8月26日から約1カ月にわたって行われた関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)もついに最終戦を迎えた。早大は関東学生春季リー…
8月26日から約1カ月にわたって行われた関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)もついに最終戦を迎えた。早大は関東学生春季リーグ(春季リーグ)で1敗1分をしている国士舘大との一戦に臨んだ。早大はこの試合に勝利すれば秋季リーグ3位、負けたら7位と、最終戦の結果次第で順位が大きく変動するというプレッシャーの中選手たちは試合に臨んだ。前半序盤から互いに点を取り合う展開で、一進一退の攻防が続く。後半もその状況は変わらず、白熱した攻防が繰り広げられる。そして同点で迎えたラスト5秒、国士舘大がシュートを決め28-29、悔しい敗戦となった。
多くの観客が駆けつけ、いつも以上に熱気に包まれた会場の中で最終戦は行われた。前半序盤から点を取ったら取り返す拮抗(きっこう)した試合展開となる。早大はディフェンスから速攻につなげ、井橋萌奈(スポ1=東京・白梅学園)の献身的な走りで得点を重ねる。前半中盤には、今試合絶好調の浦野詩織(スポ4=愛知・旭丘) が1対1を仕掛け相手を退場させると、今度は回り込んで豪快なミドルシュートを放ち2点のリードを広げる。しかし、「どこかで(点差を)離したかったのですが、離し切れなかった」と浦野が振り返るように、なかなかリードを広げることはできない。前半24分には山本桃虹(スポ3=東京・佼成学園女) が体を張ってペナルティスローを獲得し、相手を退場させる。その数的有利の状況を見逃さず、杉浦亜優(スポ2=愛知・名経大市邨) が無人のゴールにボールを放ち、冷静なプレーも見せる。リードしたまま終えたかった前半だったが、試合終了間際に国士舘大に追加点を献上し、14-14で前半を終えた。

ジャンプシュートを放つ浦野
拮抗(きっこう)した状態から抜け出したい後半。「自分たちのディフェンスがハマらず、対処法がずっと見つけられていない状態 」(浦野)が続き、国士舘大オフェンスの勢いを止めることができない。しかし同様に、早大も個人個人の強みを全面に出し、着実に得点を積み重ねる。試合序盤には杉浦がリバウンドボールを2本得点につなげる。「個人としては大体やりたいことをやれた」と振り返る浦野のミドルシュートは国士舘大も止めることができない。その後も村上楓(スポ4=福岡・明光学園) のカットインや、青木里奈(スポ4=東京・白梅学園) のループシュートで食らいつく。両校譲らない試合展開の中、同点で迎えた後半29分33秒、オフェンスが残された状態で早大がタイムアウトを取る。タイムアウト後、山本がシュートまで行くが、惜しくも枠外になってしまう。後半29分55秒、今度はオフェンスを控える国士舘大がタイムアウトを取る。緊張感が漂う会場で、「残り5秒最後1点を取りに行く」(宇野監督)という攻めの姿勢で、早大ディフェンスは高めに前に出て、マンツーマンディフェンスのかたちを取った。ハーフラインより後ろからスタートした国士舘大は、6メートルライン付近で位置取っていた味方にパスを通し、それを決め切った。早大は最後の最後で失点をし、悔しい敗戦となった。

試合終了後、悔しさに涙する川村(中央右)と川村に寄り添う青木(中央左)
「最後のシュート一本が入らなかったというより、やられてはいけない失点をいかに減らすかがすごく課題」と、夏山陽平コーチ(平21年スポ卒=神奈川・法政二) が振り返る今試合。最終戦で勝ち点を獲得できなかった早大は、勝ち点で並ぶ桐蔭横浜大と直接対決で敗北しているため、最終順位7位という成績で秋季リーグを終えた。しかし間違いなく言えることは、この順位以上の戦いを早大はしたということだ。東女体大との激戦を制し、春に10点以上差をつけられた東海大に対しても引き分けとなり、強豪とも戦える実力を証明した。日体大戦や桐蔭横浜大戦では敗北を喫したが、大きく離れた点差を追い上げるだけの力と強い気持ちを見せた。何より見る者の気持ちを熱くさせ、会場を沸かせる数多くのプレーを一人一人がこの秋季リーグで見せてくれた。秋季リーグでは「勝ち切る」という部分で引けを取ってしまったが、個としてもチームとしても成長した早大は、秋季リーグで得た収穫や反省を全てぶつけ、全日本選手権(インカレ)で「早稲田旋風」を巻き起こしてくれるだろう。
(記事 渡辺詩乃 写真 髙田凜太郎)
| 関東学生秋季リーグ | ||||
|---|---|---|---|---|
| 早大 | 28 | 14-14 14-15 | 29 | 国士舘大 |
| スタメン | ||||
| GK 川村夏希(スポ4=東京・佼成学園女) LW 井橋萌奈(スポ1=東京・白梅学園) LB 浦野詩織(スポ4=愛知・旭丘) PV 杉浦亜優(スポ2=愛知・名経大市邨) CB 村上楓(スポ4=福岡・明光学園) RB 山本桃虹(スポ3=東京・佼成学園女) RW 青木里奈(スポ4=東京・白梅学園) | ||||
| 途中出場 | ||||
| 山田梨央(スポ2=千葉・昭和学院) 山野紗由(スポ2=北海道・釧路江南) 石坂美紀(スポ1=千葉・昭和学院) 里村采音(商1=岩手・不来方) | ||||
コメント
宇野譲監督(平19年人科卒=熊本・濟々黌) 、夏山陽平コーチ(平21年スポ卒=神奈川・法政二)
――今日の試合を振り返って
宇野 早大の前の試合で東女体大が勝ち、早大は3位から7位まで可能性がある中で試合ができたことは、スタートラインに立てていました。インカレでメダルを獲得するという目標を達成するためには必ず今日勝って3位を勝ち取らなければならないという話もしていました。これまで前半に点差を離される試合がずっと続いていて、その中では前半を同点で終えられたのはすごく良かったと思います。後半は離せる時に離せず、追われる展開で、最後の時間帯までこのような展開だと、最終的にどちらに転ぶか分からない状況でした。そうなると、実力うんぬんではなくて、最終的にボールがどちらに転がるか、どちらのシュートが入るかが勝敗の分かれ目でした。今日はそれが向こうに傾いたかなと思います。最後の場面は引き分けにすることは充分できたと思いますが、引き分けだと6位で、負けると7位でした。どちらもインカレでノーシードであることは変わらなかったので、残り5秒最後1点を取りに行くというかたちで、前に出したのは自分が指示を出したことなので、最終的に負けたのは自分の責任にあると思います。
夏山 最後の場面や、後半勝負所でこちらのシュートも入らずクロスバーに嫌われてしまったというのもありますが、それよりもチームとしてやらなければいけないこと、例えばリバウンドやルーズボールであったり、退場時に人数が少ない方でやられて7メートルスローを取られたり、そういった積み重ねでした。このリーグを通して4年生がすごく頑張ってくれていたのでもちろん良いチームになっています。ですが、我々の指導力もありますが、最終的に勝ち切れるかどうかがチームとして徹底できていなかったと思っています。最後のシュート一本が入らなかったというより、やられてはいけない失点をいかに減らすかがすごく課題だなと思います。
――やられてはいけない失点は秋季リーグ通して多かったですか
夏山 ありましたね。選手や我々もわかっていますが、やられてはいけない失点をどれだけ減らして、どうやって徹底できるか。後は相手のキーパーがいるので選手によっては調子が良い悪いはあると思いますが、その中でいかに平常点を保ってやれるかどうかがとても大事だと痛感しました。
――秋季リーグを振り返って
宇野 すごく成長を感じました。ですが、1番を目指してやっている中初戦でつまずいてしまい、前半の入りや終り方、後半の入りや終り方、勝負所のプレーの選択ではまだまだ甘さが出て、そこで勝ちきれなかった試合がいくつもありました。経験の中で、1回できなかったら次はそれをできるようにならないといけないのに、最終的にそこの課題をクリアできてなかったです。インカレは一発勝負なので負けたら終わりの試合の中でしっかりと出し切る力をここから1カ月つけていかないと、インカレもいい結果がついていかないと思うのでしっかりと出し切る力をつけていきたいです。
――インカレに向けて、一番強化していきたい部分は
宇野 流れが向こうにいってしまうワンプレーや、この一本を取ればチームとして楽に展開に持ち込めるプレーなど、1点の重みを大事にしていきたいです。このチームには責任を持ったプレーをしていこうと常日頃から言っています。一本一本の選択や頑張り、あと一歩出られるかどうかはチームに全て反映されるものです。それを責任持ってプレーできるように、個がしっかり意識して残り一ヶ月突き詰めていきたいですし、それが必ずチーム力になってくると思います。
――秋季リーグを振り返って夏山コーチはいかがですか
夏山 上位と戦える力は示しましたし、ただ勝ちきれなかった。やっぱりみんながいい時は勝てると思うんです。ただ勝ちきれなかった試合があるということは、チームとして力がなかったと思います。今から一ヶ月だと、個人的にものすごくシュートが打てるようになったりフィジカルが強くなることはないと思いますが、いかに残り1カ月チームとしてやるべきことを徹底するか。1本のディフェンスや1本のオフェンス、1つのパスにこだわってどれだけできるかが結果に関わってくると思っています。
――インカレに向けての意気込みをお願いします
宇野 今日結果を受けて、シードを取れなかったので、くじ運頼みになってしまったのはあるのですが、どこと当たろうが変わらないと思うので、自分たちのやってきたことを初戦に出せるように準備をしていきたいですし、自分たちの実力を出せれば良い形でインカレを上がっていける力を持っていると思うので目標であるメダルを取れるように頑張ります。
夏山 早稲田旋風巻き起こせるように頑張ります!
浦野詩織副将(スポ4=愛知・旭丘)
――今日の試合を振り返ってください
悔しいの一言です。
――前後半通じて拮抗(きっこう)した展開でしたが、どのような心境でプレーされていましたか
自分たちのディフェンスがハマらず、対処法がずっと見つけられていない状態で、どうするのかというのをチーム全体で決めることができなかったです。なので、攻めてはいて点差を離したとしても、追い付かれてしまうというのが続いていました。どこかで(点差を)離したかったのですが、離し切れなかったという印象です。
――相手のロングやミドルが多かった印象でしたが、それを捉えられなかった感じでしたか
(相手のシューターは)枝をかわしてくる相手ではなくて、スピードタイプの選手と当たられたのをうまく使って打つ選手がいました。(相手の打つ)コースは大体分かっていたのですが、それでもキーパーが対応できないくらい速かったり騙されたりで、なんだかうまくいかない状態でした。何とか食らいついていたのですが、最後はやられてしまいました。
――ラストプレーでの失点となりましたが、振り返っていかがですか
マンツーマンみたいにしたことが果たして良かったのか、相手が1人多かったのでそこのマークの合わせ方を間違えたのか、いろいろと考えます。残り5秒の中、マンツーマンをせずに下がっていてもシューターが打ってくることは分かっていたので、最後の1秒にギリギリ遠くから打たせるようにさせても良かったのかとも思います。最後のシーンはマークが徹底できず、(相手は)速いパスで攻めるしかなかったのですが、それを徹底して守れなかったと感じます。
――最後はマンツーマンでマークに付いていたのですか
はい。相手がタイムアウトを取った場所かかなり(ゴールから)遠くの方で、それに対して高く一人一人当たるみたいなマークを取っていました。そうではなくて低い位置で取れば良かったのかななど、後悔はあります。
――今日はさまざまなかたちで得点を決められていましたが、個人のプレーを振り返っていかがでしたか
この試合に入る前に何試合もやってきた中で、やはり自分が攻めないと流れが来ないと思いましたし、1回攻めてボールを渡した後にもう一度攻めるとディフェンスが嫌なのだなと感じていたので、パスを出したら何度も何度も攻めようと狙っていました。ミドルは入って良かったです。
――個人のプレーとしては今までの試合で一番良かったと感じましたか
そうですね。個人としては大体やりたいことをやれたと思います。
――秋季リーグ戦全体を振り返っていかがでしたか
落とした試合がかなりもったいなかったという印象です。もし(この試合で)勝っていたら、東海に初めて引き分けることができたという話をしていたと思います。ですが、今日負けたことを踏まえて今までの試合を振り返るとこの試合で全てだったのではなく、一番最初の日体大や桐蔭横浜大との2試合で前半に大量得点されてひっくり返せずに負けた試合がありました。そういった試合をやってしまったことで、順位も混戦になってしまいましたし、今日の国士舘大戦はみんなで悔しいと感じる部分もありましたけど、それが全てでは無い。4年生が統一できずにミスをしたり、落としてしまった試合が多いと感じたリーグ戦でした。ですが、もちろん良いプレーもたくさんありましたし、東女体大には自分たちがリードを保ったまま勝てた試合もありました。そういうところでは力は付いてきているので、後はそれを最初から出せるようにするところかなと感じます。
――インカレに向けての意気込みをお願いします
対戦相手はまだ分からないのですが、拮抗(きっこう)した試合が初戦から想定されるので、そこでまずはしっかり勝ち切るために何が必要なのか、そういった勝負強さをこの1カ月でしっかり付けて、実力を発揮できるチームにしていきたいと思います。