10月7日放送の「卓球ジャパン!」は、16歳のニューヒーロー松島輝空スペシャル。東京五輪混合ダブルス金メダルの水谷隼をゲストに迎え、天才少年の強さの秘密をDEEPに掘り下げた。
松島は小学生時代から圧倒的な強さで将来を嘱望されてきた逸材。小学生のカテゴリー別大会である全農杯の6連覇は、あの張本智和以来の大記録だ。
実は松島は水谷と木下マイスター東京でチームメイトでもあった。普段の松島はどういう少年なのだろう。
「結構素直なんですよ。僕は監督代行として松島選手にもアドバイスしたんですけど、試合中言ったことを必ずやるんです」(水谷)
試合中に見せる堂々とした態度からは想像がつかない意外な一面だ。
その松島が今年8月のWTTコンテンダー リオデジャネイロで準優勝し、世界にその名を轟かせた。そこで勝った相手が凄い。1回戦でフレイタス(ポルトガル)、2回戦でイ・サンス(韓国)という実力者、3回戦ではなんと東京五輪銅メダルのオフチャロフ(ドイツ)を破ったというから驚く。
「この面子に勝ち上がるのは凄いですよ、信じられないです」(MC平野早矢香)
「もう各国のエースをバンバンバンと倒してますから」(水谷)
そして準決勝のチョ・スンミン(韓国)戦。スタジオでその松島のプレーを見た水谷は「チキータがめちゃくちゃ上手くなった」と舌を巻いた。ミスも少なく、コースもミドルを突いたりフォアを攻めたりと多彩だ。
また、松島のサーブはボールをトスしてから打つタイミングが早いため、相手がチキータのために動いたり回転を判断するための時間がないという。
こうした技術を武器に松島はチョ・スンミンをフルゲームのジュースという大接戦で下して決勝進出を決めた。
決勝の相手はファルク(スウェーデン)。2019年世界選手権男子シングルス銀メダル、2021年世界選手権男子ダブルス金メダル、年齢は松島のほぼ2倍、31歳のレジェンドだ。
決勝のプレーで水谷が着目したのが、松島がロングサーブを立て続けに出した場面。一般的にロングサーブは相手に攻撃されやすいため、不意を突くためにときどき出すものであり、連発はしないのが常識だ。
「松島選手は世界でも類を見ないくらいロングサービスを滅茶苦茶出すんです。2本連続で出したりとか平気でするんで初めて対戦した人は面食らうと思います。こんなにロングサービス出してくるなんて(笑)、おいおいおいおいと思っちゃいます」(水谷)
しかしそれが逆に効果的だと水谷。
「え?こんな場面でチャンスボールくれるの?って。でもやっぱり待ってないんで、この場面でロングサービスなんて。それが松島選手のいいところだと思いますね」(水谷)
「裏の裏ね」(MC武井壮)
「裏の裏(笑)」(平野)
そうした意外性も武器に、松島はバックハンドで先手を取り、フォアハンドで果敢に攻めたが、惜しくも2-4で敗れて銀メダルを獲得した。
武井に松島の課題を聞かれた水谷は、サーブとレシーブの種類が少ないことを挙げた。
松島のサーブは順回転がほとんどで、逆回転や縦回転、YGなど異なったサーブが少なく、レシーブもチキータ以外には厳しいレシーブがないという。
「1本でも違うことされたらそれが頭に残るんですよね。そういうちょっと嫌だなっていうのをたくさん頭に残すことによってガラっと試合展開を変えることができる」(水谷)
松島ほどの選手に対してこんな苦言ができるのは水谷ぐらいのものだろう。
大会後、松島の世界ランクは134位から50位に急浮上。実は水谷も今の松島と同じ高校1年生のときに180位くらいから50位台になったため、ほぼ同じ成長曲線だという。
今後の成長にいよいよ期待が高まる。
「卓球ジャパン!」BSテレ東で毎週土曜夜10時30分放送