岩隈久志投手の所属するマリナーズは、今季100試合終了時点で49勝51敗の成績でア・リーグ西地区2位につけている。同地区ではアストロズが独走態勢に入っているが、ワイルドカード枠で2001年以来となるプレーオフ進出争いを展開中だ。シーズンが佳…

岩隈久志投手の所属するマリナーズは、今季100試合終了時点で49勝51敗の成績でア・リーグ西地区2位につけている。同地区ではアストロズが独走態勢に入っているが、ワイルドカード枠で2001年以来となるプレーオフ進出争いを展開中だ。シーズンが佳境を迎える中、地元紙「シアトル・タイムズ」電子版では「マリナーズ史上で最も偉大な40選手」を特集。2001年から12年シーズン途中まで所属したマーリンズのイチロー外野手は、堂々の三傑に選出されている。

■イチローのデビュー年を絶賛「間違いなく2度と起こらないだろう」

 岩隈久志投手の所属するマリナーズは、今季100試合終了時点で49勝51敗の成績でア・リーグ西地区2位につけている。同地区ではアストロズが独走態勢に入っているが、ワイルドカード枠で2001年以来となるプレーオフ進出争いを展開中だ。シーズンが佳境を迎える中、地元紙「シアトル・タイムズ」電子版では「マリナーズ史上で最も偉大な40選手」を特集。2001年から12年シーズン途中まで所属したマーリンズのイチロー外野手は、堂々の三傑に選出されている。

 1977年創設のマリナーズは、今年40周年を迎えた。そこで、地元紙では40周年を記念して「球団史上に残る40人の名手」を格付け。そこでイチローは3位に入った。選出理由は明確だ。

「2001年にイチローが送ったようなデビューシーズンは、間違いなく2度と起こらないだろう。アレックス・ロドリゲスの移籍で問題続出と思われた状況の中で、彼がアクセルを踏んだのだ」

 それまでスター選手だったロドリゲスは、2000年オフにレンジャーズにFA移籍。同年、ロドリゲスは打率.316、41本塁打、132打点という凄まじい成績を残していただけに、その穴をいかに埋めるかが、チームが直面した大きな課題だった。だが、その命題をあっさりと解決したのがイチローだった。

 移籍1年目でリーグ最多安打(242本)、首位打者(打率.350)、盗塁王(56盗塁)、ゴールドグラブ賞など個人タイトルを総ナメ。メジャー史上わずか2人という新人王&MVPのダブル受賞を成し遂げた。2004年にはメジャー史上年間最多安打262を記録した偉業も紹介した上で、「彼が記録したチーム最多安打数(2533)と通算打率(.322)はたやすく抜けるものではない」と、移籍した今でもマリナーズの球団記録を保持していることを紹介した。

■イチローがグリフィー、マルティネスに及ばない実績とは…

 これほど輝かしい成績を誇るイチローが3位に終わった理由は、ポストシーズンにあるようだ。記事内の「キー・スタット」という項目では「グリフィーやマルティネス、その他のリスト入りする選手と異なり、イチローにはポストシーズンでの特筆すべき瞬間が欠けている」と指摘。今回の特集で1位に選出されたケン・グリフィーJr元外野手、元指名打者で現在マリナーズの打撃コーチを務める2位エドガー・マルティネスとの違いは、足掛け12年の在籍期間でプレーオフ進出がわずか1度に止まっていることだ。

 唯一出場した2001年プレーオフも、リーグ優勝決定シリーズでヤンキースに敗れた。イチローはインディアンスとの地区シリーズで20打数12安打の打率.600も、ヤンキース戦では18打数4安打の打率.222。計10試合に出場して38打数16安打7得点の打率.421で、リーグ優勝決定シリーズは1勝4敗で敗退した。

 それでも、イチローがマリナーズの球団史に残るレジェンドである事実は変わりない。4月のマリナーズ戦で古巣セーフコフィールドに久々の凱旋を果たした際には、前年に達成したメジャー通算3000安打とマリナーズ時代の栄光を讃えられるセレモニーが行われ、イチローはフィールドに用意されたレッドカーペットの上を歩いた。18日の試合では凱旋ホームランを放つなど話題になった。

 4位にはビッグユニットと呼ばれたランディ・ジョンソン元投手、5位にはキングの異名で知られるフェリックス・フェルナンデス投手、6位にはアレックス・ロドリゲス元内野手と、錚々たるスーパースターがズラリ。マリナーズはもとよりメジャーを代表する名選手の中でも、イチローは存在感を示している。(Full-Count編集部)