女子ゴルフの国内メジャー第2戦「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」(長崎県・パサージュ琴海アイランドゴルフクラブ/6755ヤード、パー72)は9日、第3ラウンドが行われ、小祝さくらが3バーディ、2ボギーの71で回り、ただ一人2け…

女子ゴルフの国内メジャー第2戦「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」(長崎県・パサージュ琴海アイランドゴルフクラブ/6755ヤード、パー72)は9日、第3ラウンドが行われ、小祝さくらが3バーディ、2ボギーの71で回り、ただ一人2けたの通算10アンダーで単独首位を守った。

西郷真央が1打差9アンダー2位、神谷そらが2打差8アンダー3位、稲見萌寧が3打差7アンダー4位で追う、最後まで気の抜けない混戦となっている。

◆【実際の映像】「最終日なんで思い切ってベストを尽くす」メジャー初制覇へ小祝さくらが決意のコメント

■独走を許してくれない難コース

3日間の中では風が最も弱く、コンディションに恵まれたムービングデー。首位争いは最終組の神谷、西郷、小祝と、1つ前の組で回る山下美夢有、稲見を中心に展開された。

稲見は1番、3打目をワンピンにつけバーディ発進。逆に山下のティーショットは右ラフ、前方に木。2打目でフェアウェーに出せず、ボギースタート。山下は3番で左奥3メートルのバーディパットを決め、イーブンに戻す。ただ、アイアンが右に出がちで、なかなかパーオンできず、そこをパッティングでしのぐ場面が続いた。

一方の稲見は、チャンスにつけるもグリーンにてこずる。それでも6番、2打目をピン手前1メートルに止め、2つ目のバーディ。ショットの精度でスコアをつくっていった。

最終組の西郷は1番、左奥1メートルを沈めバーディ先行。しかし、2番、5番と3パットのボギー。神谷は1番で2オン2パットのバーディ。4番でもピンハイからバーディ。

そしてトーナメントリーダーの小祝は2番、ピン奥1メートルからのバーディで単独首位を奪い返すと、4番でも右奥2.5メートルを沈め、首位固めに入るかと思われた。

だが、前半終盤になって様相が変わり出す。まずは山下。8番で右手前からの長いバーディパットを沈めると、9番では3打目を手前1メートルにつけ連続バーディ。8アンダーまで伸ばし、前半を終えた。

次いで西郷。6番バーディでボギーを帳消しにすると、8番パー3でもピンハイからの長いバーディパットを決め、9アンダー単独2位にカムバックした。

前日からノーボギーを続けていた小祝。前半最後の9番でもバーディチャンスにつける。ところが、ここからまさかの3パットでボギー。後続との差が詰まり、小祝10アンダー、西郷9アンダー、山下・稲見・神谷8アンダーで、上位陣はバックナインへと向かった。

■止まらないグリーン、終盤はしのぎ合い

後半、最終組の西郷は11番で、またしても長いバーディパットを決め、ついに首位の小祝を捕らえる。続く難関12番パー3、先を回る山下が1オンできず、アブローチもカラーで止まり、そこから2パットのダボ。一歩後退となる。

勢いに乗る西郷は12番でも、右手前3メートルのバーディチャンスにつける。これを落ち着いて真ん中から沈め、ついに単独首位に立つ。

ところが、13番パー5ですぐに首位が入れ替わる。西郷は3パットのボギー。ピン手前のチャンスにつけた小祝がバーディ。14番、西郷はパーオンできず、3オン2パットの連続ボギー。同組の神谷がインに入って初のバーディ。

一方、前を行く山下はダボの後、13番ですぐに取り返し、15番ではピンハイ1メートルに寄せバーディ。再び優勝戦線に戻ってくる。

しかし、山下は16番でティーショットが右のバンカー、2打目もガードバンカーでボギー。逆に稲見は2打目でピンを刺し、6番以来、待望のバーディが来る。

15番、小祝と西郷はそろってピンチを迎える。小祝は長いパーパットを沈めしのいだが、西郷は痛すぎる3連続ボギー。この時点で小祝11アンダー、稲見・神谷9アンダー、西郷8アンダー、山下7アンダー。最終組はいよいよ上がり3ホールに入った。

最難関の17番パー3、稲見は左ワンピンにつけるスーパーショット。山下はグリーン奥にこぼす。山下はここから3パットで連続ボギー。稲見はバーディパットが惜しくも入らず、手前への激しい傾斜に持っていかれる。パーパットも右を抜け、この日初のボギー。

最終組も17番に入る。神谷のティーショットは傾斜に持っていかれ、手前の池へ。小祝はグリーン奥にこぼす。西郷はグリーン手前に着弾、ナイスキックでこれ以上ないチャンスを迎える。小祝のバーディパットは傾斜に流され、返しのパーパットも右を抜けボギー。西郷は起死回生のバーディ。神谷はナイスボギーでしのいだ。

18番、稲見はパーオンできず、悔しい連続ボギー。山下はパー。最終組の西郷もパーオンできず、小祝はグリーン奥にこぼす。神谷のみパーオンに成功する。西郷は手前からのアプローチをしっかり寄せてパー。小祝も奥からパターで寄せてパー。神谷も2パットのパーでホールアウト。ムービングデーの長い一日が終わった。

明日も風は穏やかとの予報だが、硬く締まったグリーンが選手たちを苦しめることは必至。最終日最終組は今日と同じ神谷、西郷、小祝。誰か勝ってもメジャー初制覇となる。ただ、簡単に抜け出せるものではない。前半どれだけ伸ばし、後半どこまで耐えられるか。上位にいる選手の中で、それに成功した者が優勝を手にするのではないか。

■主な上位選手順位

上位選手の主な順位は以下の通り。

1位/10アンダー/小祝さくら 2位/9アンダー/西郷真央 3位/8アンダー/神谷そら 4位/7アンダー/稲見萌寧 5位タイ/6アンダー/蛭田みな美、山下美夢有 7位/5アンダー/ささきしょうこ 8位タイ/4アンダー/菅沼菜々、仲宗根澄香

青木瀬令奈、申ジエ(韓国)は3アンダー10位タイ。岩井明愛、堀琴音は2アンダー14位タイにつけている。なお、桑木志帆は第3ラウンド開始前に棄権した。

◆【実際の映像】「最終日なんで思い切ってベストを尽くす」メジャー初制覇へ小祝さくらが決意のコメント

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文●河野道久

#日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯 🏆|#Round3

🎙ホールアウト後インタビュー🎙
🏌️‍♀️#小祝さくら

🏆POS:1位
📊SCORE:-10
📈TODAY :-1#JLPGA pic.twitter.com/mjpYzQknyh

— 日本女子プロゴルフ協会(JLPGA) (@JLPGA_official) September 9, 2023