■「左投手のクロスファイヤーを狙っていました」と本間 慶大は10日、東京六大学秋季リーグの立大2回戦で11-7の打ち合い…
■「左投手のクロスファイヤーを狙っていました」と本間
慶大は10日、東京六大学秋季リーグの立大2回戦で11-7の打ち合いを制し、2連勝で勝ち点1を獲得した。「7番・三塁」で出場した本間颯太朗内野手(3年)がリーグ戦初アーチを含め2本塁打を放てば、「5番・捕手」の宮崎恭輔捕手(4年)も負けじと2発。明大の4季連続優勝阻止とV奪回へ向け、開幕カードで攻撃力アップを実証した。
打撃をメキメキ上達させている2人が“競演”した。まずは、今春のリーグ戦で三塁のレギュラーポジションを獲得したばかりの本間。2回無死一塁で右打席に立つと、立大先発の左腕・野口裕斗投手(4年)に対し「左投手が内角に投げ込んでくる“クロスファイヤー”のストレートを狙っていました」。カウント1-2からの4球目に、イメージ通りの球が来てバットを振り抜いた。やや詰まったものの、「行ってくれ」という本間の思いに後押しされたように、左翼フェンスを越える。神奈川・慶応高時代に通算38発を量産した男が、ようやくたどりついたリーグ戦初本塁打は、チームを勢いづかせる先制2ランとなった。

立大に逆転され、2-3で迎えた6回は宮崎の番だ。この回から登板した立大3番手の左腕・渡部太陽投手に対し、1死一塁でカウント1-0から、真ん中やや外寄りのシュートを一閃。打球は際どく左翼ポールを巻き、逆転2ランとなってスタンド中段に飛び込んだ。「投手が代わって僕で3人目。ストライクが欲しいところだったので、甘いところに来たら積極的に行こうと思っていました」と、いかにも捕手らしい読みが冴えていた。
2死後、本間も続く。渡部の初球の内角低め速球をとらえ、宮崎の2ランをなぞるかのように左翼ポール際へ2号ソロを運んだのだ。投手は代わっていたが、1号を奪った相手の野口と同じ左腕。「学生コーチの関展里さん(4年)から『1本目をいい形で打てたのだから、クロスファイヤー1点張りでいけ』と言われていて、狙い通りの球が来てくれました」と会心の笑みを浮かべた。
締めは、8-7の1点差で迎えた9回。この回から登板した立大のエース・池田陽佑投手(4年)を攻め、斎藤來音外野手(4年)の適時三塁打で1点を追加し、なおも2死三塁。宮崎は真ん中低めのストレートを逃さず、左翼席へとどめの2ランを放り込んだ。
2人とも成長著しい。本間は初めてレギュラーとしてシーズンを全うした今春のリーグ戦では、打率.200(55打数11安打)にとどまったが、堀井哲也監督が「開幕前には、首位打者を獲るのではないかと思っていた」と言うほど、才能を開花させつつあった。夏の練習では、主将で今秋ドラフトの上位指名候補でもある廣瀬隆太内野手(4年)にアドバイスを求め、「どうやったら強い打球が打てるのかを聞き、長打力をテーマにやってきました。へその前でバットのヘッドを返すことが、一番大事だと思っています」とてきめんの効果を実感している。
一方の宮崎も、前日(9日)の1回戦で3季ぶりの大学通算2号本塁打を放ったばかりだったが、今秋2試合で3発の量産。今春に打率.327をマークした確実性に、長打力まで加わった。卒業後は社会人で野球を続ける予定だが、「プロ志望届は……今のところ、出さないと思います」と複雑な表情。打撃が成長すればするほど、最終的な目標であるプロに後ろ髪を引かれ、悩みが深まる様子だ。
既に大学通算18本塁打を放っている廣瀬に加え、本間と宮崎の急成長。堀井監督は「確かに2人とも成長していますが、びっくりはしていない。これくらいはやってください、という感じですよ」と手応えありげに笑う。夏の甲子園で慶応高が果たした107年ぶりの全国制覇に続き、“慶応”のV奪回が現実味を帯びる。
(Full-Count 宮脇広久)