今回は層の厚い早大男子背泳ぎ陣の中から米山毅(スポ4=東京・早実)と村上賢之慎(スポ3=熊本西)の二人と対談したが、実…
今回は層の厚い早大男子背泳ぎ陣の中から米山毅(スポ4=東京・早実)と村上賢之慎(スポ3=熊本西)の二人と対談したが、実は2年前にも同じ組み合わせで対談を行っている。それからも同じ種目で競い合ってきた二人、最後のインカレ(日本学生選手権)となる米山と、先輩を送り出す村上の胸中に迫った。
※この取材は8月10日に行われたものです。
みんなに悪い影響を与える人には絶対になっちゃいけない(米山)

最後のインカレの意気込みを語る米山
――米山選手から村上選手の紹介をお願いします
米山 僕と一緒で背泳ぎが専門の選手です。練習もすごくひたむきにというか、常に追い込んでいるなという印象の人です。チームの中でしっかり自分のやることをストイックにやっているので、それでみんなを引っ張っているのかなと。上級生になってからもですが1年生の時からすごく頑張っていて、僕はずっといい刺激を貰っているかなと思います。
村上 ちょっと恥ずかしいですね。
――村上選手から米山選手の紹介をお願いします
村上 もう3年間一緒に生活と練習をさせてもらっているんですけど、オンオフの切り替えがすごいなと思っています。日常ではすごく明るくてチームのムードメーカーみたいな存在なんですけど、練習ではみんなが真似できるような努力の仕方じゃなくて、その上を行くようなやり方や考え方で練習に取り組んでいるので。それはみんなもだと思いますが、刺激を受けながら練習しているっていう感じです。
――お互いに3年間で印象が変わったりしたところはありますか
米山 基本的には変わらなくて、日常生活では結構親しみやすく先輩にも話しかけてくれるというか、コミュニケーションをとってくれるなっていう風に思います。さっきも言ったんですけど、練習もずっと真面目だなという感じなので、基本的にはずっと同じイメージですね。
村上 年々明るさが増しているなっていうのは感じます。いろいろと興味を持つところが増えたり、視野も広がっているのかなと。それがみんなを和ませたり、楽しい雰囲気にさせる一つの要因じゃないかなとは思います。
――最近ハマっていることはありますか
米山 今は釣りにすごいハマっています。最近はインカレも近づいてきたので行ってないんですけれども、何回か行ってすごく楽しくて。インカレが終わったら引退なので、引退したらどんどん行こうかなと思っています。
――海ですか、川ですか
米山 海ですね。
――どういったところが魅力ですか
米山 僕結構ぼーっとしてるのも好きなので、海を見ながらぼーっとしてたまに引っ掛かったら、来た! みたいなあの感じが面白いです。
村上 僕はオフの日に美味しいものを食べに行くのが結構楽しみでもあります。
――最近食べに行ったもので美味しかったものはありますか
村上 渋谷にあるハンバーグ嘉っていうお店なんですけど、めちゃめちゃ美味しくて。結構並んだんですけどそれ目当てで行ったので、結構良かったかなと。
――世界水泳(世界選手権)で印象に残ったレースやシーンはありましたか
米山 400メートル個人メドレーの世界新記録はすごく印象に残っています。あとは200メートル背泳ぎは自分もやっている種目ですし、1個下と3個下で結構話する子とかも出ていたので、タイムを見たりしてすごく刺激を貰いました。
村上 やっぱりみんな400メートル個人メドレーは衝撃的なレースだったかなと思うんですけど、僕も背泳ぎをしているということで、やっぱり入江(陵介=現イトマン東進)選手があの歳でずっと現役を続けて、いろんな思いを抱えながら一回一回のレースをやっていることがすごいなと思いました。自分だったらあそこまでいろんなものを背負ってできないなっていうのは感じました。
――部の皆さんで世界水泳について話はしましたか
米山 そうですね。練習終わりとかにもちょうどやっていたので、みんなで食堂で見たりしていました。
――米山さんに伺います。最上級生ということで、これまでのシーズンと心境の変化などはありましたか
米山 そうですね。やっぱり一番上なので、引っ張るじゃないですけどみんなに悪い影響を与える人には絶対になっちゃいけないというふうには思っていました。同期と力を合わせてみんなをいい方向に引っ張っていけたらなっていうのは意識していました。
――今季ここまでの振り返りをお願いします
米山 調子としてはシーズンが始まってから徐々に上がってきているのかなと思います。昨シーズンは1年を通して全然いいタイムは残せなかったので、そこから最後の年ということで気持ちもより一層強く持つようにして、徐々にタイムも戻ってきたのかなと。ベストまであと少しという部分が多くなってきて、そういうところで調子は戻ってきているのかなと思うので、そのベストまでのあとちょっとを埋められるようにという感じです。4月の日本選手権では200メートルで久々に2分を割れたので、そこは良かったかなと思います。100メートルも久々に55秒台だったので、そこは結構良かったのかなという風に思います。
村上 今シーズンはあまり自分の納得のいく結果は出せていなくて。自信がつくような練習はできているんですけど、やっぱりそれを試合で発揮するというところがまだ噛み合っていなくて。今シーズンは少し怪我や病気もしてしまって、うまく水泳に本気で向き合えない時間がありました。これからインカレもあるので、少しずつ調子を上げていけたらなとは思います。
――怪我の状態は良くなってきているのですか
村上 完治しているわけではなくて、ずっと耐えながらという感じです。あとは病気もしちゃって、自分の中で少し制限がかかっている部分もあるので、ちゃんと早めに治して頑張りたいなと思っています。
今まで見せてもらったものをしっかり僕たちが受け継げるように(村上)

村上は2年前の対談と変わらず米山を慕う言葉をたくさん口にした
――では改めてインカレでの出場種目と目標を聞かせてください
米山 100メートルの背泳ぎと200メートルの背泳ぎに出場します。タイムは100メートルは55秒1とか2ぐらいを出せたらと思っています。200メートルは1分57秒台を出したいと思います。
村上 僕は100メートル背泳ぎに出場します。目標タイムとしては55秒台に突入することです。
――今重点的に取り組んでいる練習はありますか
米山 キレを出すっていうところと、あとはレースで落ち着けるような準備をするというところですね。僕自身スピードがあるわけではないので、しっかりとパワーを出せるように、パワーの発揮を意識しています。あと、力んでしまうとテンポが上がってしまって、後半ばててしまうというレースがちょっと多かったので、落ち着いて泳げるようにというのを練習の中から意識してやっています。
――パワーやキレを出すために具体的にどんな取り組みをしていますか
米山 練習中や陸上でのトレーニングから、一回一回の俊敏性を常に意識しています。
――村上さんはどうですか
村上 僕の持ち味としては後半が得意なのですが、最近その後半があまりうまく上げられていなかったので、そこをもう一回しっかり上げるというところです。でも前半もあまり得意ではないので、100メートルということもあって瞬発系のトレーニングやウエートなど、水中では得られない負荷を陸上で得て、それをスイムにつなげるという取り組みをやっています。
――後半の伸びを生かすにはどんなことが必要になりますか
村上 やっぱりテクニックを安定させないとどれだけ後半強くても上がらないです。楽に早く前半入ってしっかり後輩テンポを上げて、自分の泳ぎをどううまく出せるかっていうのは練習で反復しながら出せるようにはしています。
――これまでインカレに出場してきた中で、印象に残っているレースや場面はありますか
米山 2年生の時の決勝ですかね。ベストも続いていて調子も良くて、ランキング的にも優勝を狙おうとかみんなで言っていたのに、そこで決勝で自分がタイムを落としてしまって5番でした。落ち着いていけなかったっていうところは、すごく悔しい部分の意味でなんですが印象に残っていて、そういうことが最後はないようにと思っています。
――ご自身のレース以外で印象的な場面はありましたか
米山 1年生の時に見ていたメドレーリレーがすごく印象に残っていて、早稲田か優勝したレースなんですけど、インタビューとかを見ていてもすごく絆を感じて、見ていて印象に残っています。
――村上さんにもお聞きしたいです
村上 自分のレース以外なんですけど、4年生の田中大寛(スポ4=大分・別府青翔)さんが去年2冠されたのですが、練習ですごい頑張っている姿を見ていたので、ここまでしないと優勝できないんだというのを目の前で見て、すごく印象深くて僕まで嬉しかったです。
――影響力の大きい選手だと思いますが、一緒に練習する中で感じることはありますか
村上 練習に対する考え方と意識が人とは違うなっていうのは感じています。自分のやることを明確にしていて、自分でアレンジしながら強化していくのを取り組んでいらっしゃると思うので、そこは本当に見習っています。
――自身のレースではいかがですか
村上 1年生の時に2種目とも大ベストを出して、200は2秒くらいで、100も1秒くらいベストを出せました。100は今もその時のタイムがベストなのですが、あのレースを超えるレースをまた今回できればなと思っています。
――4年生とのエピソードなどありますか
村上 僕たちのグループって毅さんが最上級生一人しかいないんですけど、後輩たちを引っ張っていったり練習の姿勢でみんなをリードする姿が、多分みんなしていると思うのですが、とても尊敬しています。引退されていなくなるとそこからどうなってしまうのかという不安もあるのですが、今まで見せてもらったものをしっかり僕たちが受け継げるように、これから頑張っていかないといけないなと思っています。
――米山さんはいかがですか
米山 みんなで寮生活しているというのもあって、いろんなところに行ったなっていうのは結構印象に残ってますね。例えば箱根温泉にみんなで行ったりしたのは、すごく楽しかったというのを覚えています。
――どういった経緯で行こうとなったのですか
米山 前日の夜になんか行こうってなって。
――結構突然ですね。そのくらいコミュニケーションを取っていらっしゃるということですか
米山 そうですね。結構みんなで仲良くやってます。
――今回のインカレで意識している他大の選手はいますか
米山 世界水泳に出ていた明治の柳川(大樹)と竹原(秀一=東洋大)くんは二人ともすごく速い選手なので、意識はしています。
村上 決勝出場メンバーに食らいついていけるようにというのは日頃から意識しています。
――早大の中で注目選手は誰ですか
米山 主将の田丸敬也(男子主将、スポ3=大阪・太成学院)です。先日の関カレでも個人メドレーではすごい積極的なレースで、最後ちょっと止まってしまってベストではなかったと思うんですが、インカレではベストが出るだろうなっていうぐらいのすごくいいタイムで泳いでいました。200メートルの平泳ぎでも大幅に自己ベストを更新していたので、主将という立場もあって、最後のインカレはやってくれるんじゃないかなと思っています。
――米山さんから見て田丸さんはどんな主将ですか
米山 全体を見るのが上手というか、よく見ている主将だなと思っています。結構いろいろなことによく気づくというか、すぐ対処しているのですごいなというふうに思っています。
――村上さんはどうですか
村上 同期なんですけど、長牛(太佑、スポ3=京都外大西)です。最近すごい調子も上がってきていて、先日の関カレでは2種目ベスト更新していたと思うので、今すごく勢いがあります。日頃の練習の成果が、多分誰が見ても納得するようなタイムなので、やっぱりインカレでももっと爆発して欲しいなという思いも込めて、選びました。
――同じ背泳ぎの村上汰晟(スポ2=兵庫・明石南)選手はお二人から見てどんな選手ですか
米山 スピードがある選手で、僕と賢之慎とはちょっとタイプが違って前半すごく速いです。あとは勝負強いというか、僕も去年のインカレでは負けてしまったんですけど。一緒に残りの数日間も切磋琢磨して、全員でいい結果になれればなと思います。
村上 今スピードがすごいっていう話があったんですけど、気持ちの面でもすごく強い選手だと思っています。積極的にレースを展開できる強い精神力があって、試合の一本一本の力の発揮がうまいなというイメージです。インカレも多分上位に食いこんでくると思うんですけど、一緒に頑張りたいと思います。
――今回のインカレに懸ける思いを一言で表すとしたら、どんな言葉を選びますか
村上 僕は「繋」っていう文字で。今回しっかり自分の結果とかレースとかいろんな人にいい影響をつないでいってチーム全体で戦うものなので、しっかり影響を与えてそれをつないでいけるように取り組んでいきたいです。あとは自分のこととしてはやっぱりベストを更新して、次は国体(特別国民体育大会)があるのでその後のレースにもつなげていけるようなレースにしたいと思っています。
米山 「出し切る」でお願いします。レースなので、自分が今まで準備してきたものを全部出し切るということもですが、集大成として納得いくように出し切りたいなっていうのと、全部出し切ることで4年生としてチームを引っ張れたらなという意味を込めて、そうします。
――自身の注目ポイントは
米山 バサロキックです。水中動作なんですけど、僕自身そこがすごく得意なので、泳ぎで負けちゃってもそこで抜いてしっかり勝ち切れるようにということで、そこは注目してください。
村上 さっき言ったことと重複してしまうのですが、やっぱり後半のラスト50メートルを自分の持ち味としているので、そこは誰にも負けないぐらいのスピードとタイムでまくってこようかなと思います。
――インカレへの意気込みをお願いします
米山 はい。とにかく頑張ります。
村上 今回の早稲田大学は多分本当にめちゃめちゃ強いと思うので早稲田の強さと、他の大学と比べても背泳ぎのレベルがすごく高いと思うので、背泳ぎ陣の強さを今回のインカレで見てもらえると嬉しいです。
――ありがとうございました!
(取材・編集 新井沙奈)
◆米山毅(よねやま・たけし)
175センチ。東京・早実高出身。スポーツ科学部4年。最近はとてもよく寝ているという米山選手。力を蓄えて、最後のインカレで悔いなく積み上げてきた全て出し切った姿を見せてくれるでしょう!
◆村上賢之慎(むらかみ・けんのしん)
176センチ。熊本西高出身。スポーツ科学部3年。村上選手は夏を感じるために初めて鎌倉に行ったそうです。気分転換し気合い十分の村上選手の、粘りのラスト50メートルに期待が膨らみます!