40分換算で最も相手を圧倒している布陣を擁するカナダ  8月25日に幕を開けた「FIBAバスケットボールワールドカップ2023…

40分換算で最も相手を圧倒している布陣を擁するカナダ


 8月25日に幕を開けた「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」も残すところあと3日。9月8日に準決勝、9日に順位決定戦、10日に3位決定戦と決勝戦がフィリピンのマニラにあるモール・オブ・アジア・アリーナで開催される。

 そうしたなか、7日に『FIBA』へ今回のワールドカップにおける“デスラインナップ”に関する記事が公開された。この“デスラインナップ”というのは、2015年のNBAファイナルでゴールデンステイト・ウォリアーズがクリーブランド・キャバリアーズに1勝2敗で迎えた第4戦にスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)がコートへ送り込んだ布陣だった。

 ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ハリソン・バーンズ(現サクラメント・キングス)、ドレイモンド・グリーンはそのままに、センターのアンドリュー・ボーガット(元ミルウォーキー・バックスほか)を先発から外し、ウイングプレーヤーのアンドレ・イグダーラ(現無所属)を先発起用。5選手がいずれもボールプッシュでき、複数のポジションをガードできる布陣を形成したウォリアーズは、そこから3連勝でシリーズを制している。

 今回のワールドカップでベスト4に入ったのはセルビア代表、カナダ代表、カーHCが指揮を執るアメリカ代表、ドイツ代表の4カ国。そのうち、コートへ送り込んだ5選手として40分間あたり最も多くの得失点差を記録している布陣トップ3、オフェンス面で圧倒している布陣トップ3、ディフェンス面で制圧している布陣トップ3は下記のとおりとなった。

※以降、選手表記はファミリーネームのみ、所属チームは省略

40分換算で最も相手を圧倒している布陣トップ3


1位.カナダ(ギルジャス・アレクサンダー、ドート、ブルックス、バレット、パウエル):+49.6点

2位.アメリカ(ハリバートン、リーブス、イングラム、バンケロ、ポーティス):+45.6点

3位.アメリカ(ブランソン、エドワーズ、ブリッジズ、ハート、ジャクソンJr.):+45.1点

40分換算で最も得点を量産している布陣トップ3


1位.ドイツ(シュルーダー、オブスト、フォークトマン、F・ワグナー、タイス):107.3得点

2位.アメリカ(ハリバートン、リーブス、イングラム、バンケロ、ポーティス):107.0得点

3位.アメリカ(ブランソン、エドワーズ、ブリッジズ、ハート、ジャクソンJr.):106.6得点

40分換算で最も相手を抑え込んでいる布陣トップ3


1位.カナダ(ギルジャス・アレクサンダー、ドート、ブルックス、バレット、パウエル):51.9失点

2位.ドイツ(ロー、ギフェイ、M・ワグナー、ホラツ、ティーマン):52.8失点

3位.アメリカ(ハリバートン、リーブス、イングラム、バンケロ、ポーティス):61.4失点

 こうして見てみると、40分換算で約50点もの大差をつけているカナダの布陣が際立っている。ドートとブルックスというペリメーターディフェンダーに加え、ギルジャス・アレクサンダー、バレットというサイズのある2人にビッグマンのパウエルを並べた布陣は、セルビアとの準決勝でも起用されるに違いない。

 興味深いのはアメリカ。ハリバートンを中心とするセカンドユニットが、ブランソン、エドワーズらを含む先発陣よりも高い数値を記録していることが分かる。選手層の厚さは随一で、ベンチ陣が試合へ好影響を与えていると言えるだろう。

 また、ドイツはオフェンスとディフェンスでそれぞれ相手を圧倒する布陣を擁していることになる。なお、セルビアではN・ヨビッチ、ボグダノビッチ、ドブリッチ、S・ヨビッチ、ミルチノフの5選手が最も長くコートへ送り込まれており、40分換算で相手チームを25.3点も上回っている。

 今年のワールドカップで準決勝を制し、ファイナルへ駒を進めるのはどのチームとなるのか。ここまでに挙げたラインナップが送り込まれる時間帯は特に注目していきたい。

【動画】ワールドカップ準々決勝のトップ10プレー集はこちら!