスタートした。最初の相手になったのが、今年6月のインターハイ静岡県予選男子シングルスで優勝した中谷歩夢選手(3年)。水谷さんは打ち合いの最中、サーブやレシーブのやり方などを丁寧にアドバイス。プレーを中断しては「悪くないけど、こっちの方がいい」と声を掛け、ラケットを出す角度や最も安定したレシーブの手法などを伝授した。

数人との打ち合いが終わると、ワンポイントアドバイスに移行。水谷さんは持ち味だったレシーブについて懇切丁寧に説明する。「ロングサーブで点を取られると、初対戦の相手はそこを突いてくるが徐々に情報をつかんで慣れればいい」と伝えると、選手は納得顔でうなずいた。さらに「サーブの回転を見分けたら、ラケットを出す角度を調整すること。レシーブは絶対うまくならないと駄目。複数のレシーブを身に付けないと試合では不利になるので、日頃の練習から色々考えながらやることが重要なんです」と技と知恵を説いた。

水谷さんのサーブを受ける講座が始まると、歓声と笑い、拍手が卓球場に響き渡った。

「絶対取れないサーブを打つよ」と本気モードで打ち込むと「すげ~」と叫び、選手が打ち返しに成功すればより大きな歓声が上がった。これには水谷選手も思わず「うまい」。今度は笑いに包まれた。 女子選手には「長いサーブ対策の練習をするのが効率的」と助言した。

ゲームの中で水谷さんが、高校男子の1年生エース村田翔選手のサーブをリターンエース。一斉に「うお~」「すげ~」の声が上がったが、村田選手が巻き返しに出ると、今度はあっぱれの大きな拍手に変わった。

約1時間の“授業”を終え、世界と渡り合ってきた水谷さんがとっておきの金言を述べた。

「勝つために重要なことが3つある。1つは練習環境。ここは卓球台もたくさんあって素晴らしい環境だ。2つ目に、ともに上を目指すライバルの存在も大切。3つ目に指導者ですね。今福さんについていけば間違いありません。しかし、強くなるためには、誰よりも努力する意思がないと絶対に強くはなれない。五輪でメダルを取る選手って、命を懸けて意識を高く持って励んでいる人」

選手から質問があり、主将の山崎晃佳選手(2年)が「いいプレーで1本取った後、次のプレーにはどうやって入ればいいですか」と尋ねると、「スーパープレーでの点もミスで取った点も1本は1本。例えばミスでの1本なら相手は弱気になって、入れてくるサーブになる。相手の心理を考えてやるのがいい」と答えた。

山崎主将はチームを代表し、「今日はいい経験になりました。選抜大会やインターハイの両予選に向け、頑張っていきます」と謝辞を述べた。

レッスン終了後、株式会社明治の管理栄養士・田中麻依子さんによる特別栄養講習会が約1時間行われ、開会のあいさつで水谷さんは「高校1年で疲労骨折した原因が栄養不足だった。アスリートとして失格。ここから意識が変わり、その時に応じた栄養を摂取するようになりました」とバランスの良い栄養摂取を訴えた。

まず田中さんが「栄養講座を受講したことがある人?」と尋ねると、挙手したのは数人だった。田中さんは、ハードな練習により風邪をひきやすい競技者の食事の重要性について説明。体調管理のために大切な栄養として、ビタミンCとビタミンA、乳酸菌、たんぱく質を挙げ、「体調管理とカラダづくりのために必要な栄養をしっかり摂ってほしい。リカバリーには運動後なるべく早いタイミングで炭水化物(糖質)やたんぱく質を摂ることが大切です」と分かりやすい解説を続けると、選手らはメモを取りながら納得した様子だった。

10人以上の質問にテキパキと答えた田中さん。試合と試合の間の間食には何が適切ですか? の問いに「次の試合に向けてリカバリーとエネルギー補給が必要なので、炭水化物(糖質)が摂れるおにぎりやバナナ、エネルギーゼリーなどを摂るようにしましょう」と説明した。

高校女子チーム主将の倉橋凛選手(2年)は「運動した後にたんぱく質や炭水化物(糖質)を取るのがいいことを知らなかったので、すごくタメになりました。これからすぐに実践していきます」と笑顔で話していた。

4回目の実施となった『部活生の強さひきだすプロジェクト RiseUp』。一流選手になるためにはテクニカルな要素ばかりか、メンタルや栄養管理も欠かせないことが水谷、田中両氏から伝授された。成長期にある中学・高校生年代というのは、スポーツ選手にとってとても大切な時期と言われる。このプロジェクトが、日々の精進と努力を惜しまない現役の部活動生である浜松修学舎中学・高校卓球部の「強さ」をひきだす動機付け、きっかけとなったことは間違いない。

今回は初めて五輪メダリストが指導。次回はどんなアスリートが、どの学校を訪れるのか楽しみだ。