【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】 ◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬 【シーザスターズ】  デビュー戦で4着と敗れたあと、引退レースの凱旋門賞まで8連勝し、通算9戦8勝の成績で引退しました。英ダービー、英…

【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬

【シーザスターズ】

 デビュー戦で4着と敗れたあと、引退レースの凱旋門賞まで8連勝し、通算9戦8勝の成績で引退しました。英ダービー、英2000ギニーなど計6つのGIを制覇し、カルティエ賞年度代表馬に選出されました。大種牡馬ガリレオの半弟にあたる超良血で、両馬の母アーバンシーは凱旋門賞馬。ちなみに、今年の凱旋門賞で3着となったオネストは、2代父がガリレオ、母の父がシーザスターズなので、アーバンシー3×3という配合です。兄と同じく種牡馬として大成功し、とくに2400m路線における強さは格別。大レース向きの底力には定評があります。日本ではまだ重賞勝ち馬が出ていませんが、母方にこの血を持つ馬がいずれ2400m路線で大仕事をしそうです。

◆血統に関する疑問にズバリ回答!

「AIが血統を決める日は来る?」

 配合を考える際、統計的なアプローチは不可欠です。現時点においても、血統表ソフトなどを使い、数値面から配合パターンの有効性を検証し、判断の補助としています。したがって、配合面でAIが開拓する領域はそれなりに大きいといえます。

 ただ、仮にAIが推奨する種牡馬がランキング下位のマイナー種牡馬であった場合、果たしてそれを信用できるのかという問題があります。たとえば、AI予想が14番人気の馬を◎に抜擢したとして、それを買って外れたとしても数百円、数千円の損で済みます。しかし、サラブレッド生産は種付け料が高額ですから、AIの推奨種牡馬を簡単に鵜呑みにすることはできないでしょう。資金的な余裕のない生産牧場であれば、まず難しいと思います。

 そう考えると、未来の種牡馬選定は、やはり人間の判断がベースにあり、AIはそれを補助する役割にとどまるのではないかと思います。