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11月4日放送の『卓球ジャパン!』はWTTチャンピオンズフランクフルト(2023年10月29日~11月5日/ドイツ)を生放送でDEEP解説。

女子シングルス準々決勝、早田ひな(日本生命)の激戦をMC武井壮&平野早矢香が振り返った。

世界のトップ選手、男女各32名が出場するWTTチャンピオンズ。早田は1回戦でドイツ選手を下すと、2回戦では張本美和(木下アカデミー)との日本人対決を制してベスト8入り。

準々決勝で対戦したのが、今大会で東京五輪女王の陳夢(中国)を破って勝ち上がったルーマニアのセーチだ。

ゲームカウント1-2と追い込まれた第4ゲームも劣勢に立たされた早田。

特に苦しんだのがセーチのサーブへの対応。しゃがみ込みながら出すサーブは回転量が多く、かつ低い軌道で非常に取りにくい。

「第3ゲームまではレシーブの時にチキータとかバックハンドで返す場面も多かったけど、第4ゲームに関してはフォアツッツキを中心に組み立てている」と平野。

なんとかツッツキで活路を開きたいが、うまくコントロールできずにいた。またラリー戦ではセーチの粘り強さと独特の球質にも苦戦。

「セーチ選手のフォアハンドは巻き込むように打つので少しクセ球。タイミングも独特で、溜めてグンってくる感じ。私も以前対戦したことがありますが曲がってくるでやりにくかった」(平野)

また以前よりもフォアハンドの安定性が高まっており、早田が攻める展開でも簡単には点を取らせてもらえない。

しかし、相手にリードを奪われる流れでも早田の表情は落ち着いていた。

ゲーム終盤は相手に払わせたボールをカウンターで狙う戦術を使い、5連続ポイントで逆転。第4ゲームを奪い返した。

そして迎えた最終ゲームも一進一退の展開。少しずつ相手のサーブに対応し始めた早田はストップレシーブでチャンスを作る。

しかしセーチも負けてはいない。7-7ではアグレッシブなバックレシーブで得点。「ここぞって時に勝負してくる選手なので、やっぱり怖いですね」と平野。五輪女王を破ったセーチの勝負強さもさすがだ。

ラリーに強いセーチに対して早田はミドルを突いて崩していく。

「初めにフォアとかフォアミドル突いてからバックに行ってる。あれが初めにバックだと返ってくるし、逆に振り回されてしまう」(平野)

終盤9-8で早田リードの場面、セーチがまさかのサーブミス。

1本ずつ取って、最後はセーチのバックフリックをフォアで攻めた早田がマッチポイントをものにして勝利をおさめた。

「ヨーロッパの独特なスイングだったり、独特な掴み方でやられて、決まったと思っても違うタイミングで飛んできたりして、自分の卓球を崩される展開が多かった」と早田は試合後にコメント。

「本当にもう我慢するしかなくて、でもう迷ってもしょうがないと思ったので自分がやるべきことは変わらずそこを貫いて、でもミスをしないようにコントロールしながらという究極な試合だった」と語った。

近年、メンタル面、戦術面の成長が著しい早田。この試合もギリギリのところまで追い詰められながらも、終始冷静にプレーをして強敵を退けた。

「やっぱりメンタルで全く崩れないですよね。それがこういう逆転勝ちにつながってくる」(平野)

「うまくポイントを取れてない時もイライラするようなことが全くないですもんね」(武井)と両MCも大絶賛の早田の戦いぶりだった。

パリ五輪選考ポイントランクでもトップを独走。悲願の大舞台に向けて、日本のエースは着々と進化をとげいている。

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