東京六大学秋季リーグ戦が9日に開幕。東大は開幕の明大戦に0-3で敗れた。とはいえ3季連続優勝中の明大を相手に、先発の右…

 東京六大学秋季リーグ戦が9日に開幕。東大は開幕の明大戦に0-3で敗れた。とはいえ3季連続優勝中の明大を相手に、先発の右腕・松岡由機投手(4年)は7回2失点(自責1)の好投。1997年秋以来、52季ぶりの最下位脱出を目標に掲げるシーズンの滑り出しで、確かな手応えも得た。

 総合力で劣る東大が勝利をもぎ取るには、いくつか条件がある。打ち合いとなれば勝ち目は薄いだけに、ロースコアの展開に持ち込むことは最優先事項だろう。そういう意味で、ハイクオリティスタート(HQS=7回2自責点以内)を達成した松岡の力投は、十分期待に応えた。大久保裕監督代行(助監督)は「欲を言えば、こういう試合こそモノにしたかった。こういう試合を続けて、勝ちに結びつけていきたいです」とうなずいた。

ハイクオリティスタートを達成した東大の先発投手松岡【写真:小林靖】

 松岡は初回から1死三塁のピンチを背負ったものの、7月の日米大学野球で侍ジャパン大学代表の主力を張った宗山塁内野手(3年)、上田希由翔内野手(4年)の3・4番コンビに臆せず立ち向かう。宗山を高めの球で一邪飛、上田希を低めのツーシームで二ゴロに仕留め、無失点で切り抜けた。結局宗山、上田希とはこの日3度ずつ対戦し、1度も出塁させなかった。

 7試合を投げ0勝4敗ながら上々の防御率3.82をマークした今春よりも、さらに球威を増している。ゆっくりと左足を上げるフォームに変更。「自分としては、上下動をうまく使い反動で投げたい。上げた足を下ろす際に勢いをつける形にしました」と説明する。

 それだけに、唯一の失点シーンは悔やまれる。3回1死から、俊足の1番・飯森太慈外野手を三塁手のエラー(悪送球)で生かし、心にさざ波が立った。続く直井宏路外野手(3年)は決して長距離打者ではないが、初球の真ん中付近のストレートを右翼席へ運ばれ、リーグ戦初本塁打の勝ち越し2ランとなった。松岡は「どちらかと言うと、一塁走者(飯森)にスタートを切らせないことに神経を割いていました。走者に気を持っていかれていた分、安易にストライクを取りにいってしまった」と唇をかんだ。

 零封された打線も、7安打の明大と互角の6安打を放ち、チャンスはつくっていた。両チーム無得点の2回には、1死から5番・大井温登内野手(4年)が中前打で出塁し、二盗にも成功。和田泰晟捕手(4年)も中前打で続き、1死一、三塁の好機を迎えた。ここで藤田峻也内野手(3年)がカウント1-0からスクイズを敢行したが、惜しくもファウル。強攻に切り替え3球目を打つと、遊ゴロ併殺に倒れた。ここで先制できていれば、試合の流れは違っていたかもしれない。

野手陣の奮起が期待される【写真:小林靖】

 一方、足の速い選手が多い特性を生かし、積極的に盗塁を仕掛け2度成功。ただし、盗塁死も1度、その他に一塁走者が相手投手の牽制球に誘い出され、一、二塁間で挟殺されたケースも2度あった。大久保監督代行は俊足の選手には、基本的にグリーンライト(自分の判断で盗塁自由)を与えているが、「走るべきところと、そうでないところの見極めがいまひとつ。詰めないといけないですね」と精度アップを求めた。

 8回の守りでは、2番手の三田村優希投手(4年)が1点追加され突き放されたが、振り返ってみれば勝機はあった。翌10日の2回戦でも、リードして終盤を迎えた場合には、好調の松岡をリリーフで投入することを「想定していないわけではない」と大久保監督代行はほのめかした。目標の最下位脱出も、昨年秋の慶大1回戦以来となる白星が前提であることは言うまでもない。

(Full-Count 宮脇広久)