■法大2年の松下歩叶が今季初スタメン…同点の9回に殊勲の決勝打 法大は24日、東京六大学野球秋季リーグの慶大2回戦に6-…

■法大2年の松下歩叶が今季初スタメン…同点の9回に殊勲の決勝打

 法大は24日、東京六大学野球秋季リーグの慶大2回戦に6-4で競り勝ち、1勝1敗のタイに持ち込んだ。4-4の同点で迎えた9回、今季初スタメンの松下歩叶(あゆと)内野手(2年)が、神奈川・桐蔭学園高の1年後輩にあたる慶大5番手・竹内丈投手(1年)から値千金の決勝タイムリーを放った。

 法大ベンチには試合前から、緊迫感が漂っていた。春は3季連続優勝を飾った明大に及ばず2位。7季ぶりの天皇杯奪回を目標に掲げた今季だったが、開幕から2カード目にして、23日の慶大1回戦で、エースの篠木健太郎投手(3年)が2回途中5失点KOされるショッキングな敗戦を喫した。

「この一戦にどういう意味があるかは、選手も私もわかっていましたた」と顔をこわばらせた加藤重雄監督が打った“勝負手”の1つが、松下を「6番・二塁」でスタメン起用することだった。今季はこれまで、代打で2度登場し2安打2打点。「松下は今季ずっと、練習の時からすごく振れています。ここぞのチャンスで使いたい右の代打の切り札なのですが、昨日酷い負け方をして流れが悪かったので、スタメンで使うことにしました」と指揮官は明かす。暗いムードを払拭する役割を担っていたわけだ。

 松下はまず2回1死走者なしで迎えた第1打席で、慶大先発の谷村然投手(4年)に対し、カウント1-0から内角高めの速球に詰まらされながらも、中前に落とすヒット。直後に二盗も決めたが、チームの先制点にはつながらなかった。試合は慶大の栗林泰三外野手(4年)が2回と4回にソロ本塁打2発を放ち、“崖っぷち”の法大が2点ビハインドを負う展開となった。

最終回に値千金の勝ち越し打を放った法大・松下【写真:中戸川知世】

 敵の主砲である栗林泰は、松下にとって桐蔭学園高の先輩にあたる。1浪して慶大に入学した栗林泰とは一緒にプレーしたことはないが、同じ東京六大学を舞台に戦う者同士として、オフの日には食事に誘われる間柄だ。「打撃の技術的なことを含めて、いろいろ話していただいて学ぶことが多いです」と感謝。この試合では「栗林さんが2本ホームランを打ったので、自分も負けていられないという気持ちになりました」とうなずく。


「自分の長所は、ここぞというところで1本出せること」と言い切る松下は、第2打席以降は3打席凡退していたが、シーソーゲームとなり4-4で迎えた9回2死一、三塁の絶好機で、第5打席が巡ってきた。くしくもマウンドには、桐蔭学園高時代の1年後輩の竹内がいた。

 元チームメートとは言え、打席に立って投球を見たことはなく、アドバンテージは感じなかったが、「後輩には負けられない」という意地があった。初球の内角のスライダーを左前へ弾き返し、チームに勝ち越し点をもたらしたのだった。「初球から振りに行けたことが、いい結果につながったと思います」。ヒーローは満面に笑みをたたえた。

 松下のスタメンは、昨年秋の東大2回戦で「8番・三塁」でチャンスを与えられ、3打数無安打に終わって以来通算2度目だった。「いつでも行ける準備をしていたので、うれしかったです」と喜びをかみしめる。「明日(25日)の3回戦に勝たないと、今日の勝利の意味がない。絶対、勝ち点を取りたいです」と力を込めたが、それは相手の慶大も同じだ。高校時代に同じユニホームを着た先輩・後輩が、敵味方にわかれて再び火花を散らす。

(Full-Count編集部)