日本代表メンバー26人中、前回からの変更はほんの数人だと見られる10月シリーズ。この中で、最も大きく入れ替わると予想さ…
日本代表メンバー26人中、前回からの変更はほんの数人だと見られる10月シリーズ。この中で、最も大きく入れ替わると予想されるのがGK陣だ。
9月時点ではシュミット・ダニエル(シントトロイデン)、中村航輔(ポルチィモネンセ)、大迫敬介(広島)の3人が選出。大迫がドイツ戦(9日=ヴォルフスブルク)に出場し、中村とシュミットがトルコ戦(12日=ゲンク)でプレーする形となっていた。
だが、中村はトルコ戦前半終了間際に負傷。その後、長期離脱を強いられている。かたやシュミットの方も正式決定寸前だった今夏のメツ移籍が破談となった後、シントトロイデンでは第4GKという扱いに甘んじている。
目下、試合に出ているのは、新加入の21歳・鈴木彩艶。2000年正月の天皇杯決勝でヴィッセル神戸に初タイトルをもたらしたトルステン・フィンク監督は「今の正守護神は彩艶だ」と明言しており、シュミットは塩漬け状態を余儀なくされているのだ。
となれば、中村とシュミットは選外にせざるを得ない。森保一監督としても別の候補者を考えているはずだ。その1人が上記の鈴木彩艶ではないか。
■“抜擢”で一層の飛躍に期待も
森保監督は9月シリーズ直後の17日のメヘレン戦に直々に足を運び、視察を行っている。もちろん9月に呼んだ橋岡大樹、今夏移籍組のファンタジスタ・伊藤涼太郎らを見る目的もあっただろうが、一番の狙いは鈴木彩艶だったのではないか。マンチェスター・ユナイテッドからオファーが届いたという若きGKはそれだけのポテンシャルを秘めた逸材なのだ。
「僕はパリ五輪のためにシントトロイデンに移籍するわけではない。自分はA代表を目指してますし、W杯を目指してます。パリ五輪は通過点でしかない」と移籍発表直後のメディア対応で彼自身が強調していた通り、早くA代表に上り詰めたいという野心は満々だ。
2022年EAFF E-1選手権の香港戦で初キャップを飾ってから1年3カ月。浦和レッズでは西川周作という高い壁を越えられず、コンスタントな試合出場は叶わなかったが、新天地では実現。試合をこなすごとに自信を増している。伸び盛りの人材を今、あえて抜擢することで、一層の飛躍が期待できるかもしれない。本当に招集されれば非常に楽しみである。
■首位・神戸を支える守護神
もう1人の候補者は前川黛也(神戸)ではないか。9月29日の横浜F・マリノス対ヴィッセル神戸戦に下田崇GKコーチが視察に訪れていたところを見ても、前川への期待の高さが窺える。ご存じの通り、前川は元日本代表GK前川和也の息子で、森保監督にとっては近しい間柄にある。下田GKコーチも先輩の息子に当たるため、小さい頃から成長過程を見ているだろうし、期待値も高いはずだ。
前川は2021年3月のモンゴル戦(フクアリ)のメンバーとして招集された実績はあるが、まだA代表の試合には出たことがない。当時から地道にコツコツと努力を続けるタイプだったが、今季はJ1・2位となる総失点25の神戸守備陣を力強く支えている。
その仕事ぶりには代表スタッフも一目置いているのではないか。今回2年半ぶりに森保ジャパンに呼ばれ、ピッチに立つようなことがあれば、彼にとっては千載一遇のチャンス。これをモノにできるか否かが気になるところだ。
■「選考のテーブルには上がってくる選手」
GK陣以外で入れ替え可能性がありそうなのはDF陣だ。9月シリーズで出番のなかった森下龍矢(名古屋)がやや微妙な情勢で、トルコ戦で負傷した町田浩樹(サンジロワーズ)もコンディションが万全とは言えないからだ。そこで注目されるのが、カタールW杯を負傷で辞退した中山雄太(ハダーズフィールド)の動向。
「長期離脱した後にフル出場していて、しかも非常にハードワークしている。リカバーはできているなと。選考のテーブルには上がってくる選手だと思います」と森保監督も9月26日の欧州帰国時の取材対応で再招集に前向きな姿勢を示していたようだ。
中山はカタールW杯最終予選時は長友佑都(FC東京)と左サイドバック(SB)競争を真っ向から演じ、かなり評価を上げていた。アクシデントがなければ大舞台でもピッチに立っていただろう。それだけ指揮官が信頼を寄せる人材なのだから、状況が整えば復帰させるのは既定路線。そのタイミングが今なのだろう。今回の最大の注目は彼かも知れない。
攻撃陣でも今季絶好調の南野拓実(モナコ)の復帰への期待が大いに高まっていたが、直近9月30日のマルセイユ戦を負傷欠場したことで、一気に可能性が低下してしまった。それは残念でしかないが、今の南野はチームで基盤を固めるべき時期なのかもしれない。次のチャンスがあるとしたら、アジアカップ後ではないか。それまでしっかりと存在感を高め、代表に必要な選手であることを示し続けることが肝要だ。
それ以外にサプライズ選手があるならば面白いが、果たしてどうなのか。4日の14時を楽しみに待ちたいものである。
(取材・文/元川悦子)