関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)も残すところあと2戦となった。第8戦目は強豪・東海大と対戦した。前日に早大が敗戦した筑…

 関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)も残すところあと2戦となった。第8戦目は強豪・東海大と対戦した。前日に早大が敗戦した筑波大はフィジカルの強さでゲームを進めていくのに対し、東海大はスピードと高い技術力を武器とするチームだ。その点でプレースタイルが少し似ているチーム同士の一戦となった。前半はスピード感のある東海大に主導権を握られ、9-16と点差を離され前半を折り返す。追いつきたい後半は、好守から攻撃につなげ、点差を縮める。そしてラスト30秒のディフェンスで攻撃につなげると、山本桃虹(スポ3=東京・佼成学園女) がペナルティスローを獲得する。それを落ち着いて村上楓(スポ4=福岡・明光学園) が沈め、26-26で試合が終了した。

 早大のスローオフで始まったこの試合、井橋萌奈(スポ1=東京・白梅学園) のサイドシュートで先制点を挙げたのは早大だった。前半序盤は互いに点を取り合う展開となるが、徐々に東海大が勢いに乗り始めてしまう。前半中盤には、東海大が村上にマンツーマンディフェンスをする場面も見られた。対する早大は石坂美紀(スポ1=千葉・昭和学院) をディフェンスでワントップに置き、東海大オフェンスに対抗する。しかし、スピードに乗ったキレのあるフェイントを武器とする東海大ペースの時間帯が続いてしまう。前半終盤には「1対1が強くないところを狙い、体を張って攻めにいくことを意識していた」という浦野詩織副将(スポ4=愛知・旭丘) のカットインや、山本のミドルシュートで何とか食らいつく。だが、前半終了間際に3連続で東海大のシュートを許し、大きく点差を離され9-16で前半を折り返した。


試合終了間際、ペナルティースローを獲得した場面のシュートを放つ山本 春季リーグから勝負強さを見せ、チームを勝利に導いてきた 

 「オフェンスがうまくいかなくてもディフェンスで粘って、流れが来るまで我慢しようとお互い確認し合った」(村上)というハーフタイムを経て、早大の怒涛(どとう)の追い上げが始まった。後半開始直後、川村夏希副将(スポ4=東京・佼成学園女)が相手のフリーシュートを止め、その直後のオフェンスで浦野が得意のアウトカットインで追加点を奪う。村上や井橋が連続で速攻に走ると、山本と井橋が体を張って相手を退場させ東海大陣営は4人に追い込まれる。ハーフタイムで話した通り、ディフェンスで粘りを見せ、完全に流れは早大に。前半7分には杉浦亜優(スポ2=愛知・名経大市邨) が2連続で得点し、16-19と3点差まで迫った。しかし、あと2点、3点をなかなか縮めることができない。早大の流れが悪くなった後半20分にタイムアウトを取るも、21-26で再び点差が開いてしまう。ここでチームを救ったのはキーパー川村だった。相手のフリーシュートを何本も止め、チームを勢いづけると、後半終盤、再び早大が追い上げを見せた。青木里奈(スポ4=東京・白梅学園) のサイドシュートや山本のミドルシュート、そして杉浦のポストシュートでついに1点差まで迫る。残された時間は30秒。ここでも早大はディフェンスで粘り、速攻に持ち込む。山本が放ったシュートはキーパーに阻まれたかと思いきや、ペナルティスローを獲得する。緊張感漂う会場の中、「さすがにこのシーンだったらキャプテンの自分が打たなきゃいけないと思った」と振り返る村上がこのペナルティスローを決め切り、同点で試合が終了した。最後の最後で追いついたこの劇的な引き分けに、早大の選手たちは大きな歓声を上げた。


同点に追いついたペナルティースローを放つ村上 チームが追い込まれた状況でも、村上の冷静な判断力と声掛けが早大を支えている 

 関東学生春季リーグで、早大は10点以上の点差をつけられ東海大に2敗している。その東海大に対してドローゲームをしたことは、春よりもレベルアップした早大の強さを感じる一戦となった。秋季リーグの日体大戦や桐蔭横浜大戦では、後半に早大が追い上げるも時間が足りず敗戦し、悔しい思いをしてきた。しかし、今回の試合は強豪・東海大相手に、これまでの悔しい負け方を払拭する試合をした。次戦の相手は国士舘大だ。春季リーグでは、一敗一分け、どちらも接戦を繰り広げている。春よりもレベルアップした秋こそは、早大の強さを見せつけ、有終の美を飾りたい。

(記事 渡辺詩乃 写真 田部井駿平、片山和香)

 

関東学生秋季リーグ
早大269-16
17-10
26東海大
スタメン
GK 川村夏希(スポ4=東京・佼成学園女)
LW 井橋萌奈(スポ1=東京・白梅学園)
LB 浦野詩織(スポ4=愛知・旭丘)
PV 杉浦亜優(スポ2=愛知・名経大市邨)
CB 村上楓(スポ4=福岡・明光学園)
RB 山本桃虹(スポ3=東京・佼成学園女)
RW 青木里奈(スポ4=東京・白梅学園)
途中出場
鶴田文乃(スポ3=山梨・日川)
山田梨央(スポ2=千葉・昭和学院)
山野紗由(スポ2=北海道・釧路江南)
石坂美紀(スポ1=千葉・昭和学院)
里村采音(商1=岩手・不来方)
 
コメント

村上楓主将(スポ4=福岡・明光学園)

――東海大に同点という結果でしたが、率直な感想は

 前半で結構離されてしまいましたが、そこからよく我慢して追いついたと思います。後半は特に早稲田のいいところが出せました。

――前半で大きな点差がついて、ハーフタイムで話したことはありますか

 前半はオフェンスが特にうまくいってなかったので、やるべきことはディフェンスを固めることだと話していました。オフェンスがうまくいかなくてもディフェンスで粘って、流れが来るまで我慢しようとお互い確認し合いました。

――後半追い上げられた要因は

 さっきのハーフタイムでのディフェンスを固めようという話がみんなしっかりできていたこと。そして相手がシュートを外すなどのミスをしてくれたりして、そこから自分たちが速攻で点が取れたり、自分たちに流れが来る展開に持っていけたことが大きかったです。

――最後のペナルティスローは緊張しましたか

 このリーグ戦を通して自分のペナルティがあまり決まっていなかったので、なんとなく自信をなくしていた部分がありました。それでもさすがにこのシーンだったらキャプテンの自分が打たなきゃいけないと思ったので、正直嫌ですごく緊張しましたが決められて良かったです。

――次戦への意気込みをお願いします

 次勝つか負けるかでインカレのシードが取れるか取れないかの大事な試合になってくるので、絶対勝ち点2を取りたいです。今日の試合で良かった部分はしっかり継続して、逆に前半の悪かった部分は修正できるように頑張りたいです。

浦野詩織副将(スポ4=愛知・旭丘)

――試合を振り返って率直な感想は

 前半の大差で負けていた状態から自分たちの力で同点まで持ってこれたことが嬉しいですしほっとしています。

――東海大に対して、ディフェンス・オフェンスでそれぞれ意識したことは

 まずディフェンスをしっかり固めようということ。相手はスピードが速いが自分たちで穴をつくりだすタイプではなくディフェンスを混乱させて穴をつくっていくかたち。ポストが視野外からスピードをつけて入ってくることがあったので、しっかり準備して視野外をつくらないことを徹底しました。オフェンスは、1対1が強くないところを狙い、体を張って攻めにいくこと。相手はパスカットが上手いので、相手にボールを渡さずシュートまで持っていくことを意識していました。

――個人のプレーを振り返って

 後半のディフェンスで、とにかくポストを視野に入れることと、ボールを持った相手に前で当たることを意識してプレーすることができました。

――次戦への意気込みをお願いします

 3位以下が混戦の状態なので、次勝つことで自分たちの順位を少しでも上げられると思います。またインカレに向けても良い勢いをつけられるとも思うので、しっかり対策して自分たちのプレーが出せるように今週1週間練習したいです。

山本桃虹(スポ3=東京・佼成学園女)

――東海大に同点、率直な感想は

 あの場面では引き分けという手段しかなかったので、本当は勝つつもりでいましたが、引き分けまで持ってこれたのはよかったです。

――スピードのある東海大に対してチームとして試合前に話していたことは

 ディフェンスでは、東海のスピードのあるカットインの方が怖いので、カットインはなしでミドルシュートまで持って行こうと話していました。オフェンスでは、東海は速攻が早いので、東海に速攻をされないようにシュートまで攻め切ろうとチームで統一して話していました。

――実際に試合ではできましたか

 前半が全くできなくて、後半になってみんなで修正して、チームでまとまってできました。

――後半追い上げられた要因は

 ディフェンスでみんなの足が動いていたと思います。4年生中心に声掛けをしてくれて、みんなまとまっていたと思います。キーパーが最後止めてくれて、オフェンスや速攻に良い流れで持っていけたのが要因かなと思います。

――個人のプレーを振り返って

 後半の最後だけ「ガツガツ行ってやろう」という気持ちが強かったのですが、それを60分間やっていける選手にならないとチームにはまだまだ貢献できていないと感じています。最初から自分の力を出し切れるようになりたいです。

――後半は思うようなプレーを出せましたか

 みんな位置取りが良くて、パスや動きも合ってきたので、そのおかげで私がいけたと思います。

――最後のペナルティスローを獲得した場面を振り返って

 シュートを外してしまったのですが、審判が笛を吹いてくれたので。自分は決め切るべきシュートを決め切れなかったので、そこは課題だと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

 勝つのみだと思うので、国士舘大戦に向けて、チーム一丸となって頑張りたいです。