清水エスパルスとジュビロ磐田の静岡ダービーは、ホームの清水が、前半に乾貴士があげたゴールを守り切り、10の勝利を飾った…
清水エスパルスとジュビロ磐田の静岡ダービーは、ホームの清水が、前半に乾貴士があげたゴールを守り切り、1−0の勝利を飾った。これで2位と3位が再逆転。FC町田ゼルビアが首位を走る状況で、自動昇格に向けて清水が大きなアドバンテージを得たのは間違いない。
乾のゴールも含めて、清水は局面の攻防を含めて、トータルのクオリティで磐田を上回っていたが、こうした大一番で、前半41分の先制から1−0でリードする時間が長くなれば、終盤は守る時間が長くなる。後半の途中から清水は右サイドハーフの中山克弘を下げて5バックになり、守りながらカウンターを狙うという形に切り替えたこともあり、ボールポゼッション、シュート本数ともに、わずかながら磐田が上回ったが、試合終了までその集中が途切れることはなかった。
「もうみんな集中して守れてたんじゃないかなと思いますし、やっぱり、ああいう全員が体張る姿勢というのはチームが勝つために必要なんじゃないかなと思います。それができたから抑えられたのかなと」
そう振り返ったのはGK権田修一だ。カタールW杯で日本の躍進を支えた守護神も「いっぱいいっぱいじゃないですか」と終盤の心境を語る。こういう上位対決のダービーで、1点差を争う終盤になってくると、メンタル的なところも重要な勝負のファクターになってくることを改めて認識する試合になったようだ。
「逆にこのレベルで余裕を求める方が……本当に最後、魂とか。もしかしたら綺麗にサッカーすることとかシステム論とか大事かもしれないですけど、最後に体を張ること。1本投げ出すとか、そういうところが出るのは気持ちの部分なので」
■「これをスタンダードとして持ちながらやり続けたい」
これまでアジア最終予選など、代表レベルで何度も修羅場を経験してきた守護神から見ても、この日の清水の選手たちの気迫というものが伝わる。権田は「今日みんなが勝ちたいと思ってやったからこそ最後、誰かしらにボールが当たって、前にこぼれるシーンばっかりでした」と語った。
ダービーの勝利というのは”このぐらいでいいだろう”ではなくもう1歩、もう1歩でも足りないから、もう1歩半、二歩とみんながこだわった結果だと権田は言うが、前節の藤枝戦も含めて、この何試合かはそれが薄れていたことを権田も認める。
「今日の試合で、これがスタンダードだよという部分を作れたのはチームにとってプラスですし、ラスト4試合、これがスタンダードなので。間違いなくできると思います。これをスタンダードとして持ちながらやり続けたい」
確かに終盤戦で2位と3位の対戦というダービーには勝利できたが、その大一番を制したことの重大さを承知で言えば、残りの4試合、特に2週間後のいわきFC戦を相手に勝ち点3を落とし、逆に3位に浮上した東京ヴェルディや4位の磐田が勝利すれば、順位は追い抜かれるし、ダービーに勝ったことが、それ以上の意味をなさなくなってしまうのだ。
(取材・文/河治良幸)
(後編に続く)