女子ゴルフの国内最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」(宮崎県・宮崎カントリークラブ/6497ヤード、パー72)が23日、開幕する。昨季はプレーオフの末、山下美夢有がメジャー2勝目を挙げ、年間女王獲得に花を添えた。今季は、…

女子ゴルフの国内最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」(宮崎県・宮崎カントリークラブ/6497ヤード、パー72)が23日、開幕する。

昨季はプレーオフの末、山下美夢有がメジャー2勝目を挙げ、年間女王獲得に花を添えた。今季は、その山下と、申ジエ(韓国)、岩井明愛の3人が年間女王をかけ、最終決戦に挑む。果たしてどの選手に勝利の女神がほほ笑むのか。

◆【最新】年間女王を争う山下美夢有、岩井明愛、申ジエの世界ランキングは……

■年間女王かけた優勝争いを期待

今大会は、条件を満たした40人のみが出場できるエリートフィールドの試合で、予選落ちはない。初日から最終日まで2サム1ウェイのペアリングと、メジャーかつツアー最終戦にふさわしいフォーマットとなっている。

カットラインが気にならないとはいえ、逆転で年間女王を狙う側からすれば、出遅れは絶対に許されない。そういう意味では、トップに立つ山下の方が精神的な余裕を持って戦うことができるだろう。

では、ここであらためて最新のメルセデス・ランキングを確認しておこう。

最新のメルセデス・ランキングとポイント差

トップの山下と申の差は57.13pt、山下と明愛の差は100.39ptである。だが、前述の通り今大会に予選カットはなく、途中棄権しない限り、山下は最低でも単独40位の10ptを得ることになる。これを踏まえると、申は67.13pt、明愛は110.39pt差をひっくり返さなければならず、そのためには最低でも申は単独13位以上、明愛は単独5位以上が必要になる。

ただ、山下が40位に終わるということは、まず考えられない。そこで、国内公式戦のポイント配分テーブルを参考に、申と明愛がどの程度の順位でフィニッシュすれば、逆転が現実味を帯びるのか考えてみた。

国内公式戦ポイント配分テーブル

岩井明愛と申ジエの逆転シナリオ

仮に山下がトップ10前後で着地すれば、申4位・山下12位、明愛3位・山下13位で逆転が成立する。しかし、山下がトップ5前後まで上げてくると、申3位・山下6位、明愛2位・山下5位となり、逆転のためのハードルが上がる。こう考えると、申はトップ3以内、明愛は優勝か2位を目指すべきだろう。それだけ山下が有利ということになる。

もう一つ、この3人の中から優勝者が出れば、間違いなくその選手が年間女王に輝くことを付け加えておきたい。年間女王をかけた3選手による優勝争いの可能性は十分ある。

さて、舞台となる名門「宮崎カントリークラブ」だが、天然の松林に、自然のアンジュレーションを巧みに取り入れたシーサイドコースとして知られる。選手たちが一様に指摘するのは、コースの狭さ、高麗グリーンとグリーン周りの難しさだ。

フェアウェイ(FW)をキープし、2打目をしっかり打ってパーオンさせたい。ただ、それがある程度できても、芝目の効いた高麗グリーンが待っている。まさに難コースといえる。このコースを攻略するには、パーオン率、平均パット数(パーオンホール)、FWキープ率の3つのスタッツが重要になるだろう。そこで、メルセデス・ランキング上位3選手の各スタッツについてまとめてみた。

メルセデス・ランキング上位3選手の今季スタッツ

今大会の歴代チャンピオンであり、FWキープ率の高い山下と申にとっては、比較的相性のいいコースといえよう。一方の明愛は飛距離のアドバンテージを生かし、ショートアイアンで精度の高い2打目を打ち、パーオン数を増やしてもらいたい。そして最後はパット勝負、高麗グリーンにいかに早くアジャストできるかが鍵を握りそうだ。

初日のペアリングだが、メルセデス・ランキング1位の山下は、2位の申と最終組で回る。1番から11時02分のティーオフ。そして3位の明愛は、最終組の1つ前で小祝さくらとラウンドする。10時54分、1番スタートとなる。

■有力選手のペアリング

なお、有力選手の主なペアリングは以下の通り。

1番スタート/9:42/竹田麗央、原英莉花 1番スタート/9:50/蛭田みな美、ささきしょうこ 1番スタート/9:58/神谷そら、ペ・ソンウ(韓国) 1番スタート/10:06/上田桃子、稲見萌寧 1番スタート/10:14/菊地絵理香、穴井詩 1番スタート/10:22/鈴木愛、青木瀬令奈 1番スタート/10:30/桑木志帆、川岸史果 1番スタート/10:38/菅沼菜々、吉田優利 1番スタート/10:46/岩井千怜、櫻井心那 1番スタート/10:54/小祝さくら、岩井明愛 1番スタート/11:02/申ジエ、山下美夢有

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文●河野道久