大学生日本一を決める全日本学生選手権(インカレ)が11月4日に北の大地・北海道函館市で開幕した。ここ2年は初戦で涙を流…
大学生日本一を決める全日本学生選手権(インカレ)が11月4日に北の大地・北海道函館市で開幕した。ここ2年は初戦で涙を流してきた早大。2019年以来の初戦突破を目指して、その2019年に一回戦で勝利した愛知県の中京大と対戦した。試合序盤こそ点の取り合いとなったものの、前半5分過ぎから早大が連続得点を挙げてリードを奪う。その後一時は点差を詰められたものの、前半終わりごろに再び連続得点を挙げて突き放し、17ー12と5点差で前半を折り返す。後半は立ち上がりから連続得点を奪うなど、一時は9点差までリードを広げる。しかしその後はオフェンスでミスを重ね、さらには退場者も出してしまったこともあり、相手に8連続得点を奪われて一気に1点まで詰め寄られてしまう。その後同点となるもすぐに取り返し、早大が僅かながらもリードを奪いながら試合は進んでいく。しかし相手キーパーの好セーブなどもあり後半28分には再び同点に追いつかれる。それでも狩野直樹副将(スポ4=埼玉・浦和学院)が値千金の勝ち越しゴールをあげて再びリードを奪う。最後の相手の攻撃をしのぎ切った早大が29ー28で勝利。見事4年ぶりの二回戦進出を果たした。
中京大のスローオフで始まったこの試合、先制点をあげたのは早大だった。白築琢磨(文構3=東京・早実)がミドルシュートを突き刺した。さらに田井健志主将(スポ4=香川中央)も続いて開始早々連続得点をあげる。その後は中京大に連続得点を許して同点に追いつかれるも、早大が3連続で速攻から得点を奪うなどして8ー3までリードを広げる。その後は相手サイドに連続シュートを決められるものの、早大も白築、狩野を中心にミドルシュートやポストの守屋雄司(スポ2=神奈川・法政二)を活かした攻撃で得点をあげて、早大リードの展開で試合は展開していった。前半中盤はシュートが決まらず得点が伸び悩むも、連携のとれたディフェンスからのパスカットや、キーパー塚本智宇(スポ4=富山・高岡向陵)の好セーブなどもあり相手の得点を防ぎ、両チーム得点を伸ばせない時間が続いた。それでも前半のラスト5分は狩野が連続でミドルシュートを決めると、最後は外種子田峻汰(スポ2=鹿児島・国分)から白築へのスカイプレーが決まるなど3連続得点をあげて中京大を引き離し、17ー12の5点リードで前半を終えた。

シュートに備える塚本
4年ぶりのインカレ勝利に向けて突き進みたい後半。西村悠吾(人2=千葉・市川)のパスカットから白築、そして最後は再び西村という早大らしい華麗な速攻から後半最初の1点を奪うと、白築から外種子田への速攻が決まり、一気にリードを広げる。さらに田井が獲得したペナルティースローを白築が落ち着いて決めると、守屋が自慢のフィジカルで連続でペナルティースローを獲得する。これも白築がしっかりと決めて早大のリードはこの試合最大の9点まで広がった。このまま勝利へと突き進みたい早大だったが、相手は今秋の東海学生ハンドボールリーグで2位、⻄⽇本学⽣ハンドボール選⼿権⼤会(西日本インカレ)でもベスト4の成績を残している強豪、簡単には勝たせてくれない。相手の3連続速攻に加えて、西村が退場してしまい数的不利に陥ったこともあり、怒涛の5連続得点を中京大に奪われてしまう。点差は一気に4点差まで詰められてしまった。さらにその後は早大がオフェンスでミスを連発。スカイプレーでのミスや、ミドルシュートを決めきれないなど得点を奪えない。すると今度は3連続で失点を重ねてしまい、点差はあっという間に1点差になってしまう。その後開催地の北海道出身の奥崇大(スポ4=北海道・札幌月寒)が速攻から得点を奪って早大が久しぶりの得点をあげるも、直後に連続失点。ついに同点に追いつかれてしまう。
シュートを狙う狩野
しかしここで踏ん張ったのがこの日の早大だった。狩野が技ありのフェイントからゴールを奪うと、直後にシュートを決められて同点となるも、再び狩野がミドルシュートを決めてリードを奪う。さらには白築がブラインドシュートを決めてリードを2点に広げる。その後は早大も得点を積み重ねるも、4年前の雪辱を誓う中京大も粘りを見せて、早大がシュートを決めては決め返すという展開で試合は1点差と2点差を繰り返した。後半23分早大は守屋が退場となってしまい、1点を争う展開の中で痛い数的不利となってしまう。しかしここはチーム一体となったディフェンスやキーパー塚本の好セーブなどもあり相手に得点を与えない。しかし相手キーパーも躍動し、早大は2本のペナルティースローを止められたことなどもあって得点を奪えない。両者得点を奪えない時間が続いたものの、残り2分をきったところで中京大にカットインからシュートを決められ、スコアは再び同点となる。次の1点がどちらに入るかが注目されたこの場面。ゴールネットを揺らしたのは早大の4年生エースだった。狩野がカットインから左手でボールを受けとり、キーパーと1対1の勝負をつくると、「キーパーが早く動いたの見えた」という冷静な判断から利き手ではない左手でそのままシュートをキーパの逆に決め切った。直後の中京大の攻撃をしのぎ切ると、最後の早大オフェンス時は中京大がマンツーマンディフェンスを仕掛けてくるも、冷静なパス回しでこれを切り抜けた。狩野のシュートは外れたものの、相手キーパーがボールを拾った瞬間に運命のホイッスルが鳴り響き試合終了。29ー28と最後まで気の抜けない激闘となったこの試合の勝者は早大だった。試合終了の直後にはエンジの歓喜の輪が広がっていた。

歓喜に沸く早大
激闘というにふさわしい一戦だった。特に終盤にかけては1点を争う激しい展開となった。それでも持ち味の堅守を要所要所で繰り出した早大が最後は勝利をあげることとなった。振り返れば、先制点から早大は1度のリードも奪われずの勝利であり、「本当に今までの集大成というか、僕たちが練習していること全てを出すことができてとてもいいものになったと思う」と田井が振り返った試合の出だしの大切さが出た試合でもあった。また「素直にうれしい」と狩野が、「僕が大学入学して初めてのインカレでの勝利なんで、とてもうれしく思う」と田井が振り返るように、現チームメンバーにとっては初めてのインカレでの勝利となり、選手たちのうれしさもひとしおだ。この一戦の勝利はチームに勢いをもたらすことは間違いない。勢いそのままに関西大学との二回戦へと挑む。こちらも一回戦で東海大との延長に及ぶ激闘を制して勢いに乗っており、難しい試合になることが予測される。しかしこの試合で見せた粘り強さと勝負強さを見せれば必ずや勝利はついてくるはずだ。早大セブンの快進撃がここから始まることを期待したい。
(記事 出口啓貴、丸山勝央 写真 澤崎円佳、出口啓貴)
| 全日本学生選手権 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 早大 | 29 | 17―12 12―16 | 28 | 中京大 |
| GK 塚本智宇(スポ4=富山・高岡向陵) CP 外種子田峻汰(スポ2=鹿児島・国分) CP 田井健志(スポ4=香川中央) CP 小柴創(スポ1=千葉・昭和学院) CP 狩野直樹(スポ4=埼玉・浦和学院) CP 奥崇大(スポ4=北海道・札幌月寒) CP 白築琢磨(文構3=東京・早実) | ||||
コメント
田井健志主将(スポ4=香川中央)
――初戦突破した今のお気持ちを聞かせてください
リーグとは違ってインカレという一発勝負の中で勝つことができたのは、僕が大学入学して初めてのインカレでの勝利なんで、とてもうれしく思います。
――立ち上がりを振り返っていかがですか
立ち上がりは、本当に今までの集大成というか、僕たちが練習していること全てを出すことができてとてもいいものになったと思います。
――田井選手は特にバックチェックやルーズボールを意識していた印象ですが、個人のプレーを振り返っていかがですか
個人のプレーに関しては、みんなに言っているんですけど、「泥臭くいこう」っていうことを意識していて、今までの早稲田のモチベーションビデオとか見ていると、キャプテンってすごいエースで、シュートを次々と決めていてかっこいいっていうキャプテンが多いんですけど、僕はそういう選手じゃないし、今からそういうとこやろうと思っても無理なので、できることを必死にやろうと。中京大学さんは速攻が早くて、押してくるチームっていうことをミーティングでも話していたので、キャプテンである僕が1番走って、ディフェンスを誰よりも頑張ろうという思いで試合に臨みました。
――相手の早いリスタートや速攻で後半は苦しい場面が続きましたが、チーム内ではどのような話をしていましたか
後半の苦しい時間帯に関しては、試合前とかタイムアウトの時にも言ったんですけど、僕たちは秋の順大戦もこういった大差をつけた相手に逆転されたという苦い経験をしていて、そのことをあえて話しました。「俺たちこういうこともあったよね、でもそっから2か月成長した。その成長の成果を見せよう」っていう風に話して、ほんとに苦しい時間帯が長くて、決め切りたいとこでのシュートが入らなくて大変だったんですけど、なんとか助かりました(笑)。
――最後の中京大のタイムアウト後のディフェンスを振り返っていかがですか
色々策があったり、何かしてくるかなとは思いましたが、僕たちは変わることなく残り1秒まで足を動かし続ける、自分たちのディフェンスをすることだけを意識していました。
――次戦への意気込みをお願いします
まだ試合見てないんでどこかわかんないですけど、東海大学にしても関西大学にしても、どちらも練習試合やリーグ戦でやっていて、どちらも強い相手で一筋縄ではいかないと思うんですけど、この勝った勢いのまま明日も勝てるように頑張りたいと思います。
狩野直樹副将(スポ4=埼玉・浦和学院)
――初戦突破した今のお気持ちを聞かせてください
素直にうれしいですね(笑)。
――立ち上がりを振り返っていかがですか
立ち上がりはチームとしてはディフェンスでやりたいことができて、そこから速攻っていうかたちで非常にいい入りができたのかなと思います。でも個人的にはディフェンスの位置が近かったりだとか、初戦の難しさで(波に)乗り切れなかったりというところがあって。それでもチームみんなが頑張ってくれて、前半有利な展開で試合を運ぶことができたのかなと思います。
――相手はリスタートや速攻が早かったですが、相手のオフェンスはいかがでしたか
僕らもその情報があったんで、そこには注意していました。僕たちもディフェンス から速攻というチームカラーとしては似ていて、僕らが走っていたので相手のリスタートで走る回数は少なくなっていたのかなと思います。
――後半苦しい場面が続きましたが、振り返っていかがですか
そこが僕らの課題なのかなと思うんですけど、点差ついている時とかに粘って一個ずつというのが。秋の順大戦とかも大差つけていたのに逆転負けっていう悔しい負け方をしていたので、それが少しよぎったんですけど、勝ち切ることができてよかったと思います。
――最後シュートを逆利きの左で決めましたが振り返っていかがですか
キーパーがめっちゃ早く動いたの見えたんで、今なら左で打っても入るかなと思って、そのまま投げちゃいました(笑)。
――最後のタイムアウト後のオフェンスを振り返っていかがですか
中京大がマンツーマンしてきた時に、僕らは先週の練習試合で筑波大にマンツーマンディフェンスでやられて、同点にされて負けているんで、その二の舞いにならないように。そこでいい経験できたんで、ボール回しも円滑にできたと思います。
――次戦への意気込みをお願いします
今延長戦で関大が勝ちましたが、どこが相手っていうよりかは自分たちがやってきたことをどれだけ出せるかだと思います。相手に関わらず、自分たちのハンドボールを集中してできるように頑張ります。
塚本智宇(スポ4=富山・高岡向陵)
――初戦を突破した今の気持ちを聞かせてください
他の選手も言っていると思いますが、僕たち4年生は1年生の時はインカレがなくて、2、3年生の時は初戦敗退してしまって。勝って自分たちもうれしいですし、後輩たちにインカレで勝つ経験を与えられて本当にうれしいです。
――相手のサイドシュートに苦戦していた印象ですが、いかがでしたか
すごかったですね。桃山学院に知り合いの方がいたのですが、無事にやられてしまいましたがそこで航平くん(渡辺航平、人3=神奈川・桐光学園)が頑張ってくれたので、キーパー2人の力でなんとか止めることができました。
――後半は苦しい場面で活躍していましたが、自身のプレーを振り返っていかがですか
個人としては、キーパーコーチの奈音(永田、平30スポ卒=小林秀峰)さんに「思いっきり動け」と言われていて、もし僕がだめでも後輩がいると思っていたので、思いっきり動くことができました。
―― 次戦への意気込みをお願いします
1回勝ったからには、いけるところまでいきたいと思っているので日本一目指して頑張ります。