全日本学生選手権(インカレ)は準々決勝。2018年以来の準々決勝進出となった早大は、ベスト4の座をかけて東海大と対戦し…
全日本学生選手権(インカレ)は準々決勝。2018年以来の準々決勝進出となった早大は、ベスト4の座をかけて東海大と対戦した。5年前にベスト4進出を阻まれた相手にリベンジを果たしたい早大だったが、前半から高さとスピードを活かした東海大の攻撃に押し込まれる時間が続いてしまう。早大もフローター陣が積極的にシュートを放つも、なかなか決め切れず点差が拡大。8ー15と7点のリードを許して前半を終えた。後半は出だしこそ互角の戦いを見せるも、中盤以降は連続失点を繰り返してしまう。終盤にかけては早大も連続得点をあげて意地を見せるも、最後まで相手の背中は遠く21ー32で敗戦。5年越しのリベンジとはならず、インカレはベスト8で敗退することとなった。

ジャンプシュートを放つ村上 抜群のキャプテンシーと群を抜いたハンドボールセンスで、精神面・プレー面共にチームを率いた
前日の函館大学から、再び大会初日の試合会場である函館アリーナに会場を戻して行われたこの試合。両校の男子チームも応援に参加するなど、応援スタンドも盛り上がりを見せる中、先制点をあげたのは東海大だった。東海大の速いパス回しに早大は対応できず、サイドシュートを決められてしまう。すぐに取り返したい早大だったが、相手キーパーのファインセーブなどもあり、なかなか得点をあげられない。前半5分過ぎ、早大にとって待望のファーストゴールが生まれる。 井橋萌奈(スポ1=東京・白梅学園)がサイドシュートを決め切りまずは1点を返す。その後再び得点を奪えない時間が続いたものの、山本桃虹(スポ3=東京・佼成学園女)のミドルシュートが決まり2点目をあげると、浦野詩織(スポ4=愛知・旭丘)も続いて連続得点をあげる。さらにキーパー川村夏希(スポ4=東京・佼成学園女)が相手シュートをファインセーブで防ぐと、そのまま井橋へと速攻をつないで得点をあげるなど徐々に早大が攻撃のリズムをつかみ始める。その後も村上楓(スポ4=福岡・明光学園)や鶴田文乃(スポ3=山梨・日川)もロングシュートを決めて、早大も得点を積み重ねていった。しかし前半終わりにかけては、そこまで好調だったフローター陣のシュートが入りきらない時間が続き、逆に東海大のパワーとスピードのある攻撃に押し込まれてしまい点差が拡大していってしまう。前半中盤までは、相手にリードを許しながらも3点差前後で踏みとどまっていた早大だったが、最終的には8-15と7点差まで点差を広げられて前半を折り返すこととなった。

ガッツポーズをする浦野 早大のエースは、インカレでもその得点力を爆発させ、攻守共に安定したプレーを見せた
後半開始早々、早大は浦野がロングシュートを決め、逆転勝利に向けてまずは1点を返すことに成功する。その後相手に連続得点を許すも、青木里奈(スポ4=東京・白梅学園)がサイドシュートを決めて早大も追いすがる。その後も東海大のオフェンス陣に押し込まれながらも、浦野のロングシュート、さらには山本が華麗なステップから相手をかわして得点を奪うなど早大も粘りを見せる。しかしディフェンスにおいて東海大のスピードについていけない場面が続き失点を重ねてしまい、徐々に点差は広がってしまう。それでも試合終盤、早大セブンが意地を見せる。村上が相手ディフェンスを押し込んで獲得した7メートルスローを浦野が落ち着いて決めると、里村采音(商1=岩手・不来方)がサイドシュートを決めて連続で得点をあげる。さらには浦野がこの日7得点目となるロングシュート、杉浦亜優(スポ2=愛知・名経大市邨)もポストシュートを決めるなど攻撃陣が躍動。約3分間で5得点をあげることに成功した。しかし反撃があまりにも遅すぎた。一度開いてしまった東海大との点差は最後まで詰めきれず、無情にも早大の敗北を告げるホイッスルが会場に鳴り響いた。21ー32で敗戦。ベスト4への扉を開けることは叶わず、早大のインカレの戦いはベスト8という結果で幕を閉じることとなった。

ゴールを守る川村 試合中は後ろからチームを鼓舞し続け、チームの精神的支柱となった この1年間、大事な局面での川村のスーパーセーブで何度も何度もチームを救ってきた
結果だけ見れば11点差という大差をつけられての敗戦となった早大。しかし村上が「最後まで諦めずにみんながシュートを狙ったり、粘って粘って最後まで食らいついていって、早稲田らしい試合ができたんじゃないかと思う」と語るように、苦しい時間が多かったながらも、試合終盤での連続得点など早稲田の粘りを見せた試合でもあった。この試合をもって4年生は全ての公式戦を終えることとなる。関東学生春季リーグ(春季リーグ)で創部史上2度目の上位リーグ入り、そして5年ぶりのインカレベスト8と卒業シーズンで入学以来最高のシーズンをおくった4年生。その最終試合を終えて、村上は「悔しい気持ちはありますが、4年間やり切った」と語った。来月に行われる早慶戦を終えれば次の代へとバトンタッチとなる。次の代に向けて村上は、「来年のインカレでは自分たちの記録を超えてベスト4に行って、メダルを取るという目標を達成してほしいと思う」と期待を口にした。早大の2023年のインカレはこの一戦で終わりを迎えることとなった。けれどここからまた新しい早大セブンの物語が始まる。一年後再びこの舞台に舞い戻り、次はどんな結果を残してくれるのか。この先も早大セブンの活躍から目が離せない。

右サイドシュートを放つ青木 この1年、青木の好守から早大の速攻は生まれた 安定したサイドシュートだけでなく、その温和な人柄でチームの雰囲気を明るくした
(記事 出口啓貴 写真 渡辺詩乃、丸山勝央 取材 大村谷芳)

早大のシュートに立ち上がって喜ぶ阿部史歩トレーナー(スポ4=岩手・不来方) トレーナーとしての仕事以外にも、チームを献身的に支えてきた

試合後には笑顔があふれた4年生5人の集合写真 後輩たちは4年生と公式戦をもう戦えないことに「頭が痛くなるぐらいみんな泣いていた」(山野)という。後輩たちから慕われた4年生の思いは、次世代に託された
| 全日本選手権 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 早大 | 21 | 8-15 13-17 | 32 | 東海大 |
| スタメン | ||||
| GK 川村夏希(スポ4=東京・佼成学園女) LW 井橋萌奈(スポ1=東京・白梅学園) LB 浦野詩織(スポ4=愛知・旭丘) PV 杉浦亜優(スポ2=愛知・名経大市邨) CB 村上楓(スポ4=福岡・明光学園) RB 山本桃虹(スポ3=東京・佼成学園女) RW 青木里奈(スポ4=東京・白梅学園) | ||||
| 途中出場 | ||||
| 鶴田文乃(スポ3=山梨・日川) 山田梨央(スポ2=千葉・昭和学院) 山野紗由(スポ2=北海道・釧路江南) 石坂美紀(スポ1=千葉・昭和学院) 里村采音(商1=岩手・不来方) | ||||
コメント
村上楓主将(スポ4=福岡・明光学園)
――今の率直な心境は
悔しい気持ちはありますが、4年間やり切ったので、後悔はあるんですけど、やり切ったのでいいかなという感じです。
――これまでのインカレを振り返って
1、2年生の時はベスト8の壁があって、2回戦以上に行けたことがなかったので今年その壁を越えてベスト8まで来られたのはすごくうれしかったです。自分が入学してから、1、2年生の時は正直ここまでやれると思ってなかったので、後輩にはすごく感謝してるしスタッフにもすごくありがたかったなと思います。
――今日の試合を振り返って
今日の試合だけ見ると、自分たちの力を全部出せたわけではなかったので、そこは悔しいのですが、相手もすごい強いチームだったと思うし、自分自身全部出せたわけではなくてすごい苦しかったです。ですが、最後まで諦めずにみんながシュートを狙ったり、粘って粘って最後まで食らいついていって、早稲田らしい試合ができたんじゃないかと思います。
――試合中、村上選手からチームに話していたことは
リーグの時とかもずっとそうだったんですけど、「やることは本当に変わらないから、うまくいかなくても、とにかくディフェンスをしっかり固めよう、最後まで諦めずにやろう」と、みんなに話しました。
――試合後、村上選手からチームに話したことは
自分が入学した時からしたら、今年、春リーグで4位になったり、強い上位のチームに勝ったりすることは想像できないことだったので、後輩たちのおかげで、ベスト8といういい成績残すことができたので、もうほんとにみんなのおかげだから、ありがとうっていうことを話しました。
――最後に来年もインカレを戦う後輩たちにメッセージをお願いします
ほんとに素直でいい子たちで、自分たち4年生のわがままについてきてくれた部分があったんですけど、ほんとに力を持っててよくできる子たちだと思うので、来年以降はリーグでも上位に常にいるような強いチームになってほしいと思うし、来年のインカレでは自分たちの記録を超えてベスト4に行って、メダルを取るという目標を達成してほしいなと思います。
川村夏希副将(スポ4=・東京・佼成学園女)
――率直な感想をお願いします
ベスト4でメダル獲得というのをチームの目標にしていたので、ベスト8で終わってしまって悔しいというのが1番の感想です。
――ディフェンス面で対策してきたことは何かありますか
横の動きが大きく、スピードに乗ったプレーをしてくると思っていたので、ポストを頑張って、ポストを消してミドル勝負にしようということは秋リーグに引き続き考えていました。
――実際に考えていたことは、試合で発揮できましたか
そこを頑張って守った後に、視野外にシュートを決められてしまったり、ミドルシュートをうまく止められなかったりしたことが、なかなかディフェンスが機能しない原因になってしまったのかなと思います。
――試合後には、監督やコーチからどのような話をされましたか。また、川村選手からはどのような話をしましたか
その試合の内容の振り返りというよりは、これで引退なのでこのチームはここで終わるようなチームではなかったということをスタッフ陣から言っていただきました。私もメダル獲得まではいきたかったということを話しました。
―― 今日の試合は、自分たちの実力をどれぐらい出すことができましたか
うまくいかない時に、どのように持ちこたえるかというと、やはりディフェンスを頑張って持ち堪えようとしていましたが、それがうまくいきませんでした。オフェンスでもずっとうまくいかない、どこかで変えるプレーができたら良かったのですが、そういうわけにもなかなかいかなかったので、全てを出し切れたかと言ったら、そういう試合ではなかったのかなと思います。
―― 来年もインカレを戦う選手たちにメッセージをお願いします。
私たちは、ベスト8という結果で終わってしまったので、後輩たちは私たちを超えて、ベスト4、メダルまで頑張ってやってほしいですし、やってくれると思って応援します。
山野紗由(スポ2=北海道・釧路江南)
――今の率直な気持ちは
4年生と明日もやるつもりでいたので、このチームが、公式戦が終わってしまったことが悲しくて、もう頭痛くなるぐらいみんな泣いていたので悲しいです。4年生のチームで、去年とはまた違ったチームになっていて、きつい練習もどんどん新しくやっていったし、4年生はとにかくかっこよかったですし、みんな大好きだったんで、チームが終わってしまうのをまだ受け入れられないです。
――今日の試合を振り返って
全体的にも個人的にもどちらにも言えるのですが、自分たちの力が出し切れなかったです。インカレは「力が出し切れない試合だよ。」と言われていたのですが、いざ試合になって自分たちの今までやれていたことができない場面が多かったので、非常に悔しくて、自分自身も、やるべきところでしっかりできなくて、自分の長所であるミドルシュートも全然生かせなかったので、来年どうにかしてリベンジしたいです。
――3日間のインカレを振り返って
去年は1回戦で終わってしまって、自分も活躍する場面がなかったので、(今年のインカレで)自分がシュートを決めたときはとても楽しかったです。ですが、思い出しても今日の最後の試合しかもう頭になくて。 あと、明香里(後藤明香里、スポ2=東京学芸大付)や彩理(小原彩理、スポ2=東京・成蹊)、理沙(江頭理沙、スポ1=東京・ICU)がシュート決めたことはもうすごく嬉しくて覚えてるんですけど、 東海大戦の負けた悔しさが大きくて、良いところもたくさんあった3日間だったと思うんですけど、最後に残るのは悔しさなので、来年この気持ちを忘れないで、インカレでまたリベンジできるようにしたいと思います。
――これからのチームの意気込みをお願いします
新しいチームは、メンバーがガラッと変わるので、私たちも3年生に上がってプレーの面でも、プレー以外の面でもやらなければいけないことが増えると思います。これからチームとしてまとまっていかなければいけないので、今の4年生が素晴らしい経験をさせてくれたし、素晴らしいお手本になっていたので、今年学んだことを活かして、来年もっと強いチームを目指して頑張りたいと思います。